歩いて消費するんだから食べ過ぎたっていいじゃない!
豪快ドワーフ店主の店を離れると通りに並んでいた食べ物の屋台の店主たちがこぞって俺たちに声をかけるようになった。
俺たちは呼ばれるがままに屋台に立ち寄りっては
店主のサービスを受けた。
食べきれないものはアイテムボックスに丁重にしまう。
あとで美味しくいただきます!
そして代わりにお酒や菓子、小物などちょっとした物をお礼として渡していった。
商売上手なパン屋のマダムはあっけからんと
「英雄様が食べてくれたってだけでいい宣伝になるってものさぁ!」
とカラカラ笑って教えてくれた。
宣伝になるのはこちらも同じだった。
ささやかなお礼と称して渡した物は今後俺たちの街の名物となる予定だ。
まだ街すら出来ていないのだが。
しかしいざ売り出そうと思っても、
この世界で馴染みのないものはなかなか手に取って貰えないかもしれない。
その為にも今から少しずつ試してもらうのも悪くはないんじゃないかと思い付いたのだ。
なんとも打算的なお礼ではあったが、店主達はとても喜んでくれ、反応も上々であった。
もちろんタダでいろいろ貰うことに気が引けたのが一番の理由だったので単純に喜んで貰えたのならそれで良かった。
腹が弾けそうなほどみちみちになった頃ようやく食べ物店の群れに終わりが見えた。
広い十字路。
その真ん中には机や椅子が並べられ、人々が屋台で買った物を座って食べられるようになっていた。
今まで俺たちが通ってきた通りが主に食べ物を扱う通りで、
その他の通りは様々な雑貨店が立ち並んでいるようだ。
俺たちは腹ごなしに雑貨店を見ながら街を見て回ることにした。
(こういうのってやっぱりなんだかワクワクするよな!
ゲームでも一軒一軒しっかり見て回るタイプだったしな!)
なんだか怪しげな看板もちらほら。
どんなものがあるんだろうと胸を踊らせ、
いざ行かん!…とした所で、
「アキ、ちょっと待って…。
腹がいっぱい過ぎてムリー。」
ぷふーっと椅子に座り込み腹を摩る兄に呼び止められる。
兄上は休憩をご所望のようです。




