ミヌレの偉い人
「儂はランドン=スティール、この街の長を務めさせてもらっております。
姫様、異世界からの訪問者・ヤクモの方々、騎士殿よくぞおいでくださいました。
魔王を倒した英雄の皆さんをこの街にお招き出来、光栄に思いますぞ。
今宵は街をあげて宴を開きます故存分に楽しんでくだされ。」
フォッフォッフォッとヒゲもじゃの顔がニカッと笑う。
「それでは皆様、我らの砦にご案内致します。」
後ろに控えていたできる女秘書風のエルフの女性が声をかける。
「申し遅れました。私、オリビア=ハンベルジャイトと申します。
こちらはベンジャミン=クリソタイルです。
滞在中になにか御用がありましたら我らに何なりと申しつけくださいね。」
細身の眼鏡をくいと上げながらにこりと微笑む。
ピカうさおっさん改めベンジャミンさんは
「おぅ!よろしくな!」
なんとも気の良さそうなおっさんだった。
「それでは。こちらに。」
オリビアさんの案内で街を抜けてそびえ立つ山の麓にある砦へと辿り着く。
山を切り開いて作られたそれは所々からもくもくと水蒸気が立ち込めており、
壁を切り抜いただけの窓からは忙しなく人々が行き交っているのが見える。
砦の入り口、金属でできた重厚な扉が開かれると中はまるで迷路のようになっていた。
オリビアさんの案内で洞窟のような通路を進むと少し開けた場所に辿り着いた。
そこには工事現場にあるような無骨なエレベーターがあった。
(おぉー。エレベーターがあるのか!)
正直この世界の技術力を舐めていた。
「こちらへどうぞ。」
オリビアさんに促されエレベーターに乗り込む。
ギィー…ガシャン…
重たい音を立ててエレベーターが動き出す。
(コレ…落ちないよな…)
下が見えるので余計に恐怖感が煽られる。
ガガッガガガガガガー
ワイヤーがすごい音を立てる。
「うぉぉぉぉぉぉっ!」
思ってた以上の速さで登っていくエレベーター。
これはもう、ちょっとしたアトラクションだ。
しばらくすると徐々にスピードが落ちてくる。
ガゴンッ!
振動と共にエレベーターが止まる。
ユラユラ揺れるエレベーターから降りる。
地に足が着き安心する。
(ちょっと怖かったけど楽しかったな!)
そこから少し歩いた先の豪華な扉が目的地のようだ。
オリビアさんが扉を開けると、中でランドンさんが待ち構えていた。
(あれ?いつの間に!)
そういえば砦に入った辺りから姿が見えなかったような…




