らっきーなすけべぇ
『ラッキースケベ』
それは偶然起こる少し破廉恥なイベント。
そう、偶然。
それをわざと起こそうとするのはただのスケベである。
…つまりこの状況はズバリ、ラッキーなスケベなのである。
神様、ありがとう。
……………遡ること数十秒前。
俺と兄は連れ立って妹の部屋に向かっていた。
肩にはマオを乗せ、頭にはライムが乗っている。
「ユイー!入るぞー!」
兄が部屋のドアを勢いよく開ける。
いつだって兄は遠慮なく人の部屋に進入してくるのだ。
兄の背中越しに見えた光景。
いつものファンシーな妹の部屋と二人の美女の肌…
見るからに透き通るように白く滑らかそうなその肌。
双子の美女の着替えの真っ只中に突入してしまったのだった。
ドアが開いたことに驚いて二人はこちらを見ていた。
ばちりと目が合う。
これは姉か妹か。どちらだろうか。
そんなことより…
「すすすすすすすすみませんんんん!!!」
慌てて兄の目を後ろから両手で塞ぐ。
あまりの勢いに体に乗せていたマオとライムが落ちる。
もちろん俺もしっかりと目を瞑った。
まぶたにはまだその美しい姿が残っている。
(これが世に聞くラッキースケベ…)
女性耐性のない男にはなかなか刺激が強かったようだ。
「に、兄さん!なにやってるんだよ!
早くドア閉めろ!」
目を塞がれたまま突っ立っている兄に向かって言うが兄はドアを閉めようとはしない。
「…弟よ。よく見たまえ。」
(この状況で何言ってんだ!女性の生着替えなんて見ちゃダメだろうが!)
目を固く閉ざしたままでいると兄が厳かに続ける。
「よく見たまえ。彼らは男だ。」
「えっ…?」
兄の驚きの発言に思わず目を見開く。
目の前には半裸の双子の美女。
俺が目を開けたのに気付くと恥ずかしげもなくヒラヒラと手を振ってくれる。
隠すこともなく、何も身につけていない上半身。
そこに女性特有の膨らみはなく、
腹には見事に割れた腹筋が見てとれる。
「えっ?えっ???男…の人…?」
あまりの驚きに素っ頓狂な声が出てしまった。
スレンダーな女性だとは思っていたが男だとは。
ハスキーな声だとは思っていたが男だとは。
あまりの衝撃に膝から崩れ落ちる。
(ひ、ひとめぼれだったのに…)
異世界で芽吹いた恋の芽は早々に刈られてしまった。
おっぱいはありませんでした(´・ω・)




