右足と左足を交互に出す簡単なお仕事です
「「いざ!しゅっぱーつ!」」
なんだかんだでゴタゴタしたがようやく探索へと向かう。
目的地は周辺の森である。
探索のメンバーは俺、兄、父、ウィリアム先生と、騎士さん5人の総勢9人。
他のメンバーは2グループに分かれてそれぞれ我が家の護衛と城の探索をするようだ。
兄と俺は一列に並んで歩く。
そう、RPGごっこだ。
無駄にぐるぐる回ったり、それについて行ったり。
ー5分後ー
飽きる。普通に歩き出す。
ー10分後ー
騎士さんと話をする。
兄と面識があるようだ。
初日に話していた面子だそうだ。
ー20分後ー
騎士さん達は同年代。
5人中3人は既婚、1人は婚約者がいるそうだ。
3人から結婚の極意について学ぶ。
それぞれの嫁や子供の話を聞いた。
子供は今可愛い盛りだそうだ。
女の影すらない俺にとっては夢のまた夢のような話だ。
ー30分後ー
婚約者のいる騎士さんから惚気話を聞く。
リア充爆発しろ。
「俺、今回の任務が終わったら結婚するんだ。」
おいおい、死亡フラグを立てるのはやめてくれ。
ー40分後ー
……………………………………。
まだ森に着かないの?
森はずっと見えてるのに一向に近づく気配がない。
ー50分後ー
ようやく森に近づいてきた!
はやくこの代わり映えのしない光景からおさらばしたい!
ー60分後ー
森!森だぁぁぁ!!
緑!緑だ!!葉っぱ!!!
草一つ生えない荒野をひたすら歩いたため、森の緑がやけに美しく見えた。
森の入り口に辿り着くとウィリアム先生が俺たちに声を掛ける。
「ここからは魔物が出ます。
我々がついていますが万が一の時は自分の身を1番に考えて行動してくださいね。」
先生の真面目な顔にそれまでだれていた気持ちがキュッと引き締まる。
「まぁ、昨日行った探索でもあまり害のない魔物ばかりでしたので大丈夫でしょう。
折角の機会ですから魔法やスキルをどんどん使ってみてくださいね。
気になることがあればなんでも聞いてください。」
先生は今度はにこやかな顔で言った。
(そうだ!スキルは試したけど魔法はまだ使ったことなかったな!
鑑定によれば一応全属性使えるみたいだけど…
では…早速…。)
「ウィリアムさん!
俺、まだ攻撃魔法は使ったことがなくて…
俺たち以外に人気もないですし、試しに今使ってみてもいいですか?」
「そうですね。
戦闘になる前にどんな魔法が使えるのか知っておいた方がいいかもしれませんね。
タケシ様もぜひ試してみてはいかがでしょうか。」
そう父にも促す。
父は黙って頷くと、目を瞑りピタリと動きを止めた。
なんだか達人っぽいな!さすが父さん!
そして口を開く。
「……ミナ、アキ。俺は地属性だよな。地ってどんな魔法があったっけ?」
(うーーん。
まぁ父さんが最後にゲームしたのって俺たちがまだ子供の頃だもんな。
俺も地魔法とかってあんまり印象に残ってないし…)
俺たち兄弟も困っていると助け舟が入る。
ウィリアム先生だ。
「地属性の者がよく使う魔法をいくつかお教えしますね。
まずは《アース》。これは土を操る魔法です。
主に地面に亀裂や穴を開けるのに使うことが多いです。
落とし罠などに活用できます。
《アースシールド》は土の盾を作り出せます。
数人で陣を組めば砦などの堅牢なものも作ることができます。
《ストーン》は石の礫を降らせることが出来ます。
熟練すると岩のように大きなものも降らせることが出来るようになります。
その他にも目くらましによく使われる《サンドストーム》なんてのもありますね。
昨日お話ししましたが魔法はイメージが大切なのです。
どのような魔法を発動させるのか、しっかりとしたイメージを持って詠唱してくださいね。」
(ふむふむ。イメージが大事…ね。
よし、俺も地魔法を使ってみよう!
ミスリルの鎧を着ているとはいえ、全部の攻撃が防げるわけじゃないからな…
アースシールドを使ってみようかな。
盾になるもの…超有名マンガ、鉄鋼の錬金術師が使ってるような感じで…)
「《アースシールド》っ!」
『ドゴッ!』
目の前に体が余裕で隠れるくらいの土の壁が出来上がった。
試しに叩いてみる。
…かなりの強度のようだ。
痛みを紛らわすように手を振ると父と目が合った。
父もなるほどといった様子で森に背を向け、荒野に向かって魔法を唱える。
「《アースシールド》」
………何も起こらない。まさか失敗か?
そう思った次の瞬間…
『ドドドドドドドッ…』
大きな地響きを立てて巨大な壁が地面から迫り上がる。
「おおおぅ…」
その迫力に思わず声が出た。
同じ魔法を唱えた筈なのにこの違い…。
これがレベルの差なのか…?
そういえばウィリアム先生がさっき数人で陣を組んで砦を作るって言ってたけど…
父なら1人でも十分砦が作れそうである。
父の目指す堅牢な街づくりは容易に達成出来そうだ。
代わり映えのしない風景の中歩くのは苦手です。
持ってはいないけどルームランナーとかダメそう。
ジムとかにあるテレビ付きのものって飽きないようについてるのかなーと思っています。
ハムスターを見習う!




