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魔王様の英雄譚

 えっと、おばあちゃんのマメ知識全快でやっていきます。活用できるものばかり、掃除、洗濯、料理など幅広く活用できるマメ知識を魔王が紹介していきます。

 魔王英雄譚まおうえいゆうたん


 これはこの世界の子供が親から聞かされる生きる伝説、英雄のお話し


 むか~しむかし、この世界は多くの国にあふれ争いの絶えない日々が続きました。しかしあるとき魔王が悪魔の軍団を引き連れて現れたのです。彼は言いました


 「この世界は我がいただいた」


 誰もがその姿、その声、その力に怯えました。しかしこのとき世界は魔王を倒すべくひとつになったのです。彼らはすぐさま騎士を集めて魔王討伐に向かいました。

 しかし相手が悪かった。魔王はただ一人戦場に現れると指を人ふりした、ただそれだけしかしなかった。しかしその一ふりは嵐を呼び雷を起こした。その雷は的確に人々にあたりそして嵐が止んだあとそこには誰一人とした立っていられた人はいなかった。その後も人々は果敢に挑み続けた。しかしその度に別の悪魔が現れるといつも指を一ふりされて終わっていた。

 10回ほど挑んだ頃だろうか。人々はついに戦意を喪失し諦めた。なぜこんなにも攻めることが出来たのかも考えることなく。

 人類が降伏したらすぐ多くの国の王と大臣、貴族が殺された。そして魔王は大陸の中央にお城を建てるとそこに住みました。人々はいつ殺されるか恐怖の毎日を暮らしていました。でもあるとき一人の男が言ったのです。


 「私の町は納めていた貴族様の税収が多く人々は毎日その日のご飯を食べるので精一杯でした。しかし貴族様は毎日浴びるように酒を飲み、多くの食材捨てる贅沢三昧でした。しかしその貴族様は魔王に殺された。そのお陰で私達は今しっかりと毎日満足な量のご飯を食べられている。皮肉にも魔王のお陰で私達の生活は潤ったのだ。

 そして私は徴兵を受けて魔王討伐戦に参加したが生き残っている。私だけではない、他の戦った仲間全員は誰一人として死んでいない、死人が出たのは人類が降伏してからだった。しかも殺されたのは、戦地でも後ろで威張るだけ威張っていた者だけだ。よく思い出して欲しい。魔王に殺された人の中には優しい人はいただろうか?

 いや、いなかっただろう!そして魔王に敗れてもう一年がたつ、しかし誰一人として悪魔に殺されたとかそうゆう話はない。

 私は思う。魔王は私達を殺すため、支配するためにやって来たのではない。争いのない平和な世界を造るためにやって来たのだと。この話を聞いた皆よ、私は一月後魔王に話に行こうと思う。それまでにできるだけ多くの人にこの話を伝えて欲しい、そして考えて欲しい。本当の魔王について」


 男のこの演説は瞬く間に世界中を駆け巡り、そして一月後彼の元に5人の人が集まった。彼、彼女らも男と同じ思いを持った者達だった。彼らはゆく、山を越え、谷をこえ、あるときは河を泳いで渡り、やっとの思いで魔王城に着いた。そして言う


 「私達はあなた様に聞きたいことがあってやって来た。是非この扉を開いて答えて欲しい」


 そう言うと重い扉はゴゴゴゴゴゴ~という音をたてて開くと中から一人の悪魔がやって来た。


 「お待ちしておりました。魔王様がお待ちです」


 そう言うと悪魔は6人を引き連れてある部屋へ通しました。そしてそこには、約一年前と全く変わらぬ姿をした魔王様がおりました。


 「よくぞ来た、そこに座るがよい」


 そう言って魔王様がソファーを勧めてくる。魔王城の中はとてもシンプルだった。男は早速聞いた。


 「魔王様、なぜあなた様はこの世界に来たのですか」

 「それはお前達がいつまでも争い続けるからだ」

 「魔王様はなぜ私達を殺さないのですか」

 「お前たちを殺して何の得がある」


 魔王様は全ての質問に答えた。そして男はついに一番の疑問を聞いた。


 「魔王様はなにをしたいのですか」

 「私は、この世界を平和にしたい」

 「魔王様はなぜこの世界を平和にしたいのですか」

 「私達はもともとは力のあった人間だ。そして優しいと慕われていた。私はこの世界の人々がいつまでも争い、人の流す血し続けている様を見ていた。

 いつになったら止めるのかと・・・

 しかし人間は一更に争いを止める気配がない。それどころか王や貴族の大半は金を溜め込んで肥え太り、民草は金がなくやつれていく。私はただそれを見かねたからやって来たのだ。そして貧困の根元をたちお前たち人間が私の元にくるのを待っていた。

 そしてお前たちはやって来た。私達悪魔は皆魔法を使う、そして私には"人を見る力"好い人か悪い人かを見極める力がある。お前たちは、金や権力に溺れぬ力を持っている。

 そこで私は命じよう。お前達が新たな王となり、土地、人を治め平和な世界を造れ、そして三年に一度王がこの地に集まり平和のための会議を行え。私はいつまでも見守ろう。もしお前達が悩んだら私も一緒に悩んでやろう。そうして一緒にいつまでも平和な世界を造ろうじゃないか!

 

 《さあ知らせよう、新たな時代の幕開けを。さあ知らせよう新たな王の誕生を》」


 そう言うと魔王様は6人を引き連れて世界中を飛び回り、この事を伝えました。

 そしてその魔王様はいまでもこの世界を見守っている


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 そして今魔王は・・・


 「魔王様、朝です起きてください」

 「おはようマモン」

 「おはようございます魔王様、今朝は目玉焼きに厚焼き玉子、卵の味噌汁に、卵かけご飯。玉子パーリーです」

 「マモンお前、朝から玉子ばっかりじゃないか」

 「はい今朝は卵が沢山採れましたので」

 「カラはどうした」

 「もちろん捨てましたけど」

 「お前は何度言ったらわかるんだ。卵の殻は掃除、洗濯、調理、怪我に役立つんだからとっておけと言ってるだろ。すぐ集めて干してこい」


 この貧乏魂全快のお婆ちゃんのような人が今の魔王だ

 最後まで読んでくださってありがとうございました。次回からは短くなると思いますがよろしくお願いいたします。

 次回は卵の殻活用編をお送りします。お楽しみに

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