僕らは何故、スイカを割るのだろう。
「夏休みだとか、海だと水着だとか浮かれる前に、考えることがあるだろう」
「先週まで水着回だとかで、浮かれていたお前に、考えることがあると言われてもな宿題でわからないとこでもあってさ」
「いや、わからない所は、宿題じゃなく、アニメを見ていて思ったんだけど、なんでスイカを割るのだろうか」
「そんな細かい事をきにするなよ」
「いやアニメで細かく気にしていたのは、女の子の水着だったんだけど」
「スイカの話に戻ろうか、スイカ割るのは、夏だからとか海だからの言葉ひとつで片付けていいんじゃないか」
「いや、そんな言葉で片付けていいのか」
「そう言われてもな」
「だって言ってみれば、目隠しして、嘘か本当かわからない言葉だけを頼りに、棒を振り回し、スイカを叩き割ることに興じるという普通の神経では楽しめそうにないぐらい、異常じみた行動だろう」
「スイカ割りをそんな目でみたことねぇよ」
「スイカで種飛ばしとか、スイカの早食い競争とかならば、まだ分かるよ、食べている途中とかで思いついたんだろうなぁって感じで微笑ましいけど、スイカ割りの発想は想像出来ない感じで怖くないか?」
「考えすぎだろ、スイカ割りってなんだかんだ言って微笑ましい光景だし」
「スイカ割りをそんな目で見ているのか」
「それ以上どんな目でみるというのか」
「じゃあお前は、女の子に目隠しして、言葉巧みに騙しながら、棒を振り回す姿をニヤニヤしながら見るのか」
「微笑ましい光景以上の目で見ているのは、お前だろうが」
「そんな風に考えると、本当にスイカ割りを考えた奴は、普通の神経してなくて、スイカ割り考えたやつは、お前と同じでコッソリムッツリと女の子を見ようと思ったんだろうな、確かに微笑ましい気分になるな」
「あぁもう、それでいい夏休みだしな、浮かれ気分でもしょうがない」