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流浪荘の管理人  作者: 中酸実
第一荘 あべこべ世界の管理人
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第七室 警察署への同行

執筆の魔力に取りつかれている中酸実です。さて、本日も書き溜めしなくては。

 一緒に同行した男性警察官、東屋あずまやさんは警察署内に入るなり同僚に呼ばれたようで呼びに来た人と少し会話した後、

「失礼します」と言い残し俺たちを置いて奥へと先に進んでいった。

 突然残されエントランスで呆然としていると、隣から声がかかる。


「まあ、なんだ、東屋はこの警察署内で一人しかいない男性刑事なんだ。だから男性絡みでは必ず呼び出されるんだよ、すまんな」


 バツの悪そうに東屋さんと一緒に来た女性警察官が言う。


「ええ、大丈夫ですよ」


 一先ず無難な回答をする。


「ああ、ちょっと待ってな。今空いている部屋があるかどうか聞いてくる」


 そう言い彼女は受付らしきところで2、3会話した後、落胆した様子で帰って来た。


「すまない、今は取り調べ室しか開いていないようだ。流石に男性をそこで待たせ・・・」

「いいですよ」

「おっ、そうか・・・っていいのかよ!?」


 急にびっくりしたように食いかかる彼女にたじたじしながら答える。


「あ、はいそこまで拘りはないですし」

「お、おう、じゃあ案内するわ」


 そういいながら警察署の奥へと進んでいく、俺も遅れないように慌ててついていく。


 長い廊下を進むと、急に目の前の進む彼女が立ち止まる、どうやらここが目的地のようだ。


「さてと、ここが取調室だ。あんまり男性を待たせるような場所ではないけどな」


 そう彼女は紹介すると鍵を開けて中に入っていった。彼女にならい中に入ると刑事ドラマでよく見る光景が広がっている。

 白一色の壁に向かい合ったオフィスデスク2組の上に卓上照明一つと言う簡素な部屋だ。

 ・・・無性にカツ丼を食べたくなるのは気のせいだろうか。

 そんなことを考えていると奥の方の椅子に彼女は座り、こちらに着席を促してくる。


「立ってたらしんどいだろ、座りな」

「あ、はい」


 促されるまま椅子を引き、対面に着席する社会人としての癖で自然と姿勢が良くなる。


「すまないな、ホントだったら応接室やもっといい部屋があるんだがな」


 さっきからずっとそれを言っている、よほど気にしているようだ。

・・・そういえば名前を聞いていなかったような気がする。


「いえ、気にしてないですよ。あの、すみませんがお名前は?」

「あれ?ああ、そういえば名乗ってなかったな、すまない。私は男性保護防犯課、西野にしの 正子しょうこ警部補だよろしく。

さて、名乗ったからにはそちらも名乗ってほしいかな」

「あ、はい、逆水さかみず 椿樹つばきです」


 東屋さんの会話から大体察していたがやはり警部補だったか。落ち着いた所で改めて彼女の様子を見る。肩まで掛かる乱雑な藍色の髪を先の方で留めていて、こちらを見る黒に近い藍の瞳には鋭さが垣間見える。そして、スッキリとした体つきで清潔感のある警察の制服に非常にマッチしている。絵に描いたような美人婦警だ。


「やっぱり、珍しいなそんなに落ち着ているなんて」


 どうやらこちらの視線に気づいたようで、ふと彼女はそんな言葉を漏らす。


「落ち着ている男性は珍しいのですか?」


 落ち着いている男性がそんなに珍しいのかと疑問符を浮かべてしまう。


「ん?東屋以外の男性に会ったことないのか?」


 流石に別の世界から来たと言う突拍子のない事を言うわけもいかないのでここは話を合わせる。別の世界だなんて本当はたちの悪い冗談だと思いたいが、今までの事を省みるに信じるしかないだろう・・・


「え、ええ・・・」


 そう自分が生半可な返事を返そうとした時、廊下から怒鳴るような男性の声とそれを宥める女性の声が聞こえる。


『おい!私は男性なのだぞ!もっと丁寧に扱わないか!』

『ですから、おっしゃる通り丁寧に扱っています』

『ふん、この程度でか?笑わせてくれる!』


 がやがやとそんな声が遠ざかっていく。


「ええと、世の中の男性はあんな感じなのですか?」

「そうだな、東屋や君のような男性は稀有の部類に入るな」


 そう言いながらため息をつきながら悪態をつく。


「全く世の中の男性にも東屋や君の爪の垢を煎じて飲ませたいよ・・・まあ、東屋の爪の垢を飲みたいのは私の方だがなボソッ」

「え・・・今なんと?」


 と、彼女が言うと同時にガチャリと入口のドアが開く。


「ん?僕がどうしたって?」


 入って来たのは丁度話に出てきた東屋さんだ。


「あ、あ、あ・・・東屋君!は・・・入る時はだなノックを・・・」

「すみません、失念していました」


 東屋さんが来たとたん凄まじい焦りっぷりだ。

まてよ、今までの事を省みるに・・・もしかして彼女、東屋さんに惚の字が。

 今回は短いですね。一話ごとの話数が安定しないのはまだまだ執筆スキルが足りないからでしょうか・・・

 さて、今回のキャラ設定です。今回、主人公の話し相手でしたね。


西野 正子 ニシノ ショウコ

年齢・32歳

職業・男性保護防犯課 警部補

趣味・推理小説

好物・ココア

家族・妹

誕生日・12月8日

座右の銘・明日には明日の風が吹く


 男性相手にも物おじせずに対応する、豪放磊落な人。正義感が強くまた妹思いの良き姉。実は東屋に淡い恋心を抱いている。

 しかし、警察としてのの手腕は確かなもの。常に冷静沈着で物事を見つめ分析し事件を解決に導く。


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