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流浪荘の管理人  作者: 中酸実
第二荘 流浪荘の住民
16/33

第五室 管理人の翌日

頑張って投稿しますよ!

 目が覚めると、顔を出したばかりの穏やかな朝日が203号室に差し込んでくる。

 一瞬身じろぎをして体を起こす、スマホを起動して時刻を見るとデジタルの数字が朝の七時を知らせた。


「もうこんな時間か・・・」


 そう呟くと、大家さんとの約束を守るために寝間着から着替えて外に出る。

 軽く伸びをして眠たげな意識を目覚めさせていると、ガチャリと隣のドアが開く。


「あれ?逆水(さかみず)さんどうしたのこんな朝早くにさ?」


 隣人である202号室の大櫻(おおざくら)さんが不思議そうにこちらを見ていた。今から会社だろうか?スーツを着ていて手にはビジネスバッグが握られている。


「ええっとですね、昨日大家さんに紹介されて。このアパートの管理人になったのですよ」

「男性である逆水さんが何で働いているのさ・・・それよりもその事が何で早起きするのに繋がるのさ?」


 確かに…そこは説明不足だったな。


「それはですね、朝一で掃除してくれるように大家さんに頼まれたのですよ。何でも、住民の顔を覚えられるようにだそうです」


 行き成り朝一で掃除をしてくれと言われたときは一瞬戸惑ったが、住民の顔を覚えると言った大家さんの言葉に納得した。このアパートの管理人をする上で住民とのコミュニケーションは必須だ。何かあったときに顔を知っているのと知ってないのでは信頼度に大きく差が出るのだ。

その事を自分自身納得したのだが・・・


「!?・・・もしかして大家さんにさ、騙されているんじゃない?」


 ガシッといきなり肩をつかまれて戸惑っている所に大櫻さんはそんなことを言う。

 顔が近い・・・顔が近いですよ大櫻さん。


「大家さんに問いただすのさ!付いて来て下さい!」


 よく分からない正義感で一人走りをしている大櫻さんを放って置けるわけもなく、後に渋々と付いて行く。

 こんな朝早くに尋ねて、大家さんに迷惑ではないだろうか?


 階段を下りると丁度、大櫻さんの訪問に対して大家さんが扉を開けたところであった。

 101号室に近づいていくうちに、段々と大櫻さんの顔色が悪くなっていく。

 どうやら年の功には勝てない様だ・・・101号室に着く頃には。


「す、すみませんでした!」


 うん、完全に打ち負かされて事情を説明された様だ。


「わしにぃ、謝るでのぉで迷惑掛けたぁ逆水さんにぃ謝りなさいな」

「ご、ごめんなさい!」


 うん、こちらに謝られるよう要素って有ったっけ?


「い、いえ、大丈夫ですよ」


 とりあえず話を合わせよう・・・


「お、怒ってない?」


 大櫻さんはそこが心配なのか。


「怒ってなんかないですよ」


 安心したようにホッと胸をなでおろす大櫻さん、そんな彼女に一つ疑問が浮かぶ。


「あの、大櫻さん?会社行かなくて大丈夫ですか?」


 その言葉を聞いて左手の腕時計を確認する大櫻さん。

 すると、見る見るうちに先ほどとは比べものにならないほどに顔を蒼くして。


「会社に遅れるので失礼します!!!」


 その言葉を残し全速力で去っていった。


「彼女、大丈夫でしょうか・・・(色んな意味で)」


 一抹の不安を覚えそんな事をふと漏らしてしまう。


「大丈夫やなぁ、大櫻さんならぁ。それよりぃ、あんな自然のぉ表情ぉするなんてねぇ」


 そんな事を呟きつつ、こちらを見据える大家さん。その瞳には年長者特有の全てを見透かすような光が宿っている。


「あれがいつもだと思うのですが・・・それよりも、すみません朝早くに」

「あんたがぁ、謝るぅ事じゃぁないんだけどねぇ。じゃあ、わしはぁ自室に帰るとするかねぇ」


 そんな事を言って、大家さんは部屋に戻っていった。

 一人残された自分の姿に少し哀愁が漂うのは気のせいだと思いたい。


「あれ?逆水さんやん、おはよう!」


 ふと、背後から聞こえるのは昨日聞いた声だ。


「あ、おはようございます本剛(ほんごう)さん」


 昨日知り合った、本剛さんだ。今日も元気そうな感じが出ててこちらも元気になる。


「じゃあ、時間なので行ってきます!」


 どうやら時間ギリギリのようだ、昨日と同じく作業着なのを省みるに今から仕事なのだろう。


「行ってらっしゃい。お仕事頑張って下さい」

「ありがとね~!」


 手を振って応えながら本剛さんは仕事へと向かっていった。本当に元気な人だ。


 気を取り直し掃除に取り掛かろうとするとアパートのドアが開く。

 ふと、部屋番号を見ると103号室の様だ。この部屋の住人にはまだ挨拶していないなと思っていると、その住人からいきなり声がかかる。


「あら、外がやけに騒がしいと思ったら。まさか、男性が居るなんてね」


 どうやら、五月蠅かったらしい謝罪の意を込めて謝る。


「ご迷惑をかけたようですみません」


 外に出て来た女性の姿を確認する。年の瀬は30代前半だろうか?暗い紫色のセミロングに泣きボクロが特徴で服装は黒い長そでの上着にチェックのロングスカートだ。魔女と言っても過言ではない容姿だが醜くはなく、むしろ美魔女と言った大人の美しさが光る女性だ。


「ええ、そのせいでちょっと早めに起きたけど。所であなたはだれなの?見かけない人だけど」


 確かに知らない人からしたら不審者だろうな…慌てて自己紹介をする。


「自己紹介が遅れてすみません、自分は新しく203号室に引っ越してきた逆水 椿樹(つばき)と申します」


 そう自己紹介をすると、彼女はフフフっと妖艶に笑う。何か自己紹介に失礼な点があったなのだろうか?


「ごめんなさいね、そこらの男性なら『名乗る前に自分の名前を言ったらどうだ』とか言いそうだけど・・・素直に謝罪できる辺りあなたは違うようね」

「は、はあ」


 褒められているのかよくわからない返答に困惑してしまう。


「ああ、申し遅れたわね。私は103号室の流木(ながれぎ) 蜜柑(みかん)。よろしくね。」


 流木さんか管理人の責務を果たすためにしっかり覚えないと。


「え、ええ、よろしくお願いします」

「じゃ、私はこれで失礼するわね。仕事があるので」

「仕事は何されているのですか?」

「エステティシャンよ」


 そう言って彼女は自室へと戻っていった。

 朝だけでも大分と疲れた、こんな調子で毎日大丈夫かなぁ・・・

さて、新キャラの流木さんが登場しましたね。皆さんは紫髪のキャラで何を思い浮かべますか?自分は物語のシリーズの戦場ヶ原さんにドラクエのマーニャとミネアですかね、あ、あとブリーチの夜一さんもいましたね。皆様はどうでしょうか?

さつぁて、今回のキャラ紹介はこの方です。


103号室 流木 蜜柑 (ナガレキ ミカン)

年齢・37歳

職業・エステティシャン

趣味・健康

好物・野菜、大豆等とにかく健康にいいもの

家族・母、姉

誕生日・6月22日


 色っぽいお姉さん実際年齢ー5歳位の凄さ、本人は年齢に関してはあまり気にしてはいないようだ。

 こう見えて実は妹である・・・

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