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一人の少年が呟いた。
「これが、俺の目指したものだったのかよ・・・」
少年の目の前には、戦火の大地。生きるために人を殺し、欲望のままに人を襲う。
それはまさしく地獄、地獄そのもの。
少年の頬に、涙が流れていた。それは後悔の涙なのか、それとも・・・
「なんで、なんで・・・」
少年は手を硬く握った。そのためか、手からは血が流れ出ていた。流れ出た血は、真っ赤に染まった大地をさらに染め行く。
少年は力尽きたのか、膝を付いた。そして、
「糞が、糞が。くそったれがあぁぁ・・・」
少年の叫び声はこだまとならず、乾いた世界に浸透せず、ただ消えていった。
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「またかよ」
少年は、嫌気差していた。高校二年生にもなって、こんな厨二病真っ盛りな夢を見る事に。
少年は、ベットから降りてキッチンに向かった。朝食を食べるために。
パンをトーストに入れて、セットをして。焼くまでの間に、冷蔵庫から牛乳を取り出してコップに注ぎ、バターをとりだして置く。
金属音が鳴り響き、パンが焼けた事を知らせてくれる。そして、熱々のパンにバターを塗る。
新聞紙を広げつつ、パンを食べる。
少年は思う。これこそ、日本人の朝じゃないだろうか、と。
新聞紙を見ながら、焼きたてのパンを食べる。うん、日本人の朝だと。
新聞紙を見ていたら、面白い記事を見つけたと少年は思った。これは学校で話題になると。
そこからの少年の動きは早かった。すぐにパソコンを付け、ネットでその記事について調べる。
出てきたのを記憶して、少年はすぐに制服に着替えた。これは早く学校に行かないと、思ったからである。だが、少年は気づかなかった。自分がとんでもないミスをしている事に。いや、そこまでのミスではないのだが。
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少年は家の鍵を閉めて、自転車に乗り学校に向かった。ちなみに、学校までの距離は自転車での場合約
10分ほどだ。ただ、それは普通の速度のときの場合だが・・・
少年は、おもしろいと。ただ、その好奇心が少年の速度を加速させていく。
少年は、ものの5分で学校に着いた。それと同時に、自分がミスしている事にも気づいた。
少年は思った。今朝は、厨二病の事で色々と嫌気を指していたから忘れていた。
少年は思った。今朝は、何食わぬ顔で日本人らしい事をしてたから忘れていた。
少年は思った。何で誰一人、通学路に居なかったことに気がつかなかったのか。
そう、今日は休みなのだ。学校が休みの日なのだ。
少年は、自分の嫌気からかすぐに帰路にきした。ただ、帰りは自転車に乗る気力が無いのか押して帰っていたが。
家に着いた少年は、着替えて二度寝をした。もう、自分が嫌ですぐに寝たくなったからだ。と言っても、人間はすぐに寝れるもんじゃない。
だから、少年は不貞寝をした。ただ、こうしていればいつかは寝れるだろうと思って。
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甲高い音が携帯から鳴り響く。それに、気づいたのか少年はむくりと起き上がる。
少年は、電話に出た。そして、いくつかの応答があり少年は気づく。
自分のミスに。少年は向こう側に幾つかの言葉を言い、すぐに準備をして向かった。
自転車に乗り、目的地へと急ぐ。この調子なら、すぐに着くと。
5分も経たずして、目的地へと着いた。少年は、玄関から入りそこにいる人と話してから、自分が行く
部屋へと向かった。
少年は扉を開けて、部屋の中に入った。そこには、知り合いが居た。
目の前には、さっき電話をかけてきた本人がいた。
だが、少年は重々しい雰囲気で言った。
「・・・寝ていました!」
電話をかけてきた本人は、その言葉がくるのが分かってていたのか、呆れ顔をしていた。ため息を付いて、本人は目で暗に場所を指した。
それに気づいて、少年はその場所に向かった。
知り合いが、少年に話しかけてくる。
「どうした?」
少年は、それに答えるかのように話した。
話を聞いた知り合いは、笑いながら言った。
「よくそんな風に考えたな。まぁ、今日は昼間からという珍しい日程だけどさ。でもこれ、一ヶ月に一回ある日程じゃんかよ。高校二年生にもなって、それはないだろ。てか、厨二病って・・・」
少年は、笑いまくる知り合いに呆れ、窓の方に顔を向けた。
そう、この世界は違うのだ。俺が居た世界とは・・・