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「器」執筆物語  作者: 猿吉


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第一話 はじめに

極めて気まぐれに書いていますので、更新はいつになるかわかりません。ただ、楽しんでいただければ。と、思っています。

物語を書き始めてから、日常の見え方が少し変わったかな?


 もともと私は、特別に感受性が強い人間ではない。むしろ、合理的に物事を考えたいタイプであり、感情というものは、時に判断を鈍らせる厄介なものだとすら思っていた。特に、社会の中で役割を果たそうとするときには。


感情とは、機械で言えば摩擦のようなものだと考えていた。それがなければ、もっと滑らかに、もっと効率的に進めるはずのもの。そういう位置づけだったのである。


 だが、遊という人物を書き続けるうちに、その認識は崩れていった。


感情とは、単なる摩擦ではなく、むしろ、燃料そのものだったのだ。


朝、目を覚ます。カーテンの隙間から差し込む光を見る。コーヒーを淹れる。湯気が立ち上る。ただそれだけの光景である。以前の私であれば、それは「何も成していない時間」でしかなかった。


だが今は違う。

これは、誰かが「失わなかった」朝なのだと、そう思ってしまうのである。


失われなかった、ということの重さ。


それは、「失った」という事実があるからこそ、生まれる重さなのである。


と、偉そうなことを書いてみた。エッヘン!

お読みいただき、ありがとうございます。

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