第4話 個性/注文
優香が遅れてカフェに入ると鞍馬はスマホを眺め艸河辺はメニューを見て目を光らせている。
優香「お待たせー」
優香はそう告げながら鞍馬の隣に座る。
艸河辺「なー、注文何にするよ…めっちゃ美味そーで悩むんだけどー」
数分が経過する。
艸河辺は呼び出しボタンを押す。
店員「ご注文はお決まりでしょうか?」
艸河辺はメニュー表を指差しながら…
艸河辺「えっとー、このチョコケーキとショートケーキとモンブランとオムライスとオレンジジュース!」
優香と鞍馬は一瞬驚く。
優香「私はシフォンケーキと紅茶をお願いします」
鞍馬「コーヒーで」
店員「かしこまりました」
鞍馬はまたもスマホに視線を落とすが、優香と艸河辺は見つめ合いながら鞍馬がトイレに行った瞬間2人で話し始める。
艸河辺・優香「おかしいよねぇ!」
2人の言葉は同時に出た。
艸河辺「こんなに美味そうでこんなに綺麗な店なのにさぁ!」
艸河辺は文句のように言葉を並べる。
優香「そーだよね、別にいいんだけどさぁ!もうちょっと気を緩めてくれてもいいよね」
優香は肘を机について不満そうに語る。
鞍馬「何がだよ…」
鞍馬がいつの間にか戻ってきた上、机にはもう飲み物が置かれていた。
優香は紅茶を啜りながら誤魔化す。
優香「別になんでもないです」
艸河辺は話をぶっ込む。
艸河辺「もうちょっと頼んでもいいだろ!なんでコーヒーだけなんだよ!」
鞍馬「簡単だろ、お前が奢る飲み物の話がこれで俺はついてきただけなんだから…これで十分だ」
艸河辺はムッとする。
鞍馬はコーヒーを啜ると『ふぅっ』と落ち着いた息を吐き出す。
数分後、料理が到着すると艸河辺はすぐにがっつくが優香はゆっくりと食べ進める。
その時、突然優香の方に重みを感じた。
優香が見ると鞍馬の頭が乗って寝ていた。
優香「…ちょっ、鞍馬く…」
優香は起こそうとしたが動きを止める。
鞍馬の幸せそうな顔と温かみを遠ざけたくなかったのだ。
優香『ずっとこんな時間が続けばなぁ〜…』
⦅艸河辺は料理に夢中で気づいていない⦆




