第3話 寄りみち
⦅学校内に授業の終わりと帰宅の時間を知らせるチャイムが鳴り響く⦆
〈SHR後:教室内〉
鞍馬はスマホを確認してバイトが無いことを確認する。
艸河辺「なぁ?鞍馬!今日バイトない日だろ!どっか行こうぜ!」
鞍馬はスマホをチラッと見たふりをしてから。
鞍馬「悪いな、今日はシフトを入れててn…」
艸河辺「シフト入れてるなら仕方ないk…」
その瞬間背後から誰かの手が伸び鞍馬のスマホを奪われる。
優香「シフト無しって綺麗に書いてあるけどな〜?」
鞍馬は後ろを振り返る。
鞍馬「優香…」
艸河辺「あー!鞍馬ー!寄り道面倒だと思ったから嘘ついたんだろ!」
鞍馬「はぁ…」
鞍馬は素早くスマホを奪ってとっとと帰ろうとする。
2人は鞍馬を追いかけるが昇降口を抜けてしまう。
艸河辺は鞍馬の腕を掴む。
艸河辺「ま、まだ!飲み物奢ってないから!寄り道中になんか別のもっと高いの奢るから!」
艸河辺は手を合わせて頭を下げる。
艸河辺「頼む、このとーり!」
鞍馬「はぁ…わかった、少しだけな」
艸河辺「よっしゃあ!」
艸河辺はガッツポーズで飛び跳ねる。
優香はスマホを取り出し、この近くのカフェの写真を見せる。
優香「だったら、ここ行こうよ!最近できて人気なとこ!」
艸河辺「いい!すごくいい!甘いもの食いたいし!」
鞍馬「はいはい」
艸河辺「それじゃ!善は急げだ!姫乃さん、道案内よろです!」
優香「はいはーい」
優香が先導して歩く足取りは軽く少しご機嫌なようだ。
艸河辺は色々とうろちょろしながら歩くため、鞍馬が鞄の紐を掴んで遠くに行かないようにする。
⦅10分後:カフェが見えてくる⦆
優香は鞍馬達に振り返りカフェを指差す。
優香「あった!あれあれー!」
優香は走り出す、その瞬間横から車が走ってくる。
艸河辺「姫乃さん!危ない!」
優香は車のクラクションと艸河辺の声に反応して車に気づく。
優香「っ…!」
優香が痛みを覚悟し目を瞑った刹那、鞍馬が優香の背中を引っ張って歩道に戻す。
優香は鞍馬の胸に寄り掛かる形になったのだ。
優香は目を開けると自分が鞍馬の胸に居ることに気がつくとすぐにその場から離れて立ち上がるが顔が真っ赤になり俯いてしまう。
鞍馬は何も咎める事なく歩き出す。
優香「っ〜!!」
鞍馬が横断歩道を渡り切ると優香は走って近づき、鞍馬の後頭部を鞄で叩き隣を歩く。
鞍馬「痛っ…それが仮にも助けられた奴の態度か…」
鞍馬は後頭部を抑えながら優香を睨む。
優香「幼馴染を護るのは当たり前でしょ〜?」
優香は俯いて足を止める。
優香「少し疲れちゃったから先に行ってて…」
艸河辺「そっか〜、鞍馬!先いって席とろーぜ!」
鞍馬「はいはい…」
艸河辺と鞍馬が先にカフェに入ると、優香はその場から1番近くの壁に近づいて小さくうずくまる。
顔を真っ赤に染め上げる。
優香「…鞍馬くんに助けられちゃった、でもドキドキしててお礼言えなかったな〜……鞍馬くんに近づいちゃった…」




