第2話 缶珈琲
⦅昼休み⦆
優香は伸びをする。
優香「ん〜!…授業、終わり!さーてと!」
鞍馬の席を見るとすでにいない。
優香は弁当を食べている艸河辺に聞きに行く。
優香「ねぇ艸河辺、鞍馬くんどこか知らない?」
艸河辺「鞍馬なら屋上じゃね?」
優香「ありがとっ」
優香は走って屋上に向かうもいない。
優香「いない…一緒にお弁当食べたかったのに…」
優香は残念そうに屋上の端っこに座り込んで空を見上げると、視界の端、屋上への入り口の屋根上に頭が見え、凝視すると鞍馬だった。
優香「鞍馬くん、いたぁー!」
という言葉に驚いて目を覚ます。
鞍馬「ふぁ〜…って、なんだ優香か…」
優香もハシゴを上り屋根の上に座ると同時に昼休み終わり5分前のチャイムが鳴り響く。
優香「ええっ?!もう?!」
優香が驚く中鞍馬はサッと屋根の上から降りるとそそくさと教室に歩いて行くが、優香は梯子を降りようとするがあまり降り慣れていないため遅い。
優香が急いで教室に着くと陽賀田先生が怒声が響き渡る。
陽賀田先生は学校で1番うるさい上ガタイが良く力が強い事で有名なため今まで誰も反抗したことはない。
陽賀田「お前は…高校生にもなって授業に遅れるのかぁ?!あ?!」
優香「すいませ…」
艸河辺は机に手をついて立ち上がる。
艸河辺「先生そこまで怒らなくてもいいじゃないっすか…」
陽賀田「こーゆー時に言っとかんとなぁ?!次いつやるかわからんだろ!」
艸河辺は圧に負けて席に着き、鞍馬の方を向く。
艸河辺(小声)「なあなあ姫乃さん助けてくれよぉ〜…」
鞍馬「助けるも何も先生の言う通りだろ」
艸河辺(小声)「頼むよ〜、姫乃さんがこれで学校来なくなったりしたら嫌だからさー、頼む!このとーり、あとで飲み物奢るから!」
鞍馬「こんなんで学校来なくなるわけないでしょ…まぁコーヒーくれるなら…」
鞍馬が席から立ち上がる。
陽賀田「鞍馬座れ、お前は関係ない」
鞍馬「とっとと授業を再開してください」
陽賀田「それは悪いな…ほら、お前のせいで鞍馬も迷惑し…」
鞍馬「別に先生が説教をやめれば授業は再開できますよね…それにわざわざ授業潰してまでこんなに細かく言いますか?」
陽賀田「今言わないと繰り返すかもしれんだろう?」
鞍馬「わざわざ、その可能性に賭けて僕らの勉強時間を奪う方が余程迷惑なんですけど…それにまだ一回目ですよ?繰り返すと思うなら一度信じてみるのも必要じゃないですか?」
艸河辺「そーだ!そーだ!」
陽賀田は舌打ちをする。
陽賀田「チッ…姫乃戻れ」
優香は自分の席に着き、教科書に顔を隠す。
優香『鞍馬くんが私を護ってくれた…!』
艸河辺「姫乃、先生の事まだ怖がってんのかな…」
鞍馬「どーでもいいから、帰りに飲み物奢るのを忘れないのと授業に集中しろ…」




