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8、本当の、好き。sideしずく

「___…く、……ずく、しずくってばーーーっ!」

主の声。いけない。昔のことを考えてついぼーっとしてしまっていた。

「ん?」

「ん?じゃないよーー!何回呼んだと思ってるのーー!心配するじゃんっ!!」

「ご、ごめん。」

「べつに謝らなくてもいいけどさ。そうだっ!しずくが放心状態になってる間に、服、作ったよ!!」

「え、ほんと?はやーっ!見せて、見せて。」

「じゃじゃーん!」

そんな効果音とともに主が後ろに隠し持っていたものを前にだす。

それは、私のサイズの、いわゆる中性的な、デザインの服だった。

「いやー最初は、男の子だし、かっこいい系の服のほうが喜ばれるんだろうなって思って、ちゃんとそういうのをつくろうとしたんだよ!でもこんなにかわいいんだから、可愛い系の服も似合うんだろうなーとか思うとあきらめきれなくって!!結局気づいたら勝手に手が動いてこういう服ができあがってしまっていました!しずくがかっこいい系がいいなら、かっこいい系も、後で作るから!やっぱり、作っちゃったし、一回くらい着てみてほしいっていうか、ね?」

「うん、私、かっこいいのよりも、可愛いほうが、好き。男の子だから、変、なのかもしれないけど、本当は、可愛いのも、ピンクもひらひらのフリルも、全部、ほんとは着てみたかった。」

なんでだろう。主を前にすると、なんでも喋ってしまう。

それはきっと、私が主に憧れて、いや、恋をしているから、なんだろうな___。

「ほんと?無理しなくてもいいんだよ!まあこの服はぜひ着てほしいけど!!」

「無理なんて、してないよ。ありがとう。うれしい。」

主から服を受け取り、今着ている守護神見習いの制服を脱ごうと制服に手をかける。

「えええっちょちょちょ、ちょっと待って。今あっち向くから!!」

そういって主が頬を赤く染めて恥じらいながら私に背を向ける。別にそんなことしなくてもいいのに。

主が作ってくれた服は、とても着心地がよかった。今の時期にあった、長袖で、生地がふわふわしていて、太陽の香りがする。あったかくて、安心する。それに、自信過剰かもしれないけど、私に似合っている、きがした。私の瞳の色である水色で作られていて、冬っぽくはないけど、可愛い。

「主、着替えたよ。」

と言う。すると、おそるおそる、といった感じで主が振り返る。

「わあっ可愛いっ!!こういうデザインの服、しずくにぜったい似合うと思ったんだよね!私の目に狂いはなかった…!!!」

そしてその日から、私は毎日その服を着続けた。守護神は聖域で囲まれているから服が汚れるなんてことはない。それに主が服を作るときに無意識に加護の力を込めていたようで、この服を着ていればいつもより激しい運動をしても疲れない。

最近しずくちゃんsideの回が多くて、主人公ちゃんの心の声が恋しくなっている人がいるかもしれませんが、残念ながら次回は???さんsideの回です。

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