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5、1度目の人生について。(回想)

えっとですね、結構どの回でもそうなんですけど、数字が全角のものと半角のものが混ぜっていて結構違和感があります。というか違和感しかないです!ご了承ください。

私が最初に生を受けたのは、とある国の、ちょっといいとこのお貴族様だった。

あの時のことは今もまだ鮮明に思い出すことができる。

私はアルイード家で、双子の片割れ、ルーシャとして生まれた。

その国は、魔法によって回っていた。魔法をもっているものが偉く、魔法を持っていないものはもはや奴隷以下。

そして私は、両親がどちらも魔法持ちなのに、魔法を持たずに、生まれてきてしまった。

アルイード家は、代々続く魔法使いの家で、子供が生まれたらまず、魔力持ちかどうかを検査する。

私が魔力を持たずに生まれてきたのに対して、双子の妹であるリーシャは、魔力量があまりに多く、検査器具を破壊してしまった。出てきた数値は〈測定不能〉。差があまりにも歴然としていたばかりに、家族の私への扱いはひどいものだった。物心つく頃には虐待を受けていて、着るものはぼろぼろの布1枚で、ご飯は誰のものなのかわからない残飯を、1日に1食、食べられたら運がいい、くらいの生活をしていて。

6歳の時、とある日。リーシャは、フリルのついた、とてもかわいらしいドレスを着せられていて、手には扇子を持っていた。発育もよく、私よりも2つほど年が離れている人がきた、と思っていた。だれだろう、と思いながらも、お父様に会えたことがうれしくて、「お父様!!」

と小走りで近づいて行った。父からの、返事、は__________。

「誰だね、君は?私は君の父ではない。」

「え?」

世界が狂ってしまったのだと思った。記憶力はいいほうで、その男性は絶対にお父様だった。でも、明確に拒絶された。それが悲しくて、悔しくて、思わずその場で泣き出してしまった。

「だあれ?このみっともない子?」

リーシャが言った。

「さあ?こんな子知らないんだが、なぜアルイードの家に入り込んでいるのやら。おおかた、残飯を求めてやってきたこじきの子だろう。おい、ルイ。こいつを放り出しておけ。」

と、父が言う。ルイと呼ばれていた召使が、私のことを持ちあげ、屋敷の外へ連れて行こうとする。

「いや、やめて!お父様、お父様―!なんで、やだ!やめてっ」

泣きじゃくりながら外へ連れ出され、屋敷の門を閉められる。終わった、と、幼いながらに思った。絶望、というのはこういうことをいうのだろう、と門の前でただ立ちすくんでいた。

そしてその日から約2年半がたった、ある日。

私は町で、自分が作った野菜を、売って、なんとか生き延びていた。最初は金目の物を盗んでそれを売っていたが、野菜を作る方法を、おなじように魔力を持たない一人の少女が教えてくれたから。その少女は、私と同じような境遇で。とある農家の家に生まれて、4歳までは普通の農民として生きていたけど、5歳のときに親が旅に出て、今はお母さんとお父さんを待っているんだ、いつか絶対帰ってくるねって言ってたんだ、と嬉しそうに話していた。帰ってこなければいいのに、と思った。私には帰る場所なんてないのに。 名前は、と尋ねたら、ノアだよ、と教えてくれた。お父さんの名前の頭文字とお母さんの名前の頭文字を2つ合わせてノアになったんだよ、と言っていた。ノアとであってから1年、ノアと私は、親友と言えるくらいには仲良くなった。

その日も、ノアと一緒に野菜を売っていた。

「「おいしいお野菜おひとついかがですかー!」」

私はその時、自分の生活に満足していたし、ノアがいればいいとさえ思っていた。幸せだった。それなのに。

「ノア?」

知らない初老の女性が、ノアに話しかけた。

「あっお母さん!帰ってきたんだね!」

オカアサン、___?

意味は分かるけど、理解できないような感覚で、外国人が話しているのを聞いているような感じだった。

「遅くなってごめんね、さあ、お家へ帰りましょう。」

「うんっ!」

目の前で話しているのに、ずっと遠くで話しているように聞こえる。頭を鈍器で殴られたような衝撃だった。

「じゃあね、ルーシャちゃん。」

「え、待ってよ、おいていかないで、おねがい_____」

私の切なる願いは、ノアに届くことはなく、ノアは自分の家へ帰って行ってしまった。

私は、大切なものを、3度も失った。家族、居場所、ノア。

そしてその晩、私は近くにあった木で首をつって、死んだ。いわゆる自殺だ。その時のことはあまり覚えていない。よくわからないまま、私は目が覚めると白い神殿のようなところにいて。

そのときも「ミア」と名乗る天使がいて。

「名前はルーシャで、家族からは虐待の末、追い出される。そして唯一の親友も家族からの迎えが来てしまい、ぼっちになる。人生に絶望し、首つり自殺。っていうことであってますかぁ?」

第一声がそれだった。だいたいあってるけど、ぼっちって…。

「いやいや、ぼっちはぼっちだから。1人しか友達作んなかったんだぁ。しかもその1人すらも相手に話しかけてもらってるし。もしかしてコミュ障?」

なんで初対面の人にここまで言われないといけないんだ…。

「なんかかわいそうだから転生させてあげます!特別サービスだよ!神には内緒ね。」

なんかかわいそうだから?テンセイ_?

よくわからないまま転生させられて…。改めて思い返すと散々だったなぁ。

次回はしずくちゃん視点で話を進めていこうかな、と思います!

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