13話 ※〈双天〉ツクヨ姫さまの生ナマなまちゃんねる2〜こんなわらわにも理解ある執事がおるのじゃ。
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三人称別視点。
では、本日もよろしくお願いいたします!
「あー、ほら。ツクヨさま。ついてるよ」
「ん、ん……。おー、いつもすまんのう。執事や」
その白泡口ひげ宣言の直後。見ため10歳にも満たないツクヨよりもやや背丈の高い、燕尾服を身につけた狐面で顔を隠した見ため12歳くらいの〝少年〟がリスナーたちの配信映像に現れた。
「別に。それと、はい。これ。肉料理さっき作ったから。お酒はさっき持ってきた赤ワインでいいよね? あと、テーブルの上の散らかってたお酒の空き缶とビン、片づけたから」
口もとをふき、肉料理を並べ、赤ワインをとくとくとそそぎ、給仕し、テーブルの上に置きっぱなしだったツクヨが今日一日で飲んだ、ストロングな空き缶やワンカップなビンの数々をゴミ袋に集め、とかいがいしく世話をする。
(執事くん、キター!)
(あいかわらずの献身的なスパダリっぷり……!)
(尊い……!)
(REC)
(あー、もう! 顔隠してるのに、まちがいなく美少年なのがわかるの、なんなの……!)
「おやおや、うらやましいのかのう? ま、これも常に探索者たちのために身を粉にして働いておる、わらわへの当然の報酬じゃなぁ?」
(などと、四六時中呑んでる呑助がのたまっております)
(執事くんというスパダリに依存して作ってもらうメシは美味いか? 美味いよなぁ……!)
(あー、だれか私にもごはん作ってー! 家族のぶんも作ってー!)
(執事くんの作った美味しいごはん食べたい〜! 1万まで出す〜!)
(よし、2万!) (3万!) (5万!) (10万!)
「などと、おぬしらが意味のない競売をやっておるあいだに、わらわはこうして食べ終わってしまったわけじゃが……」
汚れた口もとを狐面の〝少年〟――執事くんにふきふきしてもらいながら、ツクヨはこてりと首を傾げる。
「ふむ……? 今日は、あのまったく思わぬところからふってわいた超新星の子どもの影響で観にきたものでも多いのかのう? どうもわらわの御役目をよく理解しておらぬ新参リスナーも多いようじゃ。うむむ、あまり空気が悪くなっても困るし……うむ! よかろう!」
そこでなにかを思いついたらしきツクヨは、手にした赤ワインの残りをくいっと飲みほすと、ぶんっ! と手を振り、びょんっ! とやわらかなソファの上に跳びのった。
そして、ちょうど投げたグラスを執事くんが割れないようにダイビングキャッチすると同時、配信画面に向けて、びしっと小さな指をまっすぐにつきつけて宣言する。
「いい機会じゃ! みなのもの! いま一度教えておこうぞ! このわらわ! 探索者協会に双璧をなす最高幹部〈双天〉大黒ツクヨ姫さまの重要さと偉大さを! おぬしらにも、一目瞭然でのう! さあ! 【迷宮掌握】レベル1! 可視化せよ!」
(((!? !? !? !? !? !?)))
その瞬間、ダンジョンの中に青く光り輝く線が伸びた。ツクヨのその小さな体から、無数に――まるでダンジョンに深く深く、根を生やしたように。
ということで、〈双天〉ツクヨ姫さまを献身的にお世話する、スパダリこと狐面の執事くん登場でした。家事レベルはたぶんイチカ姉と並んでMAXです。
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では、また次回
「※〈双天〉ツクヨ姫さまの生ナマなまちゃんねる3〜EXダンジョン〈無限螺旋〉」にて!
ついに、ツクヨ姫さまがその力の片鱗を……!? そして、さらに……!?
9月13日に更新します! ちょっと長めの話です。
これからもよろしくお願いいたします!