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11話 元ダンジョン暮らしの少年と、混浴(俺、俺……断ったよなっ!?)後編。

すでに応援いただいた方、本当にありがとうございます! 特に、高評価いただいた方、本当にありがとうございました! ローファンのランキングにまだいられるのは、みなさまのおかげです!


では、本日もよろしくお願いいたします!

後編にふさわしい内容になったかと……!





 すりガラスの向こうで、ぼやけた輪郭のイチカ姉が風呂場の俺に向かって話しだす。


「フタバちゃんがごめんなさいね。ユーリくん。どうしてもいっしょに入りたいんです! 水着(これ)なら大丈夫でしょう! ってあの子ったら、わたしが止めるのも聞かずに無理やり。もう……ユーリくんがあんなに頑なに断るのですもの。そういう問題じゃないでしょうに……」


 ――正直、驚いた。てっきり、そろそろわたしも入ってもいいかしら? と、俺の理性にとどめを刺されるものかと。


 けど、さすがはイチカ姉。やっぱり暴走妹(フタバ)とはちがうな。うんうん。そもそもの混浴言いだしっぺとは思えないくらい常識がある。


 と、思っているとすりガラスの向こうでイチカ姉がその豊かな胸の前で両手をもじもじと交差しはじめた。


「それでね? ユーリくん。わたしはいっしょに入りたいとは言わないわ。だからね、かわりにわたしにユーリくんの髪を洗わせてもらえたらって……」


 ――前言撤回。この暴走妹(いもうと)にしてこの非常識(あね)ありだった。


 いやいやいや!? 風呂場に入るんなら結局いっしょじゃん!?


「わぁ……! いいですね、それ……! ユーリくん。ぜひやってもらいましょう。とっても気持ちがいいですよ。ふかふかで……! ふふ。なつかしいです……! わたしも小さいころ、よく姉さんにやってもらいましたから……!」


「ふ、フタバ……! け、けど……!」


 湯船でとなりに浸かる白い水着(ビキニ)のフタバがパシャっと手をたたいた。言いあう俺たちにまた、すりガラスの向こうから声がかかる。


「大丈夫。安心して。ユーリくんが心配するようなことはないわ。水着のフタバちゃんとはちがって、わたしはちゃんと覆ってるから……。ねぇ、だめ……?」


「あ……じゃ、じゃあ、よろし……!?」


 ガチャ。


 その、すりガラスごしでも伝わってくるイチカ姉のあまえた声音に屈し、思わずそう返事をしてしまった俺が凝視する中、ややフライング気味に扉が開かれる。


「ありがとう……! ユーリくん……! すぐ準備するわ。うふふ。今日はイチカお姉ちゃんが心をこめて洗わせてもらうわね」


 入ってきたイチカ姉の体は、言うとおりたしかに覆われていた――エプロンで。直に。()にはりついて。


 即座に俺はザブン! と湯船にもぐると、魔素を操作して特大の密閉した空気の膜をつくる。


『って……裸エプロンじゃねぇかぁぁっっっ!? いったいなに考えてんだあぁぁっっ!? この姉妹ぃぃっっ!?』


 ――俺の魂の叫びが、だれにも聞こえずにこだました。



 ……それからのことは、なんだか頭がふわふわして、あいまいで。


「さあ。ユーリくん。頭をわたしのここに寝かせて。大丈夫。安心して。イチカお姉ちゃんに身をまかせて……」


 エプロンごしに盛り上がる、とてつもなくふかふかでやわらかなものに、ぽむもにょんとうしろ頭をつつまれて。


「あ……あ……!?」


「うふふ。そんなに目を細めてくすぐったそうにしちゃって。ユーリちゃんったら、お姉ちゃんに洗われて、い〜っぱい気持ちよくなっちゃったのかなぁ〜?」


 泡だつ細くしなやかな指がいたわるように、(いつく)しむように何度も髪のすきまを通って、とても、まるで天国みたいに気持ちよかった気がするけど。


「むー! 姉さんばっかりずるいです! どいてください! 体はわたしが洗います!」


 かと思えば、今度は白ビキニのフタバに、むにゅむにゅ、ぷにぷに、もちもちとべったりと体のいろいろなところを押しつけられながら、全身くまなく泡だらけにされた気もするけど。


「あら。エプロンがべたべたになっちゃったわ。ついでだし、わたしもこのまま入っちゃおうっと」


「あ、そうですね。わたしもそうします!」


 とかなんとか二人が言った直後に、エプロンと白ビキニが宙に舞って、結局、混浴完遂された気もするけど。


 

 ――正直言って、よく覚えていないんだ。たぶん、俺の中のなけなしの理性をかき集めて、いまにもあふれだしそうな本能をおさえるのに、いっぱいいっぱいで。



「たわわ……。メロン……。スイカ……。白……。ピンク……。ぷに……。もち……。ふわふわ……」


「あらあら。ユーリちゃんったら、すっかりのぼせちゃったのね。なんだか、よくわからないうわごとまで言っちゃって。うふふ。大丈夫よ。気分が落ちつくまで、お姉ちゃんのおひざでゆっくり休みましょうね〜」


「あ! 姉さん! わたしが携帯をとりに行ってるあいだに……! むー、交代ですから……え!? た、たいへんです……!」


「ぽむも……ふあ?」


 本能との戦いに理性が辛くも勝利して熱暴走(オーバーヒート)気味の俺の頭と耳に、フタバのあせったような声が聞こえてくる。


「た、探索者協会本部から、わたしとユーリくんに召喚命令が(くだ)りました……!」


 ――それは、俺の新たな運命と戦いのときを告げるはじまりの知らせだった。




ということで、後編でした! まさかの裸エプロン……!さすがはイチカ姉……! おそろしい攻勢(無自覚)です……! もちろん布一枚ではイチカ姉のフタバをも超える超規格外のプロポーションは隠せていません。

そして、いつのまにかユーリちゃん呼びに。よっぽど風呂場であまえたんでしょうね。


余談ですが、初期プロットからは内容が3倍くらい飛躍しました。まさか混浴完遂するとは。理性を総動員して耐えた主人公のユーリ少年はすごいです。


あと、そのうち書くと思いますが、こう見えてこの姉妹の身持ちは超固いです。あくまで身内認定したユーリ限定。まあフタバはちょーっと事情がちがいますが。




さて、作者からみなさまにお願いです! 本作を面白いと思って頂けましたら、是非ブクマや☆5による評価、いいね! による応援をお願いいたします!


読者様の応援が作者の活力、燃料です!

それをモチベに作者は馬車馬のごとく書きますので!



では、また次回。名前だけ出てきたあの人の別な視点を一回挟みつつ、新展開に入ります。


なるべく早くおとどけできるようにがんばります!

これからもよろしくお願いいたします!

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