●んで下さい、手迎衛君。
初めましての方もお久しぶりの方も改めまして初めまして!
莓苺卯茶技改め、
欠伸猫と申します!
今回、久々に新作短編を書いてみました!
この作品は、前回迄の作品と書き方を変えてみました。が、どうでしょうか?
何か可笑しなトコロ等有りませんでしょうか?
ひとまず、短編で書いてみたので、続けるかどうかは作者の気分次第。というコトでお一つどうぞヨロシクお願いいたします!!
「……今。何、て……?」
日本中部東海とある市街地某工事現場の足場の最上にて、俺――手迎衛仁義は信じられない思いで、でも心の何処かで嗚呼、そうか。と
得心しながら―――――、俺を此処まで追い詰めるに至った、目の前で怪しく嗤う
ストーカー女にそう、静かに問い掛けた。
「う、ふふ。うふふ、ふふっふふふ。うふふふふ……。
そう、ですね。どうやら貴方はもう一度私の声で、言葉、で!1からお聴きしたい様なので。
もう一度――、いえ。何度、でも!お伝え致しましょう………!!」
フフフ……、と何が可笑しいのかただひたすらくすくすと笑いながら興奮した様子で、顔を俯かせたまま。僅かに覗く眼差しを半円に、唇を三日月の形に歪め語る。それは、その内容は―――、
「私、貴方のことが好きです。」
「―――、は………?」
俺の意表を突くには十分過ぎる程の前置きを置いて、
語る、
「貴方のことが好きで、大好きで――、愛しているのです。己ではどうすることも出来ないくらいに。どうしようもないくらいに。殺したい程憎む程に愛しているんです。」
「何、を……―――」
語る、
「貴方を愛しているという私の真剣な想いを貴方に何度も、何度も何度も何度、も……!手を変え、品を変え、あの手この手あらゆる手段を用いて、直接的に間接的に迂遠的に――お伝えしましたというの、に――」
「おい、待、て――……」
語る、語る、
「貴方は応えて下さらなかった………!
それどころ、か……!貴方は!やめろと!やめてくれと!周りを巻き込むな、等と!
挙げ句の果てには……!迷惑を掛けてくれるな、と―!
迷惑だ。と!貴方は私に!そう!仰った!
そう仰ったのですよ!」
「ッ………、話し、を―――っ!」
語る。語る、語る――
「っ………そう!貴方は!私を!拒絶した!愛していると!どうか貴方と共にと、そう、望んだ私を私は貴方の為にと願った私を……!貴方は………!貴方は私を、この私を私の全てを貴方は否定した!貴方は…私の全てを何もかもを、拒絶し。全否定、した――………ッ!」
「待って、くれッ………」
語る語る語る語る語る、語る―――。
「愛しているのに!貴方を愛しているのに…!私は、貴方を……!貴方を愛していますのに―――………!どうしてッ……!どうして、どうしてどうしてどうして……?
どうして、私を、貴方はこの私を私だけ、を見てくれないのですか?私の全てを見てはいただけないのですか……??何がイケナイのです……?
私の。何、が駄目ナノデス?何処がイケナイの?
ワタクシハなにガワタクシのナニが……?駄目?イケナイ?駄目、駄目。駄目ダメだめ、駄目ダメ駄目駄目ダメだめだめだめダメ駄目駄目ダメ駄目ダメだめ―――、何を誰がドウシテ貴方は私がワタクシハ貴方を貴方が貴方を貴方だけ、貴方だけの貴方だけ、を――……、
愛して、いる。ノニ………!」
「お、い……っ!!」
ゆらり、と――。不意に。徐に、身体を揺らし、冒頭から今の今まで、一度もあげることなく俯かせていた顔をゆったりとした動作で、上げる――。そして、
ニタリ。と、おぞましい程に口角をぱっくりと割けるが如く笑みのカタチに固定させて嗤う、嗤う。嗤う―――
そして、
そのまま。
ゆっくりと、
身体を傾けて。
片腕を、
殊更にゆっくりと。
上げてみせて、
掌を。
俺の目の前に、
見せ付けて。
トン。と、
軽すぎるくらいに。
俺の胸元に、
優しすぎる程に。
けれども、
体勢を。
バランスを、
崩すには。
大きすぎる程の、
衝撃を。
与えてみせて、
満足げに。
悲しげに。
愉悦に顔を歪ませて、
呟く様に、
嘯く。
「愛しています。手迎衛君。殺したいと憎む程に。」
「私から離れて私を拒絶するなら貴方が自由になるというなら、」
「私を否定して私を拒絶して私から離れて行く貴方を諦めるくらいなら。」
「有りもしない嘘を信じさせて、有りもしないマヤカシを魅させて。」
「華に吸い寄せられる蝶の様に、火の灯と温もりに導かれて惹かれる蛾の如く。」
「貴方を罠に誘って、」
「追い詰めて、
問い詰めて、
想いを告げて。」
「それでも貴方は応えて下さらなかった。」
「貴方は私を求めては下さらなかった。」
「私はもうどうでも良くて、」
「貴方が私に応えて下さらない。
その事実だけが私を打ちのめして、
粉々に打ち砕いてゆく。」
「もうどうにもならなくて、
私にはもうどうしようもなくて。」
「私はもうこうするしかなくて。」
「だから。」
「だから、どうか。」
どうか―――
「お願い、致します。」
笑い泣きの顔で。
泣き嗤いながら、
彼女は。
かつての同級生という名の、
ストーカーと化した女性は。
俺を
殺意と殺気と
抑えようの無い
憎愛を込めて
溢れ出る
愛憎を載せて
俺を―――
―――
「死んで下さい、手迎衛君。」
「は、 ッ!?―――――………っ!!」
突 き 落 と し た 。
何の躊躇いも無く、それが当然のコトで有るかの様に。何の感情も見せない瞳で見詰めながら、満面の笑みで、あふれでる涙を拭うことも気にするコトも気付く素振りも無く、
その華奢で柔な細腕で、俺を突き飛ばした。
轟ッとビル風が吹き荒ぶ。
グラリ。と、傾いた俺は。
俺の身体は、何の抵抗もなく余りにも呆気なく。旋風が吹き荒れる空中に投げ出される。
投げ出された身体は俺の意思とは関係無く、
掌の上で踊り狂うが如く自由落下する―――。
落ちて、
墜ちて、
堕ちて、
落ちてゆく―――――……………。
「「………、あ。―――」」
と、いう訳で!
こんな感じの作品となっておりますル。
どうですかね?
作者的には割とドロドロとしたストーカー劇的なモノを書いてみた感じナノデスけども。
なんてコト言ってみましたが、コレ一応恋愛モノのつもりです。………
分かりづらいかもですが……。
まあ、ソレはさておき!
前書きでもお伝えしましたが、とりあえずこの作品は短編として書きましたが、作者の気分次第では、連載モノとして続きを書こうカナ。書くかも知れない。という状態で御座います。
最後あんな終わり方していますしコチラは悲恋モノのキーワードをのせてはいますが、一応、救われる前段階の話のつもりです。
でも悲恋というのも間違ってはいないのデス。
なら何で?と思う方もいるかもですが、その悲恋というのは【誰】にとってなのか。というトコロデス。
長くなりましたがそんな感じなのでまた出会える時に出逢えれば~♪
有り難う御座いました!
莓苺卯茶技改め欠伸猫でした!!
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