表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/7

0.プロローグ



(ん…。ここは…)

目が覚めると見慣れない天蓋。視界の端にカーテンのようなフリルがチラついてそちらに目をやる。

まるで御伽噺のお姫様が眠るような豪華なベッドであることが分かり、すぐに飛び起きた。


(!?)


起き上がった拍子に目に入った綺麗な薄紫の色素の美しい髪が手の甲を掠める。

自分の頬に触れるとスッピンなのにすべすべのふわふわ…これは私じゃない…


「嘘でしょ、夢よね……」


鏡を見ると、そこに映っていたのは自分ではない、異世界風の少女だった。先ほど触れた絹のような美しい髪、透き通った青い瞳。どこかで見覚えがあるような気がして、ふと思い出す。


「え、カナリア・クローチェ……?って、まさか!」


そう、私は乙女ゲーム『絶対運命⭐︎ラビリンス』の中に転生してしまったらしい。そして、転生したのはサブキャラの「カナリア・クローチェ」ヒロインの親友であり、攻略対象の一人であるエルリックの幼馴染。転生前の私はエルリックを熱愛していた。


__そうガチ恋だ。特にゲーム内で彼に近い立場でいるカナリアを密かに嫉妬していたほどだ。

ゲーム特典は全店舗分ゲットは当たり前、缶バッジは無限回収…アクリルスタンドだって雛壇が組めるほど集めていて…休日はエルリックぬいぐるみをお手製のお洋服を着せて友達とアフタヌーンティーなどに行く…【強火】のガチ恋オタクだったのだ。


それなのに


「嘘、こんなのありえない……」


エルリックのことは大好き。好き、死ぬほど好き。でも、同担拒否だった私が、こんな近い位置で彼を見ることになるなんて耐えられるの? だって、エルリックの恋の相手は、ヒロインのミリアなのだから。


こんな失恋確定の状況に胸がキュッとなる……。いや、いやいやいや!!!逆に考えろ、私。推しが…推し声優の声がこんなに間近で聞けるチャンスなんだ!失恋したっていい!いや良くないけど!!

強く生きよう!カナリア・クローチェとして!


私は朝日が差す窓に向かい拳を突き上げた。


(やるぞ!オタ活!!!)



ずいぶん昔に放置していた小説を書き直しました。よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ