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ただただただ。の裏側で  作者: けー


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10/27

妹の変化 恵子視点

弱く脆くの章終わり後です、主人公帰宅後のお話。



 二週間という時間を空けて帰ってきた妹は、いつもと変わらないように見えるのに時折どこかしんどそうに見えた、それを部屋の汚さのせいにして怒っているだけではないとすぐわかる。


 みんなと接していけばどこかほっとしたような安心したような顔を覗かせ、離れていたことへの緊張かと思っていたがレベルの上がり方がどう考えてもおかしい。


 間引きだからと魔物が多かったというがそれでもたった二週間だ、もっと詳しく聞きたいのに絵里子は話を変えるように素材を持ち出して目先を変える。お兄がそれにすぐ興味を持つのは話しを聞いてるからなのか、ただの生産オタクのせいかまだ判断がつかない。


 ただ気になるのはどこか空元気な妹の姿、この二週間に何があった?



 「恵子、荒れすぎ。素材取れんでお義兄さんに怒られんで」

 「お兄がなんか内緒にしてるから悪い」


 のりへの言葉もどこか冷たくなる。


 「のりだっておかしいと思わへんの?二週間であんな上がるとか、加護があるからって20超えたら上がりにくいのに」

 「気持ちはわかるけど、間引きで魔物の多いとこ行ってたし、強かったんやろ?」


 そうなんだけどさ、そうなんだけど、あたしは腑に落ちない。のりは困った笑みを浮かべてあたしを見てくる。


 「絵里ちゃん守りたいんはわかるけど、みんなで守るもんやろ?」


 その言葉に肩の力が抜けた、わかっていた、秀嗣を信じてないわけでもない、それでもあたしは怖いんだ、あの子がこの手からすり抜けることが。


 「俺もおるしお義兄さんもおる、胡堂くんも秀嗣も智も大事に守ろうとしてるんはわかってるんやろ?」

 「それはわかってる」

 「なら、もうちょっと信じてあげな」


 のりがあたしの肩を抱いて抱きしめる、あたしの恐怖をわかっているからこそ諭してくれるのりの存在に救われる。


 「恵子が怖いのもわかってる、けど絵里ちゃんはただ守られるだけで納得する子じゃないやろ?」


 のりの腕の中で小さく嫌々ながら頷けは小さな苦笑が聞こえてくる、わかってる、あの子を閉じ込め守っても、あの子の笑顔は曇りその心を痛めることなんて。だから。


 「だからこそあたしはあの子より強くならな、あの子が気にせんでいいように」


 のりの腕の中から抜け出して、さっさとレベル上げや。と言えばいつものように困ったように笑うのり。それを見てあたしは安心して先に進める。




何だかんだでいい夫婦ってお話中。

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