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たんぽぽの君に幸せを伝えたくて。  作者: まーるの住人
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第2話

翌日、家族に別れを告げたわたしは村長の館に連れられた。

奥様はたくさんのきれいな衣装からわたしにもっとも似合う衣装を探して着せると、念入りにお化粧をさせた。

「どうしてあなたがメラニス様のお気に召したのかよくわからないのです」

奥様は髪を結うわたしを見つめながら言った。

「……あたしだってわかりません」

「あの夜、本当に何もなかったのですか」

「何もありません。メラニス様はあたしに帰るように言いました。酔っ払った様子もなかったです」

「酔っ払った様子もなかった?」奥様は考え込む。「それはどういうことかしら……」

わたしにとってはこの期に及んでそんなことはどうでもよかった。レウタに会えず、このままこの故郷の村を去らねばならないことをわたしは寂しく思っていた。

女中が小走りでやってきて、奥様に耳打ちした。奥様はうなづく。

「迎えの使者が来たそうです。わたしはそのご接待をします。マナさん、後ほど」


故郷の村からメラニスの住む町へは1時間ほどの道のりだ。豪華な日傘付きの馬車に載せられたわたしは街道をのろのろと進む。もしこの街道にレウタがいたら……そう思って街道に立つ人たちを見るが、目に入るのは美しい花嫁を好奇の眼差しで見る人ばかりで、わたしはやがて目を伏せた。

やがて馬車は町の城門を抜け、神殿の丘のふもとにあるメラニスの館についた。館といっても、わたしの村の村長の館なんて比べるべくもない。広大な敷地と洗練されたレリーフで飾られた白亜の住居がわたしを出迎えた。

邸宅の玄関前で馬車が止まる。そこには10人ほどの女中がわたしを待ち構えていた。その中の一人──この人は他の女性とちがって、身なりのいい若い女性だった──が前に進み出る。

「マナさま、ですね?」女性がわたしに問いかけた。「わたしはティタ。この家の女中を取り仕切っています。今後、あなたのお世話をするようにとメラニス様から仰せつかっております」

二人の女中に手を取られて、わたしは馬車から下りた。ティタが目の前で会釈する。よく見るととても若い。わたしと同じぐらいの年のようだ。

「本当にきれいな方」ティタはわたしを見て微笑む。「メラニス様が見初めるのも無理ありませんね」

わたしがなんて答えようか迷っていると、ティタは女中たちに命じてわたしを館に連れて入る。庭に面した回廊を歩いて、その奥の広い部屋に通された。女中たちがわたしのわずかな荷物を運び入れる。それが終わると、ティタは女中たちに席を外すように命じる。やがて部屋はわたしとティタだけになった。

部屋はそれだけでわたしの暮らしていた村の家の倍はある広さだった。入口の反対側には天蓋がついた大きな寝台が置かれている。窓からは陽の光が差し込み、春のやわらかな風が吹き抜ける。

「マナさま、おかけになって」ティタは部屋の中央にある籐で編まれた椅子をわたしにすすめた。「村では椅子なんて、なかったかしら?」

ティタはそう言うと、長い大理石の机の反対側にある椅子に座った。

村にももちろん椅子はあったけど、男性しか座れなかった。女性は床に膝をつくのが村のしきたりだった。ティタの気持ちがよくわからないわたしは、どきどきしながら椅子に腰掛ける。ティタがわたしに語りかけた。

「ふふ、心配しないで。わたしはあなたの味方だよ」

「え……」

途端にくだけた口調──というより、村で話す言葉に近い──になったティタにわたしは驚いた。

「この館にはね、あなたとメラニス兄の結婚を喜ばない人ばっかりだよ」

「……!」わたしは唇をかむ。

「理由は……わかるよね? メラニス兄は町の最有力者のご子息。父君は元老院の長老だし、メラニス兄ももうすぐ元老院にはいる。その結婚相手がさ、田舎の村娘だなんてね?」

味方だと言うティタに少し期待したわたしは彼女の侮辱丸出しの言い草にがっかりした。

「でも、わたしはメラニス兄の味方。だから、あなたの味方」

ティタはわたしを勇気づけるために言ったんだろう。でも、わたしの気持ちはそうじゃない。

「田舎娘にはよくわかりません……!」

「ああ……そうだよね? わたしの母がメラニス兄の乳母なんだ。兄さんが乳母兄弟っていうのかな。だから、メラニス兄のことはとっても大事なんだ。わたしは母の跡をついでこの館で女中頭をやってるってわけ」

わたしの言葉の意味を取りちがえたのか、ティタは自分とメラニスの関係をわたしに説明する。そして、ティタはにやりと笑った。

「あなたもメラニス兄の奥さんになるんだから、あの女中どもを使わないといけない。その意味でも味方。わたしもこの年で女中どもを使ってるけど、疲れるんだ。奴隷って言っても人間だからね。機嫌損ねると怖いんだよ。向こうのほうが年も圧倒的に上だしね」

ティタの口は疲れを知らず、立て板に水のようにするすると言葉が出てくる。口下手なわたしは言い返す糸口さえ見つけることができなかった。

わたしが屈辱に震えながらうつむいていることに気づいたティタは眉をひそめた。

「なに……?」ティタはつぶやいた。「もしかして、あなた、この結婚がうれしくないの?」

「田舎娘でも恋ぐらいはします……」わたしはかろうじてティタに言った。

「ほー?」ティタはうなづいた。「なるほどなるほど?」

しばらく沈黙が二人の間に流れる。ティタが低い声で話し始めた。

「……もーちょっと賢い女かと思ったんだけどなぁ。あなたの気持ちは女として理解したげるよ。でもね、次にそんなくそみたいなことを言ったら、そのかわいい口にちょうどいい石を食わせてこれ以上くそを吐かないようにしたげる。特にメラニス兄に言ってみろ、言い尽くせないくらい悲惨な目にあわせてやる……覚悟することだね」

わたしを恐ろしい表情でにらみつけてティタはそう言うと、椅子から立ち上がる。そうして、口調を整えて言った。

「……では、マナさま。これからあなたの教育はわたしティタが受け持つことになります。あなたはメラニス様のご夫人としてふさわしい礼儀と作法を身につけることになります。ご一緒にがんばりましょうね?」


メラニスがわたしの元にやってきたのはそれから5日後だった。

わたしとティタが部屋で作法の練習をしているときだった。ティタはわたしの気持ちを知っていたものの、陰険なことはしてくることはなかった。彼女にとってわたしは大切なメラニスの妻だから、尊重してくれているみたいだ。

「マナさん、このたびは急なことで誠に申し訳ありませんでした」

メラニスはわたしに近づくと、まず謝罪の言葉を述べた。わたしは首を振る。

「いえ……。町と村のことを思えば、あなたとこのようになるのは幸いでした」

「そう言っていただけるとありがたいです」メラニスはほっとした表情をする。「父もね、急なことに驚いていましたが、なんとか理解してもらいましたよ」

あとでティタから聞いたところでは、メラニスの父は同じ邸宅に住んでいるが、家のことは一切をメラニスに任せているらしい。

「ところで、ティタはあなたにやさしくしていますか?」

「え……。ええ、それは……もう」

わたしは一瞬どきっとして答える。

「メラニス兄の奥さんなんだから、大事に扱うよ。ねえ、マナさん?」

ティタが笑って、くだけた口調でそう答えた。メラニスが苦笑する。

「ほらね、こいつはこんな感じなんですよ。すぐ地が出ます。わたしはこいつがあなたに乱暴な口をきかないか、それが心配でしてね」

「いえ……それは村のときの話し言葉に似ているので、むしろ親しみがあるというか……」

わたしは必死に答えた。メラニスが意外そうな顔をして、ティタに言う。

「なるほど。これはよき配材というわけですね?」

「あったりまえでしょ」ティタがうなづいた。「わたしがついてる。心配しすぎだぞ?」

ふいにメラニスがわたしの耳のそばに顔を寄せる。わたしは緊張した。

「あれは少し乱暴なところがありますが……」メラニスはわたしに耳打ちする。「けして悪い子ではありません。わたしがいつもそばにいてあげればよいのですが、そういうわけにもいかない事情もあります。あれとあなたが親しい友人になってくれればよいのですが」

「は、はい」わたしはそう答えるので精いっぱいだった。「がんばります……」

メラニスはわたしの答えを笑顔で聞くと、部屋を出ようとした。そのとき、何かを思い出したのか振り返って、わたしたちに言った。

「ああ。そうだ。先日、わたしの使者が結納の品をマナさんのお父様にお持ちしたのです。順序が逆で申し訳ありません。お父様はたいそうお喜びだったと聞いていますよ」

そうだ……。婚礼の日が近づいているんだった。わたしはメラニスに尋ねた。

「婚礼の日取りはもう決まっているのですか?」

「そうですね……」メラニスはうなづく。「あなたの衣装の仕立てもありますから……次の次の月の満月の日ぐらいがよいでしょうか」

わたしはほっとした。まだ二月ほどある。もしかしたら、レウタが村に帰ってきているかもしれない。そうしたら……彼はきっとわたしを助けに来てくれる。まだ望みはあるんだ。そう思っていた。


メラニスの館に来て、ひと月がたとうとしていた。

わたしは館の奥でティタを初めとした女性たちに作法やしきたり、それに読み書きを教えられた。できないからと折檻をされることはなかったけど、拷問のようだった。これなら村でとても複雑な模様の布を織るほうがどれほどマシだろう。

だが、ティタはわたしを評価していた。文字の練習用の蝋板を見ながら言う。

「あなた、やっぱり頭いーよ。飲み込みが早い。……ま、字は下手くそだけど」

「字なんて書いたことなかったから……。ティタさんみたいにきれいに書けません」

「いーよ。字なんて書ければね。文面ごと代筆屋に頼むのが貴婦人の流儀だしさ」

「え……。じゃあ、どうして字を覚えさせるんですか?」

わたしがそう質問すると、ティタはにやりと笑う。

「村娘のマナがさ、まさか字を書けるなんて? ほう、それなりの家の娘なんだな?って思ってもらえるでしょ?」

「……メラニス様の名誉のためですよね」

「あんたのためだよ!」ティタは少しむっとした表情で言う。「ここの連中はマナを低く見てるからね。それが我慢ならないの。いずれあんたは詩ぐらいわかるようになってもらわないと……」

ティタの言い草にわたしはぐっと我慢した。

好きで来たわけじゃないのに。この世界でわたしはまったくちがう価値観を強制されている。疲れてしまう。村に帰りたいよ。誰かとお話ができればいいのに……。

「あ……!」

わたしが声を漏らす。ティタが怪訝な顔をした。

「どーかした?」

「あの……手紙、書いていいですか? 字の練習がてら、家族に手紙を書いてみたいんです」

「ふーん? 別にいいけど、あなたの家族、字が読めるの?」

ティタが不思議そうな顔をしてわたしに尋ねた。わたしは笑顔で答える。

「家の近くに住む人で、町の学校に通った方がいます。その人は読み書きできるので……。だから、返事ももらえます!」

「ほう。田舎の村にしては秀才だね?」ティタはうなづいた。「あなたもここから出かけられないしねー。勉強にもなるからいっかな」

「ありがとう!」

わたしはうれしくなって思わずティタの手を握った。ティタはわたしの突然のふるまいに驚く。

「え? あ……うん。手紙用の……木でいっか。持ってくるよ……ちょ、もう離して」

ティタが複雑な表情で手を振り払った。

「え……。ご、ごめんなさい」

わたしは手を離す。でも、うれしくて顔はにやけていた。

たくさん手紙をかこう。そうしたら、レウタもわたしの気持ちがわかるはず……。


それからまたひと月がたとうとしていた。もう婚礼の日は近い。

わたしはこれまで四回、村に手紙を出した。最初の一通を送ったとき、返事が来るのをどれほど楽しみにしただろう。だが、返事はこなかった。不安になったわたしは二通目、それに三通目、四通目も出したけど、返事はやはりなかった。わたしの気持ちは打ち沈んでいた。

おそらく婚礼前の最後の手紙になる、五通目をかいているときだった。部屋にティタがやってきた。わたしはあわてて大理石の机の上の手紙の木片をかくす。

「ねえ、マナ。ちょっと聞きたいことがあるの」

わたしの前に立って、ティタがいつもの口調でわたしに話しかける。

……でも、なにか冷たい感じがした。

「あんたの家の近くにいる、雄牛のことなんだけど」

「雄牛……?」

わたしは首をかしげた。村に牛を飼っている家はあるが、近くにはない。

その瞬間だった。

「レウタって名前の雄牛だよ!」

そう言うとティタは右手でわたしの顎をつかむと強い力で頬を握りしめる。ものすごい痛みだ。あまりの痛さに涙がこぼれる。ティタは痛がるわたしの顔を睨みつけて言った。

「……女中どもは字を読めないとでも思ったのか? 家中で噂になってるぞ!」

ティタは乱暴にわたしを投げつけるように手を離した。

わたしは椅子から転げ落ちる。荒い息をしながら口を手でおさえた。ティタはわたしを見下して言った。

「とんだメスだよ……。そうか、女は知恵を持つと人を騙すようになるんだね? くそ、ふざけるなよ!」

そうか、手紙を出すとき、わたしは女中たちに村に届けるようにお願いしていた。そのときにその中身を見られたんだ。手紙もきっと村に届けられていないのだろう。人をむやみに信用したことを後悔した。

「……だから、手紙の返事が来なかったんですね」

「はぁ? 最初に言うのがそれか!?」ティタがまた声を荒げた。「自分勝手な女。メラニス兄がかわいそうだ……!」

ティタの荒い呼吸が聞こえる。彼女の怒りがこちらまで伝わってくるようだ。

でも、そうだ。考えてみれば逆によかったのでは? こうなればわたしはこの家を追い出されるはず。村に戻ることになるだろう。そうしたら、レウタの元に帰れる。

「もう……メラニス様もご存知なのでしょう? わたしはここを追い出されるのでしょうね」

「そのほうがいいってか! ああ、そうだね。わたしもそう思うよ!」

そう言って、ティタはそばにあった椅子に座る。しばらく沈黙が流れる。わたしはティタが何も言わないのを不思議に思った。

ティタは自分の呼吸と心を落ち着けるように、静かにしゃべりだした。

「……メラニス兄は女中から報告を聞いて、最初から全部知ってたよ。わたしにそのことを教えてくれなかった。知っていれば、あんたを止められたのに……」

「え……?」

「メラニス兄は内容を知っていてあんたの手紙をすべて村に届けさせた。でも、村からは返事が一通も来なかった。理由は知らない。……ただ、返事をすれば村がこの婚姻を破談にしようとしていることになるからね」

ティタはそう説明すると、大きなため息をついた。

「メラニス兄はあんたの何がいいんだか? 教養もない田舎娘のくせに。どうせその雄牛とヤッて生娘でもないんだろ?」

ティタはわたしをことさら侮辱するように言った。わたしはティタを睨む。

「そうであればどんなに幸せだったか……。わからないでしょう、あなたにはわたしの気持ちなんて!」

「はん……。わかりたくもないね?」

ティタは吐き捨てるように言った。そして、今度は懇願するような口調で言った。

「メラニス兄はあんたをとても大事に思っているみたいなんだ。だから、メラニス兄を裏切るようなことはやめて」

わたしは顔をそらして返事をしなかった。ティタはまたため息をついた。

「あんたの周りは敵だらけなんだ。わかってよ……」

「わたしにはあなたも敵に思えます」

「あんたに手をあげたから? 汚い言葉を吐くから?」

ティタはつぶやくように言う。

「あんた、世間知らずだね……。女中どもはなんでわたしに手紙のこと、報告しなかったと思う?」

「あなたが女中から嫌われているからでしょう?」

「言うじゃない。そうだね、嫌われている。小娘だからね。でも、それだけじゃない。わたしに言っても、あんたを止めて、メラニス兄には内緒にする。それだとあんたを追い出すことができないって思われたんだよ。だから、いきなりメラニス兄にタレこんだんだ」

「守ってやってる、とでも言いたいんですか。守られたいなんて思ってない! 追い出したいなら追い出してよ!」

わたしは高ぶった気分を抑えられなかった。

ティタは無言で立ち上がるとわたしのところに歩いてきた。そして、しゃがむと、乱暴にわたしの顎をつかんで顔を上げさせた。そして、静かに諭すように言った。

「ねえ……あなた、ここを追い出されたらどうなるか考えたことある? 村に帰れるなんて思っているの? 町の名士の家の跡取りの婚礼を台無しにした女なんだよ? 村は、あなたどころか家族もろとも追い出すかもしれない。そうなったらどうなるの?」

「……今度は脅し?」

「田舎娘はやっぱりバカなの? 愛しい雄牛があなたを助けに来ないのもそれが理由じゃない。いつまでおとぎ話の世界にいる気?」

わたしはティタの容赦ない指摘に何も返せなかった。唇をぐっと噛む。涙がこぼれてきた。

そのときだった。

「ティタ、何をしている」

部屋の入口から静かな声が響く。ティタがはっとした表情で振り返る。メラニスがかたい表情で部屋の入口に立っていた。つかつかとわたしたちのほうに歩いてくる。

「どういうことだ?」

「……手紙のこと、しかっていた」

ティタは立ち上がると、メラニスに釈明した。

メラニスはティタをぎろりと睨んだ。そして、わたしのそばまで来ると、肩に手を添えた。わたしはびくっと震えた。わたしの反応にメラニスが驚く。

「大丈夫ですか。女中を呼んで寝台に連れて行かせます。今日はゆっくりとお休みください」

そう言うと、メラニスはティタに向かって命令した。

「ティタ、さっさと女中を呼べ!」

「……わかりました」

ティタは小走りで部屋から出て、大声で女中を呼ぶ。メラニスはわたしの肩をなでていた。きっとやさしくなでてくれていたのだろうけど、わたしには嫌悪感しかなかった。

「申し訳ありません。あれは少し気性が荒く……あなたを傷つけてしまいました」

やがてティタが戻ってきた。メラニスは立ち上がると、ティタに言った。

「手紙のことはわたしが了承したはずだぞ」

「家中で噂になってるの、知ってるでしょ、メラニス兄も。やめさせないと」

「その判断は尊重する。だが、口で言えばいいだけだろう。なぜ手を出した!」

「それはっ……」ティタは言葉につまる。「マナ……さんがメラニス兄を裏切ってると思ったから……」

そのとき、数人の女中が部屋にぱたぱたとはいってきた。ティタがすぐに彼女たちにわたしを寝台に運ぶように指示する。

わたしは長い緊張のせいで息が早くなっていた。ぼうっとした意識の中で、わたしは女中たちに脇を抱えられて寝台に連れて行かれながら、レウタのことを思い出していた。

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