表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

第1話 プロローグ


――また今日もいつもと変わらない平凡な日になるのだろうか。




 辛く長い高校生活を終え、晴れて大学生になった俺であるが、そこに待っていたのは、ただ朝起きて大学に行き、特に何事も無く帰宅してまた寝床につくという無限ループであった。




 俺には、色恋沙汰が起こるどころか、同性の友達ですら一人もいない。こんな生活、俺が考えていた華の大学生活とはまったく異なっている。




 こんな腐敗した大学生活はあってはならないと思い、まずは友人作りからだ、と意気込んだこともあったが、状況が好転することはなかった。それどころかむしろ危険な奴扱いをされる始末である。




 そんなこともあり、大学3年生になった現在ではもう既に、華の大学生活などとうに諦めがついている。入学当時などは流石に、一人で寂しい、ブスでも良いから彼女が欲しい、ただワイワイガヤガヤできる友人が欲しいなどと思っていたのだが、現在ではそんな感情すらも湧かなくなってしまった。




 そんな変化の無い日常を送っていたせいで、俺はほとんど感情を表に出すということがなくなった(出来なくなったというほうが適当かもしれない)し、毎日同じ、代り映えしないサイクルの日々は、俺の感じる一日の長さをとても短いものにさせた。




 一日の終わり、ベッドに横たわり目を閉じ、心を落ち着かせ、寝ようとする。俺はこの時間が一日の中で一番嫌いだ。別に寝るという行動自体が嫌いなのではない。目を瞑り、自分の意識が完全に無くなり、眠りに落ちるまでの時間が嫌いなのだ。




 俺はいつもその時間に、マイナスなことばかり考えてしまう。自分の将来は一体どうなってしまうのだろうとか、いつまでこの変化の無い生活が続くのかとか、日によって様々ではあるが、大体このようなことが頭に浮かんできては、見て見ぬふりをして気づかないようにしている。もしかしたら、軽度の恐眠症になっているのかもしれない。




 









 あぁ……今日も、もうこんな時間になってしまった。寝るとしようか……







 明日への恐怖、不安を感じつつも、ゆっくりと目を閉じ、スイッチを切るように頭の中の全ての灯りを消した。








……段々と意識が薄れていく。










―――――――――――――っ









―――――――――――――っと










誰かの呼ぶ声がする……?









 





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ