ギルドにて
テンプレです。時間があれば随時更新していきますので
噴水の周りには俺と同じであろうプレイヤーが辺りを見渡し、その姿をNpc、住民が足を止め見ていた。
異邦人とはこの世界では、この世界の住民だが、死なないために違う存在、異邦人と呼ばれている。これは、公式サイトの情報だ。
死んだ時のリスタート地点はここか最後に泊まっている宿のどちらかだ。(まだ金を払っている場合)
異邦人は当人の種族に関する国に飛ばされるというのが一般常識のようだ。
だって周りのプレイヤー、住民含め全員が獣人族特有の姿なのだ。当然注目を浴びるわけだ…
視線が多すぎる、ただでさえ王都で人が多いのに。しかも憎しみの篭ったものもある。
俺の正体がばれていないということだが、人族と獣人族は仲がそこまで良くないようだ。
しかし、そんな視線も一部の者だけで、他は不思議がっている。
誤解は解いたほうがいいのだろうか……
俺の種族が公になって大丈夫なのだろうか。
察しのいいプレイヤーは俺がレア種族だと分かっているだろう。
とりあえず、ギルドに行こう。
ギルドにある魔法道具がステータスをみる唯一の手段だと、サイト情報だ。
ジンは足早にこの場を去った。行動が早かったため驚きなどから戻ってきていない者が多いようだ。
★★★★★
ギルドを見つけるのはそこまで苦労しなかった。かなりの大きさだったからだ。
ギルドは生産ギルド、冒険者ギルド、商売ギルドの三つがあり互いに協力関係だ。
それぞれに不足しているものを補え合えるからだ。で、どうせなら一緒の建物だと何かと都合がいいから、一つの建物に集まっている。
どうしよう。お金はさっき見たら1000ゴールドだった。登録料は500ゴールドだから大丈夫だが…
空腹システムも有り、セーブできるのも宿屋だけでぼろ屋だとアイテムがなくなる時もある訳で足りるのだろうか…。
冒険者ギルドに登録しよう。そう決め、その列に並んだ。
人が多くなってきた。俺と同じ登録目的だろう。
10分ぐらいし自分の番になった。
受付の人は、犬耳の女性だ。
「いらっしゃいませ。登録ですか?」
登録とすぐ分かるあたり、異邦人がたくさん来ていると知っているのだろうか。どちらにしろ、早く終わるに越したことは無い
「はい、登録です。」
500ゴールド差し出した
「そうですか。登録の際は、ステータスの開示をお願いしています。種族、名前、だけで十分ですからね。」
人族に見える俺を見てしっかり応対している。
「それでは、この魔法道具に血を一滴垂らしてください。ちなみに一回するのに300ゴールドです」
そう言って、白紙の紙と針を差し出された。安いな、生産方法が確立しているのか。
俺は血を紙に垂らした。
そうすると、黒い字が浮き上がってきた。
<ステータス>
名前:ジン 種族:不死鳥
種族Lv:1 職業Lv<>:-
Hp:140
Mp:250(50)
Str:15
Vit:15
Dex:20
Agi:30
Int:30
()の値はプラスされる値
スキル
・火魔 ・火再生 ・火の根源種 ・火化 ・剣術1Lv ・魔力増加2Lv ・鍛冶1Lv
称号
・火を操るもの(火をより扱いやすくなる、精度が上がる)
・獣人の神(獣人に崇められている存在)
職業システムもあるのか、それより…
神か…また面倒な。とりあえず、神になった経緯を聞いてみるか。
「あ、そうだ、お聞きしたいことがありました。不死鳥についての逸話をご存知無いですか」
受付嬢はいきなりの内容に驚いた様子だったが、感情が高ぶっているのが分かった。
「なぜそのようなことを聞くのか分かりませんが。あと、不死鳥様です。でも、いち獣人として教えないわけにはいきません!コホン、では語らせていただきます!
昔、この国が人族の帝国グリンガルに攻められた時がありました。グリンガルはあろう事か村々に火を放ちながら攻めてきたのです。獣人の大部分は火に対しての対抗手段を持ち合わせていませんでした。どうする事も出来ませんでした。しかし、そこに不死鳥様が現れ瞬く間に火災を消していき、帝国を追い返したのです。それ以降の戦争で不死鳥様を恐れ、この国に帝国は火による攻撃をすることはなくなりました。そういったことがあり、ピンチの時に来てくれる不死鳥様は英雄として、仕舞いには神様のように崇められたのです。ただ、50年前ぐらいからか姿を現さなくなったとされています。悲しいことですが、恐らく次に引き継がれたのでしょう
以上が、獣神不死鳥様の物語です。まだ他にもあるのですが次にとっておきましょう!」
怒涛の勢いで語ってくれた。気になる事はあったが、これ以上はいいだろう。
「そのような方だったのですか。いや、ここに来る時ちょっと小耳に挟んで、何分、世間知らずなものですから。」
と丁寧に出鱈目な理由で返した。作り話だからね。
「そうだったんですが、あ、それより登録の話に戻りましょう。並んでいる方もいますので。」
そうですねといい、俺はステータスの紙の種族、名前の部分を切り離し彼女に渡した。あくまで自然に。
「驚かないでくださいね。」
念入りに注意しておいた。
「分かりました。仕事上、いろんな種族を見てきましたから、そうそう驚きませんよ。」
と言い。渡した紙を表に返した。
「……種族名に不死鳥って……。」
「事実ですよ」
笑顔で返してあげた。
「………ガタッ……少し待ってください!」
彼女は、突然立ち上がり後ろのドアの方に向かっていった。
そうだよね~、そうなると思っていたよ。まさにファンタジーだななんて思っていたら。
3分経ぐらいして筋肉質な虎の獣人と一緒に出てきた。
「……お前、どうやってステータスを偽った。冗談にしては笑えねーぞ。」
周りがざわついている。ただでさえ人多いのに…。早く魔物狩りに行かなきゃ行けないのに
こいつ、威圧してんな。不死鳥信者かな?
これが殺気って奴なのかな?興味深いな。
でも、嘘つき呼ばわりされんのは気に入らないね。仕方ないかもしれないけどさイラッと来るね。
「俺は嘘をついてないよ。だったらその姿を見せてもいい、ただし!俺が、かの種族だったからって周りにばらすなよ、絶対だ」
「……いいだろう、嘘だったら分かってんだろうな!」
かなり怒ってるな。その顔がどうなるか楽しみだ。
「くどい!」
「イリス!誰も修練所に近づけるなよ!」
さっきの受付の人に言っていた。
「は、はい。」
怖いだろうな。鬼の形相とは正にこれの事だろう。
この後、忙しいんだから、ちゃっちゃと済ますか
「早くしようぜ」
「分かってる!ついて来い!」
裏口から外に出るとかなりの広さのさら地だった。
「早速やるぞ」
と返事を聞かず勝手に火化を開始した。
虎の獣人は驚いていた。まさか、本当だったなんて!っていう感じの間抜けな顔で。
「これで満足か?」
彼に目を向けると土下座していた。
すみませんでしたと何度も言っていたため、急いでる。許すから早く登録頼むと言って顔を上げさせた。
虎の獣人は、ギルドマスターのようで、名をレオと言うらしい。ずっと、俯いていたが気にせず、ちゃっちゃと登録を済ました。ギルマスの様子を不思議に思っているのか、さっきより多い視線を感じる。
呼び止められ前にクエスト受けて去ろう。
あと冒険者には階級があり、S,A,B,C,D,E,Fの順でSが一番上位だ。成績によって階級は上昇する。他のギルドも同じようなシステムがあるらしい。推薦依頼もあるらしいがまだその階級じゃないからな。
何事もなく討伐系のクエストを受け、ギルドを後にした。