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炎者の旅人  作者: 鬼灯
5/22

初戦闘

チュートリアルです。長いです

 

 設定してから2日過ぎ配信日になった。

 

 配信は土曜10時からだと分かった瞬間、高校の宿題はすぐに終わらせた。

 水分も取った。飯も食べた。トイレも済ました。

 準備はできた。


 現在、9時55分。俺はVRの装置を身につけ横になっていた。





 10時になり電源をつけた……




 「ようこそunlimited potential onlineへ!」


 設定の時とは違い抑揚のついた女性の声だった。


 「では、早速チュートリアルに移っていきます」


 


 

 気づくとどこまでも続くような平原にいた。


 「魔物とスキルを使っても戦ってもらいます。、最初の武器を選択してもらい、この世界の説明をいたします。そして、戦闘を経験していただきます。」

 

 剣、槍、短剣、斧、弓とかのマイナーなものだった。

 当然、剣を選択した。


 「ではこの世界について説明します。この世界は、人の醜い部分や人種差別があります。人族の国、獣人の国、など種族ごとの国もあれば複数の種族が仲良く暮らす国などがあり、あなた方にはそこにランダムに行ってスタートしてもらいます。もちろん、当人の種族で侮蔑がない国の中で、です。もし誰かと一緒に始めようと思ってた方は言っていただければ考慮(・・)させてもらいます。Npcは生き返ることはなく住民と呼ばれ、プレイヤーは異邦人と呼ばれています。質問はございますか?」


 ないです。まさにファンタジーだね。

 あくまで考慮なんだね。まあ差別の事でかなり難しいとこから始まる場合もあるからね。


 「戦闘訓練に移らせてもらいます。まず、先ほど選択した武器をメニューから装備してください。ああ、言い忘れましたが、アイテムの所持数には限度がありますので、ご自分でかって行ってください。」


 さらっと重要なこと言ったな……まずは目先の事だ。

 俺はメニューから『初心者の剣』とそのまんまな剣を装備した。

                         

 「スキルの鑑定を持っていない方は物の価値、能力を知ることができない(・・・・・・・・・)ときがございますので注意を。

では戦闘を開始してみてください。」


 ……目先の問題からだ。そう思っていると、目の前に大きい角の生えた黒いウサギが現れた。


 「痛覚はメニューから設定できます。受けるダメージは0になっていますので、この魔物を倒したらチュートリアル終了です」


 ……はい?。戦闘訓練の説明、雑すぎない?


 そんなこと言ってても戦闘は始まってるわけでウサギが突進してきた。真っ直ぐに。


 ギリギリまで引きつけてサイドステップで回避し、剣で切りかかった。なんとなく。武道を嗜んでいた訳じゃないから適当に直感で。

 ウサギは突進している中、回避できず、肉を切る感触が伝わった。しかし初めて生き物を切るという事をしたせいか浅かった。

 ジンは笑みを浮かべ自分の近くにスイカぐらいの火の玉を発生させた。

 何かが体から抜けていったがこれが魔力だろう


 「うまくいったが、詠唱やらは必要ないのか。いやこれは、厳密に言えば、魔法と違うものか。」


自問自答しながら火の玉をウサギに飛ばした。さすがに、これを体勢を整えていたウサギは回避した。

 

 「じゃ、次のスキル試してみよう!」

背に剣を差し、火化を開始した。

   

 体のが変わっていく。魔力を消費し火が舞いながら。時間にすれば10秒も掛からなかったが、それは鮮やかだった。血のように。自分の身に着けた物はそこらへんに投げ捨てていた。


「魔力は感覚的に3割くらい使ったか。火化は変身にしか魔力消費はしなくて、継続的に消費しないんだな。じゃ、いっちょやってみますか。」


不死鳥の名にふさわしい姿になったジンは、翼をはためかせ火の小さな竜巻を複数発生させた。

ウサギは恐怖した。圧倒的力に。しかし、ただでは死ねないと思ったのだろう。ダメージが少なそうな攻撃の隙間を進んでいった。


 「一つ面白いことしてみるか!」


ジンは高揚していた。未知の戦闘というものに、ジンはリアルでは運動神経が良かったが運動に興味を持てず、インドアな他のこともしてみたが、ここまで高揚することは無かった。


 辺り一面焼け野原。 

 ジンは火魔で周りから火を吸収し尽くした。まさにあっという間だった。焼け野原はずいぶん前に火災が在ったかのように熱を持っていない。火魔は火というより、熱を吸収するものなのかもしれない。

                                 

 ウサギには動揺が窺えた、決死の覚悟で火の中を進んでいたら、跡形も無く消えてしまったのだから。

 しかし、ウサギは歩みを止めずジンに向かっていった。


 「じゃあな、最後は全力をもって葬ろう」

 

 蹂躙だ。

 ジンは体の魔力を急激に火に変え纏っていく。先ほどの鳥というより、竜をイメージするような大きさだった。

 

 ただ真っ直ぐウサギと正面衝突するように。最高速で。



 先ほどまでの緑の草原は本当にあったのだろうか。と疑うような、一部分の地表は完全に剥き出しとなっていた。ただそこには魔力を限界以上に吸収しそれらすべて使い尽くし、魔力0の後遺症で動けずにいた。そしてさっき投げ捨てたアイテムが転がっていた。

 

 

 「……疲れた、やり過ぎたけど楽しかったな。ダメージ0だったから良かったけどあったらどうなった事やら…反動、ヤバイだろうけど…」


 「以上でチュートリアル終了です。お疲れ様でした。今回は破壊不能でしたが実際は確実に壊れるのでご注意を」


 ……それって、アイテムポーチにも当てはまることなんじゃないか。今後、火耐性の手段が見つかるまで火化は考えて使っていこう。

 

 「全快復いたしました。転移先は、獣人の国ライオネルです。良い旅を」


 不死鳥は獣人なのか?俺は尻尾とか獣耳ないけど。

 一瞬で景色が変わり、広場の噴水の前に居た。


 どっちしろやることは変わんない。この世界を楽しむだけだ。

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