アルムの強さ2
ガランから筋力値の訓練方法を教わった龍。
闘技場ですでにアルムの試合が始まろうとしていた。
アルムとフルプレ男の試合始まり、両者の姿か霞んだ。
アルムとフルプレ男は俺の視界に見えないような速さで闘っている。
見えないといっても剣をぶつけ合うところだけはみえる、しかし、
双方の移動している姿は目に見えない...
「速すぎる...」
「そうね、龍君はこのレベルの闘いを見るのは2度目なのよね。
見えないのもしょうがないと思うよ~」
俺の率直な感想は口に出てしまったようだ。しかし自分との大きすぎる
レベルの違いに呆然と試合を見ることしかできない。
よくアルムもあんな大剣を持ってこの速度で移動できるな...
しかし、先ほどから剣を交わせているだけで、
一向に決着が付く気配がない。
「セリーヌさん、アルム師匠は苦戦しているんでしょうか?」
俺の質問にセリーヌさんは驚いたような顔をしている...
まずい事でも言ったかな...
「え!?龍君、先生の顔見えない...?」
顔?なんで試合中に顔なんか...
「アルム師匠...ワカラナイッ!?」
見える....のだろうか、異次元過ぎだろ!!
「先生、多分遊んでるね♪。新しい剣だからってはしゃぎすぎだよ~」
セリーヌさんもアルム師匠を子供のように...これが普通なんだろうか。
「せんせぇぇい!!早く終わらせちゃえ~!!!」
セリーヌさん...そんな事言って良いんだろうか...実際、さっきの
発言で周りが急に注目してくるようになった気が...
「そうだ!!早く終わらせろアルム!」
ほらみろ...怒って....ん?応援してる...?
どうやらセリーヌさんの一声で場の雰囲気は一気に変わり
アルム押せ押せムードになっている。
「うるせぇ!!お前らぁぁ!!もうちっと遊ばせやがれ!!」
アルムはまだ暴れ足りないらしく、こちらに向かってキレている、
しっかりと防御しながら...
「遅いよせんせー!あはははははっ」
更に煽るセリーヌさんは何が楽しいのだろう、爆笑している。
「しゃあねぇ、終わらすか。」
終わらすか、って...なにその余裕発言...もうやだ、この人...
でも、その言葉どおり、アルムの雰囲気が変わった。
「セアァァァァ!!!」
大きい気合いと共に放たれた斬撃はひたすら打ち込んでいた相手の
胴を捕らえ後方に大きく吹き飛ばした。その瞬間ヴァイナーは終了した。
1撃で終了させるほどの威力がでるのか...アルムはやはり桁外れ
の筋力を持つことで1撃ごとの威力を上げているんだ...
「強い...ですね...」
「当たり前だよ~、先生は防御値も速さも異常だからね~
さてと、終わった事だし先生を迎えに行こっか。」
それはもう...強さも異次元なんだろうなぁ...
「そうですね。」
◆闘技場1階
闘技場の1階は闘技場のステージに沿うように待合室が並んでていた。
「あ、いたいた、せんせ~!!こっちこっち~」
アルム師匠は不服そうな顔をしてこちらに向かって来た。
「セリーヌ、余計な事言うんじゃねぇよ。」
あ、やっぱりまだ暴れたかったのか...
「良いじゃん、せんせっ。結局勝ったんだし。龍君に
鍛え方教える~って言ってなかった?」
でも、ガランさんからもう聞いたけどな...
「おお、そうだったな。ガランの爺さんが筋力の訓練は
教えてるだろうからな。そうだな、俺からは隠し能力値
の訓練のしかたでも教えるかな。」
なんでガランさんから教わったことを知ってるんだろう...
それよりも、隠し能力値があるのか...?
「隠し...ですか?」
「ああ、隠しだ。まぁ基本的に命中率とかだな。
これらは基本的な能力値にも左右されるが、一応
能力値自体は上げる事ができる。確認する術は無いがな。」
「確認できないのに上がった事が分かるんですか?」
「ああ、例えばの1つのことを集中して行った、奴が突然
次の試合から相手に攻撃を当てまくる、なんてことがあった
からな。」
「私の事だね~、勝手に言っちゃダメだよ、せんせ♪」
セリーヌさんも当たらない時期があったのか...まぁ
命中率は上げておかなきゃまずい気がするな...
なんせ武器をカカシに当てられなかったんだから!!
動いてる相手に当てるなんて論外なんじゃないか!?
「悪いセリーヌ...ま、まぁやるこた結局筋力値と同じ
ようなもんだ、ただ武器は振らん、ひたすら短剣を的に向かって
投げまくれ。」
投げまくれ...武器振ってんじゃん...
しかし、この世界の訓練は地味な物が多いな...
でもやるしかない。俺が強くなるためには!!
最後まで読んでくださった方ありがとうございます。
久々の投稿になってしまいましたが、ついつい話を
書くのを忘れていました(笑)アルムはやっぱり強い
ですね、こんな男の人に憧れます。(バカですけどね)
ではでは、感想・レビュー・メッセージお待ちしております。