ブラックアウト、そして
<声>が聞こえた、聞いたことの無い<声>が
世界の<真理>を君はどこまで理解したつもりなんだい?
子が産まれ、親が育て、またその子が子を産む、君たちが当然だと考えている事にも本質はまだ見えてはいないんじゃないのかい?そうだろう、今考えて見れば最初は何もなかった場所に[法]や[規律]までもができてしまっている....君はこんな世界のどこがいいんだい?
<声>はそう言った、
<真理>なんて見なくても<今>目の前にあった現実が良い、自分の慣れ親しんだ場所で同じ動作を繰り返していたとしても、目の前に広がる<無>よりも今ある現実が良い。
俺はそう問いに答えた
そうかなぁ?本当に現実が良いのかい、例えそれが現実でなかったとしても?
うん、そうだ、君にこの世界で生きてもらうよ、<真理>見て世界を判断してもらうためにね。
これはボクからの餞別だとでも思ってくれ。
そう言って<声>は少年に2つの”スキル”を与えた。
決して、見ることのできない領域に有る者のみに使える。
....キミが世界を....思い出したときに....きっと役に立つ...さぁ、行っておいで。
そうして少年は地上へと降ろされた。元の世界の記憶だけを残し<声>との会話を消して.....
さてと、少年よ、キミがここに来たのは様々な理由があろう。
どんな理由であれお主は選ばれて来た訳じゃ、しかしいささか理不尽である故に、
お主に1つだけどんなスキルでも与えよう、どんな力を望む.....?
[世界を理解できる力を]
俺は何も考えることができず世界を理解したい.....
ただそれだけの、どこから沸き上がったかも分からない義務感に従うままに言葉を口にした。
ならば、この力を、<理解者>を与えよう、唯一無二のスキルじゃ、大切にするがよい。
この言葉を最後に目の前は暗くブラックアウトした.......
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◆??????
(周りが妙にうるさい、それになんだここは、背中が痛い.....)
ゆっくりと目を開ける、そこにあったのは円形状のサッカースタジアムのような場所
まさに、教科書でしか見たことのない、<闘技場>のような
先程まで親友の翔と帰っていた道路はウソのようになくなり
ここに寝そべっていた。
「ここは...?」
見慣れない風景に思わず声が漏れる。
「お!起きたか、ぼうず」
誰だ、このおっさん、あきらかに日本人じゃない...。
けど、何でだろうか流暢に日本語を使う。
「なんだよ?珍しいモンでも見るような目で人を見やがって」
おっとこれはいけない、
「すみません、日本語、お上手だなって」
「ああ、新人かぼうず?そりゃこの世界の原理は分からんか...」
なにを言っているんだ、新人?俺がなにかに加わったのか?この世界?
この世界もなにも、世界は1つだろ...
「そうだな、なにから説明するべきか...ぼうず、取り敢えず名はなんという」
「龍、渡辺龍です」
「龍か、どっかで聞いた気もするが...」
早く説明をしてくれ...
「アルムせぇんせぇぇぇ」
突然の乱入だな、巨乳娘よ、やっぱりおっさん
改めアルムは日本人じゃなかったのか。
「あれ!?お話中だったの?」
「ああ、このぼうず...龍とな。セリーヌお前は
何度いったら先生と呼ばなくなるんだ...
まぁいい、そんなことよりも龍、ここはお前の知っている
世界ではない、そしてここにいる人々は、皆お前の
元いた世界から来た。」
自分の知っている場所ではないと言われても...
「信じられない、って顔だな、俺も最初は信じられなんだ、
しかし置かれている状況を見れば
分かるハズだ、ここの中心部分を見てみな。」
あれは、円形のステージ...?本当に何かを見せるための
もののようだ。
「なにをするんですか?」
「まぁ、見てろ」
どうやら質問には答えてくれそうにないな。
なんだ、両サイドに門がある、入場口か?
(お、開いた)
人?が1人ずつ出てくる。どちらも武装しているな、
法律とかは無いんだろうか。まるで決闘、だな。
「今から始まんのはな、ヴァイナーっつう戦いの1対1の試合だ、
あの青い奴、アイツが今一番勝ってる野郎だ。緑の奴は
その次に勝ってる奴だな。」
なるほど、やはりデュエルみたいな物か。
しかしぶっ飛んでるな、常識じゃない。
「そうなんですね、この試合に意味はあるんですか?」
「ああ、有るぜ、この世界ではな、ヴァイナーで
勝ち続けた者が恐れられる、そしてこの闘技場で
1000勝することによってどんなこと叶えられる
権限が与えられる。しかもな、勝利した
場合はその対戦者の勝利数の4分の1を奪うことができる、
負けた場合勝利数は全消する。」
「先生も、600勝していたのにアイツが来てからは...」
「セリーヌ、あんまり言うなって言ってんだろ。あと、先生もやめろ」
アルムはそんなに強かったのか。ただのおっさんじゃないのか...
「アルムさん、叶えられるものはなんでもいいんですよね。」
「ああ、そうだ」
「では、元の世界に戻ることもできますよね。」
「ふむ、いい案だ、しかしな今までで成し遂げた奴なんていないぞ?」
まぁ、だろうなだからこそ面白みが有るってものだ。
「どうやら、決着が着いたようだな。またアイツが勝ったのか、
青騎士。龍の考えを実現させるにはアイツを倒さなければな。
今アイツは650勝目だな、また跳ねあがってやがる。」
青騎士か、俺のはまりこんでいたゲームの主人公のようだな。
俺は凡人だ、何の能力もない、知識も、力も、なら学べばいい、鍛えればいい。
「アルムさん、いえ、アルム師匠。俺に戦いを教えてください!!」
「お前まで、俺を師匠呼ばわりか!?やめろぉ、かゆい...」
「先生、照れてるの~」
「ま、戦い方はこの世界にいるかぎり学ばなければ
いけない事だ。良いぜ、その頼みこのアルムが受けよう」
「ありがとうございます!!」
この異世界に龍が降り立った事で起こることなど、
この時はまだ誰も知らない物語。
この作品を最後までお読みになられた方。
本当にありがとうございます。
この作品のいたらぬ点がございましたら是非ともアドバイスをお願いします。
今後も続編を書いていこうとおもっております。
それでは、good night and have a nice dream