1
初めてなので誤字脱字や読みにくい所があるかも知れませんが暖かい目で見てくださると幸いです。
しんと静まった部屋で、アナベルは一人頭を抱えていた。
「うそでしょ...?」
私、悪役令嬢(仮)でした。
アナベル・マーティンは、ネスフィラル国の伯爵令嬢である。
伯爵令嬢と言っても、アナベルはまだ齢5歳の少女だ。
だが一人娘が故に甘やかされた彼女はプライドだけは高く、召使いには我儘を言いたい放題、気に入った男を親に頼み込んで婚約者にしてもらうなど、相手の気持ちを考えない将来心配になりそうな5歳児だったのだ。
その日、アナベルはいつもの様に召使いに我儘や暴言を言いたい放題言っていた。
いつもはそれで終わっていたのだ。そう、いつもは...。
最近入ってきた新人の召使いは、子供に、それも5歳の少女から上から目線での暴言に頭に血がのぼってしまったのだ。
周りが止めるのを聞かず、召使いはアナベルに近付く。
アナベルは初めて従順な召使いに逆らわれたと同時に、自身より何倍も大きな男性に対して恐怖が募った。
召使いが近付くと同時にアナベルはすぐに後退るが、そこにはあるはずの床がなく、空気だけが残っていた。
────場所が、悪かった。まさか階段の踊り場で詰め寄られるとは思いもしなかったアナベルは、そのまま後ろから倒れるように階段から落ちてしまった。
召使いと周りの使用人は真っ青になった。大事な主人の一人娘を怖がらせ階段から落としてしまったのだ。
使用人達は急いで意識を失っているアナベルを抱え、医者を呼び始めたのだ。
当然、その召使いは解雇になった。
アナベルは静かな夜の部屋で意識不明の中、夢を見ていた。
それは、アナベルが産まれるもっと前の記憶である。
夢の中ではアナベルとは似ても似つかない様な平凡そうな少女が機械で操作をしていた。
──うっわ、またアナベル...まじ悪役令嬢の鏡だな。どこからともなく出現するわ...
──あ゛ー!!また!!引き離された!!好感度上げんの大変なのに!!
──やっとend〜...、て、アナベル処刑かよ(笑)この前は牢屋でその次は国外追放だったのに(笑)
──うん、悪役令嬢はめんどくさいけど『ジュエあな』は最高だわ...もう一周しよーっと
「しょ、しょけい!?」
─ガバッ
アナベルは目が覚めると、すぐに身体を起こした。
心臓はバクバクと音がなりそうな程動いているし、額からは汗が滲んでいた。
────なにいまの、ただのゆめ?
────ちがう、きおくだ、わたしの、
────ここは、前世でプレイしたゲームの舞台...?
────じゃあ、わたしは、わたしは、
そして、冒頭に戻る。
連載予定ですが、不定期更新なので宜しくお願いします!!