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雑記帳  作者: 青木森羅
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地の文の練習

練習書き。

本編が気になる方は「超短編ホラー『教会』」をご覧ください。

ここにはどうでもいい事しか書いてません。

 日記的なと言いつつ、いきなり趣旨がぶれます。

 自分の弱点のひとつである「地の文」

 その練習の為にここを使います。

 例題として「教会」シリーズから『服屋』の地の文を分かりやすくしたいと思います。


※常に意識する事

 ①地の文とは感情、状況、説明のみに使う

 ②過程や結果を変えない

 ③きちんと読める物にする



 目覚めるとそこは店の中だった。

 店だと分かったのは、服が大量に掛けられた円形のハンガーラックが視界を塞ぐように並べられていたから。


 ガラガラ、ガラガラ、とラックが回る。

 向こうにチラチラと人の姿が見えるが、まるで女性を吊り下げた様な服達が邪魔で窺い知れなかった。


――ここは何処だろう?


 記憶を辿る。

 確か僕は何処かに向かってたはずだ、誰かと。


「お兄ちゃん」


 服の向こうから声がした、俺はこの声を知っている。


麻子あさこ?」


 そうだ、あの声は妹の麻子だ。

 何故そんな事すら忘れていたのだろう?


「麻子、何処だ? 麻子?」


 声はラックに掛かった服の群れの向こうからしているみたいだった。

 服が視界を塞でいる。

 赤、青、白、ピンク、それに花柄やボーダー。

 色とりどりの服は目を疲れさせ、カラカラという音が僕の神経を撫であせらせた。


「たかくん」


 この声は母さんだ。


たかし


 父さんの声もする。


「待ってて! 今、行くから」


 進もうとする僕は、服の嵐を掻き分け。

 無理矢理抜けた。


「あ、お兄ちゃん!」


 妹は何故か怒っていた。


「麻子、何処に行ってたんだよ?」


「それはお兄ちゃんでしょ?」


「えっ? だってお前……」


 しかしその後の言葉を発する事は無く、


「ちょっと、ふたりとも。また喧嘩してるの? 全く少しは仲良くしなさい」


 俺と麻子のやりとりを聞いていたらしい母がたしなめた。


「いや、喧嘩じゃないし。それに」


――何処かに行ったのは僕じゃなくて。

 そう言おうとしたのを父が遮り、


「いいから、早く車に乗りなさい」


 そう急かした。


「はーい」


 歩き出した妹の手を、無意識に握った。

 何故かそうしないといけない気持ちに突き動かされた。


「待て」


「なによ」


 目の前にある車に乗ったらいけない気がした。

 それは、本能ではない別の何かに。


「駄目だ」


「何でよ? 今日はみんなで出かける日でしょ」


 いつも忙しい父が休みの日には家族全員で出かける。

 それがウチの行事になっていた。


――そうだ、これは。


「でも、駄目なんだ」


「なによ、お兄ちゃん。私の服を買いに行くのが嫌になったの?」


――それに、ここは。


「もう知らない!」


「待て!」


 ここはまだ服屋の中だ、僕は外に一歩も出ていない。

 僕の後ろでカラカラという音が否応なく聞こえてる。


――それは僕の中の記憶を思い出を蘇らせる映写機の音なのかもしれない。


 何故か服屋の空いたスペースに停まる車の後部座席に、僕が、乗っていないはずの僕が妹の隣に座っていた。


「駄目だ!」


 そう叫んだ途端。

 低い音のクラクションが轟き、突然現れたトラックと激突し激しい衝突音が生まれ、家族を乗せた車は潰れた。

 

 そうだ。

 僕はあの日。

 事故にあった。


 いつもの父の休日、いつもの妹のわがまま、いつものように仕方なく従う僕。

 けど、結果はいつもとは違う。

 僕と家族を乗せた車は、突っ込んできたトラックに押しつぶされた。


「お、兄ちゃん」


 ズルズルと音がする。


「たす、けて」


 何かの塊が近づいてくる。


「お願い」


 赤黒く汚よごれ、潰れた塊。

 その姿は、僕の隣にいたはずの……。


「お兄ちゃん……」


 妹に足は無く、腸が飛び出し、顔の半分は抉えぐれていた。


「麻子……」


 その姿に抱き付きたかった。

 でも、


「お兄ちゃん」


 妹は、もういない。

 父と母もそう、僕以外誰も助からなかった。

 父と母は即死だったそうだが、妹はしばらく泣き叫んでいたそうだ。

 その記憶と僕の後悔が彼女を作っている。


「ごめん、麻子」


「お兄ちゃん」


「ごめん」


 そう言って僕は店の扉を開け放った。

 ずっと、ずっと見えていたのに進もうとしなかった扉の先へ。



「大丈夫ですか?」


 目を覚ました僕の目の前には、白衣の女性が居た。


「ええ」


「気をつけて下さいよ」


 彼女は手を差し出してくれた。


「すみません」


 彼女の手を借り、僕は車いすに乗せてもらる。


「なんでこんな所に居たんですか?」


 彼女は不思議そうな顔で僕の後ろを指差す、振り向いた僕の視線の先には建物があった。


「さあ、なんででしょうね? すみません、そろそろ帰ります」


「ええ、それがいいです」


 あの事故の後、僕は下半身不随になった。

 そのせいで僕は自暴自棄になっていた、そう思っていた。

 けど違ったんだ。

 家族を亡くした事、僕が僕を嫌になった理由はそれだったんだろう。

 それを、僕の罪をこの場所が思い出させてくれた。


 名も知らぬ朽ちた教会が。





 多少良くなった気はしないでもないですが微々たる差でしかなく、やっぱりまだまだですね。

 それに書き直してみると誤字の多い事。

 

 自分の書く物の地の文は、どうにも情景描写が少ないのでそこを意識したのですが全然足りませんね。

 隠す所と隠さない所のライン引きをそうですが、第一に自分の中のイメージが文として書けてないんですよね。

 トラックが現れる所に関しても、服屋だったはずの所にいきなり車が現れてそこにトラックが現れるなんて在り得ない物を書こうとしているのだから、それをどこまでイメージとして文字に出せるかって所なんだとは思うのですが、服屋の内装的なイメージが乏しく、どこからトラックが来てどこの場所にある車にどうぶつかり,どんな状態か、ってのがほとんど分からないですね。


 しかしこうやって文に起こすと問題点がよく分かって良いですね。

 そんな訳で雑記腸の中ではこんな事もするかもしれないって事で今回は締めたいと思います。


 これの直しを再度やるかも知れませんが、いつ更新するかも分からない雑記です。

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