序 800年前――『皇族御三家』最期の宴
※ここから続編『領王少女は恋を識る』が始まります。
――『今は昔、宙地原に〝太陽族〟〝月族〟〝宙地原族〟、3つの皇族家あり。
かの皇族家、星が生まれし後より今日まで、この地を支配する稀人なり。
天宙月9799の年、9月36の日。
当代の〝皇帝〟になりし御方、その支配を厭い、よろずの者に世界を還し給う。
これにより、暦を天宙月から、岩陰蝕とす。
かくて、密かにお隠れのため、皇族家、謀りごとの席を設けるなり。
よろずの者に見つからぬ地へ、皆で向かう算段をす。
ところが、独り席を離れし月族の麗人、階にてすすり泣く姿あり。
哀れに思いし者、乞われ、その手を取りて姿を消す。
この時より、太陽族と宙地原族、皇族家から月族を失うなり。
顛末を知りし共謀者――我ら水族、遂に君主を手中にす』
〈『水族珠玉記』序文一部より記述抜粋〉
◇◇◇
宙地原は、多様な種族が共存する惑星である。
現代より800年前。
種族に順位をつける階級順位制度によって世界を支配していた『皇帝』と皇族御三家が失踪し、現代では、闘技大会で領地の支配者を決める『領王』制度が世界の法となっていた。
だが、とある少女と少年の再会によって、宙地原世界の理も再び変貌をし始めていた――……




