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異世界召喚された勇者に付き添う僕  作者: 丘松並幸
第1章 グリーム王国編
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出撃

「いくぞ、お前ら! 魔女魔法『ワープ』!」


 ムトさんの掛け声と共に周りにいる魔女達も『ワープ』を使い、姿を消していく。

 僕達以外の人の作戦は大雑把にしか教えてもらっていないから詳しい場所まではわからないけど、今のワープで行ったのは城の前だ。

 ムトさんを中心とした魔女の精鋭達は城の正面から攻める。

 これは敵の主力を僕達の方に来させないための作戦だ。

 ヴェイルさんがついているって言っても、僕とアドアは弱い。

 団長や隊長と戦うことになれば負けてしまうかもしれないから、そうならないためにムトさん達が目立ってくれるのだ。

 僕達はある程度ムトさん達が暴れてから動き始めるように指示されている。

 だから僕達はもう少しの間待機だ。


「皆、大丈夫かなぁ……」

「ムト君のことだからどうせ大丈夫でしょ。私達が心配しなくてもいつもみたいに帰ってくるよ!」


 周りに人が少なくなったせいか、少し離れた場所から2人の女の人の会話が聞こえてくる。

 僕達以外でここに残っている人は合図があるまでここにいるように言われている人達だ。

 城に行った人達に何かあった時に助けに行くために待機――という名目で戦えない人や戦いに参加して欲しくない人を安全な場所にいさせている、とヴェイルさんが言っていた。

 だからここにいる人は戦う力の無い人か誰かに大切にされている人だ。


「……もう始まったみたいね」

「ここからでも戦っている音が聞こえますね」


 ヴェイルさんはいつもと変わらない様子で、アドアは少し緊張している様子でそれぞれ言う。

 いきなり魔法で攻撃されたから城の兵士は慌てて出てきたはずだ。

 そんな兵士の中に魔女魔法を耐えられる人は数少ないと思う。

 だから今の段階ではムトさん達が一方的に敵を無力化しているだろう。

 おそらく敵の主力が出てくるのはちゃんと装備を固めてからだから、もう少し時間が掛かるはず。


「僕達の出番はまだ先みたいですけどね」

「そうね。もう少しムト達に兵が集まってからの方がいいわ」


 僕達が城に行くまで、まだ時間は有りそうだし、これからのことをもう一度考えておこうかな。

 まず城に行ってからのこと。

 『ワープ』で多分周りに誰もいないであろう城の僕の部屋に行く。

 もし誰かがいる気配が有ればもう一回別の場所にワープする。

 安全な場所を確保出来たら、そこから誰にも見つからないように慎重にカエデを探す。

 魔女魔法でも特定の誰かを見つけることは出来ないらしいから、勇者がいそうな所を地道に回っていくしかない。

 そしてカエデを見つけることが出来たらここに『ワープ』。

 安全な場所で事情を説明して、終わったらムトさんに合図を出して僕達の役目は終了。

 その後のことはムトさんやヴェイルさん、他の魔女の人達がやってくれる。

 と、まあ、こんな感じになっている。

 もちろんこの通りにいくとは思っていない。

 誰かに見つかってしまうかもしれない、カエデに護衛が付いていて倒さないといけないかもしれない。

 でも僕が一番起こるかもしれないと思っているのは――


「ロアちゃんとアドアちゃん、連絡役から『メッセージ』が来たわ。そろそろ行くわよ」

「りょ、了解です!」

「わかりました」


 今から戦場に行く、そう思うと少し怖かったりもするけど、カエデに会いに行くと思えばそんな気持ちは無くなる。

 もう随分カエデに会っていない気がする。

 カエデのことを命懸けて守るって言ったのに全然守れていないね。

 カエデは怒ってたりするかな? もし怒ってたら謝ろう。

 僕はまだまだ弱いけど、前よりは確実に強くなっているから、カエデが望むならまた一緒にいたいなぁ。


「……まずはカエデに会ってからだね」

「ん? 何か言ったかしら?」

「いえ、何でもないです」

「そう、それなら行くわよ。魔女魔法『ワープ』!」


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