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非日常からはじまる日常  作者: 櫻木 あお
第1章 ぼくが女の子に!?
6/17

女の子になった理由(わけ)

………兎にも角にもCDの内容を聞いてみないことにはなんともいえないので、とりあえず聞いてみることになったのだが、CDプレイヤーなんかないのでノートPCに入れて再生してみる

いったいどんな内容なのかと、ドキドキしながら再生の三角をちょっと横にしたマークをクリックする

ザザザッというノイズの後におばあちゃんに似ている声がスピーカーから聞こえてきた


「――これを聞いているということは、私は死に、槙は女になったのでしょう

もしかしたらもう聞いたかもしれませんが、私もかつては男でした

男から女になったばかりの頃は、色々と戸惑い、よく父や母にあたり散らしたものです

さて、女になった理由ですが、単刀直入に言ってしまうと、それは高城の血にかけられた呪いです

呪いと言ってもそんな仰々しいものじゃないの。そうね、呪術の一種だと考えてくれれば分かりやすいと思うわ

この呪いは、男だった場合に、男という性別を奪う代わりに『力』を与えます

性別を奪われるとき、頭痛やめまい、寒気といった風邪のような症状に襲われて、残された可能性である女という性別に変わります

そして、『力』は『力』であり、それ以上でも以下でもありません。力を使っているときは、瞳が光ります。

『力』は便利ですが、使いすぎると動けなくなって風邪のような症状になります。まあしばらくすれば、『力』も元に戻るけど、いざというとき使えないなんてことはないように、早いうちに限界を知っておいたほうが良いわ。

あとの細かいこと『力』を使っていけば、は追々分かるでしょう

話を戻しましょう、男から女になって『力』を与えられるんだけれども、『力』を代償に男に戻る方法も、以前はあったらしいわ

でもその方法は火事になったときに一緒に焼けてしまったそうよ。それに方法を知っていた私の父も「あんなことはするもんじゃない」と言って教えてはくれなかった……

つまり、男に戻る方法はもう残されていません、女も慣れればけっこういいものよ?大変なこともあるけどね……そこは、遥花や桜に助けてもらいなさい

以上、あなたのひいおばあちゃんからでした。

がんばってね、槙」


聞き終わって部屋の中に静寂に包まれる


「……つまり、呪いでぼくは女になったと」


「そういうことらしいわねえ」


おばあちゃんは手を頬にあてながらちょっと困惑気味だ

そりゃあ、いきなり呪いですって言われても、ねえ?

まあぼくのことなんですけどねっ


「と、いうことは、これからは槙お姉ちゃんと呼ばないと」


「いやべつに呼ばなくても良いけど」


「でも、私まともなお姉ちゃんが欲しかったの!」


「グサッ!」


桜のとげのある言葉が、姉さんのガラスでできたハート(自称)に突き刺さったらしい

これで少しはまともになってくれると良いんだけど、それはないだろうな

とりあえずこれからぼくはどうなるんだろうか……

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