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非日常からはじまる日常  作者: 櫻木 あお
第1章 ぼくが女の子に!?
5/17

箱の中身はなんだろな

おばあちゃんがなぜ知っていたのか、その理由は至極単純だった


「それは、私のお母さん、つまりあなた達からしてみたらひいおばあちゃんが教えてくれたからよ。それに自分は元々男だったってお母さんにカミングアウトされたときは驚いたのを通り越して、ついにボケてしまったのかと思ったわ」


だそうだ

というかこちらとしてもさら今「ひいおばあちゃんは男だったのよー」なんていわれてもポカーンとすることしか出来ない

それは二人とも同じようで、姉さんなんてアゴが外れてるんじゃないかと思うぐらい口を開けて驚いている


「……えっと、つまりひいおばあちゃんもぼくと同じように、ある日突然男から女になったて、こと?」


「そうね、そう聞いてるわ」


うーん、現にぼく自身が男から女に変わっているわけだし、ひいおばあちゃんが元男だったというのはまあ納得出来る

今の話からすると、ひいおばあちゃんは男から女になってから性別が戻らないまま結婚して、おばあちゃんを生んでいるということは、もしかして男に戻れない?あーもー、わかんないー、ワッシャワッシャと頭をかきむしる。いや、おばあちゃんの言葉の意味は理解してるんだけどね、内容が内容だけに、脳ですんなりと受け取れない


「ふふ、混乱するのも分かるけど、あまり深く考えないほうがいいわよ?それと、残念だけど私はこれ以上知らないの」


「えー!!」


そんな!おばあちゃん以外に情報源がないのに

と思った矢先


「私は知らないけど、お母さんから槙へ預かったものがあるの」


と、おばあちゃんから渡されたのは漆塗りの箱だった

上部に『女になった槙以外開封厳禁』と達筆でかかれた紙が貼り付けてある


「なにこれ?何が入ってるの?」


「さあ?開封厳禁って書いてあったし、母さんから『絶対開けるな』って言われただけで、何が入ってるのか私も知らないの」


中に何が入ってるか分かんない箱か…


「パンドラの箱みたい」

「シュレーディンガーの猫みたい」

「浦島太郎かっ」


ぼく、桜、姉さんの三者三様の意見が出た。

姉弟(姉妹?)だからといってまったく同じ意見は出なかった。現実なんてこんなもんだ

話がそれた、閑話休題。

つまり『女になった槙以外』ってことはぼくは空けて良いってことだよね?

ええい、鬼が出るか蛇が出るか、開けてみないと分からない

なんて思いつつ、ゴクッとつばを飲み込んで恐る恐る箱を開けてみるとCDが一枚入ってるだけだった


「「「「………」」」」


蓋を持ったまま数秒固まった

みんなも箱の中を覗き込んだまま固まっている

とりあえず空気が重いので、蓋を戻す

そしてまた開けてみるが、現実は変わらなかった

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