本題に入るその前に
「と、いうわけで」
「どいうわけで?」
あれからお昼を作ることになり、桜とぼくで作ることになった
おばあちゃんは何か姉さんにやってもらいたいことがあるらしく、今は二階の部屋に行っている
とりあえず何を作ろうかと思ったところで、さっきの桜のセリフだ
思わず首をかしげて聞き返してしまった
「生存戦略、しましょうか」
「だまらっしゃい」
桜にツッコミを入れて、今ある食材を確認する
うーん、冷ごはんもあるしチャーハンかな
フライパンに油を引いて火にかけ、卵を落とし、熱で固まる前に卵を溶く
「おー、チャーハンだね!じゃあ私は付け合せにスープでも作ろうかな」
途中で桜が覗き込んで、うんうんとうなずきながらスープを作り始めた
「じゃあ、そっちはよろしくね」
「この桜ちゃんにまかせなさい」
今のぼくよりも豊満な胸を張って子供みたいに「えっへん」とか言ってる
……べ、べつに自分より胸あって悔しいとか、なんで双子なのに違うんだとか全然、これっぽちも思ってないよ!?
そうだ、ぼくは男いや今は女だけど元は男なんだ。
胸なんて…胸なんて…
「卵、焦げるよ?」
桜に言われて現実に戻される
「はっ!」
今は料理中なんだ、料理は時間が命。考えるのは後でも出来る
今はこちらに集中だ
冷ごはんを投入し、少し炒めたらパラパラ感を出すためにマヨネーズを投入す、さらに炒めていく
最後にねぎを刻んで入れて、塩コショウで味付けして完成だ
お皿を人数分出して盛り付けていく
我ながらよく出来たと思う
「よっし、できた」
ちょうど桜のほうも完成したらしい
スープも盛り付け、ダイニングテーブルの上に配膳する
配膳も終わり二人を呼びにいこうかと思っていたら、姉さんが車椅子に乗ったおばあちゃんを押して、一階に戻ってきた
「あらあらおいしそうね」
「お姉さんはおなかすいちゃったよー」
「はいはい、ちゃんと手を洗ってきてくださいね」
「槙お姉ちゃん、お母さんみたいだね?」
桜はクスッと笑いながら、指摘されてから気がついて凹んだ
凹んでいてもおなかはすくので、お昼を食べた
食べていて気がついたが、以前より一口に入りきる量が少なくなったし、半分程度食べたらもうおなかいっぱいになった
この体はかなり低燃費らしい。残ったのは姉さんにあげた
☆★☆★☆★
「さて、やっと本題だね」
昼食を食べ終わり、食器類の洗い物も片付けてリビングに戻ってきた
「単刀直入に聞くけど、どうしてぼくが急に女の子になったの?」
ぼくが質問すると、姉さんと桜も姿勢を正しておばあちゃんの言葉に耳を傾けた
「ふふふ、どこから話したらいいかしらね……そうだわ、先にどうして槙が女の子になることを知っていたか、と言う事から話しましょうか」