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非日常からはじまる日常  作者: 櫻木 あお
第2章 学校編
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女子校での初授業

槙が教室で質問攻めにあっていたその頃、響花は教室から出てきた槙と桜のクラス担任である藤郷とうごうを呼び止めた


「藤郷先生」


「おっ、誰かと思えば生徒会長様じゃねえか、俺になんか用か?」


「先生、様はやめてください。ここだけ聞いたら先生より生徒会長のほうが偉いみたいじゃないですか」


「確かにな、分かった、これからは様付けはしない、これでいいか?」


「はい、大丈夫です。それで、今日の放課後の部長会議、たまにはちゃんと来てくださいね、生徒会顧問なんですから」


「そいやあ、あれ今日だったか。まあ気が向いたら行くわ」


藤郷先生はヒラヒラと出席簿を後ろ手に振りながら歩いていく


「あ、あともうひとつ」


「ん?なんだ?」


立ち止まり顔だけ響花のほうに向ける


「妹たちの事、よろしくお願いします。では、もうすぐ一時限目が始まってしまうので私は戻ります」


響花は藤郷先生とは間逆の方へ歩いていき、階段を上るところで姿が見えなくなった


「やれやれ、あいつもなかなか可愛いとこあるじゃねえか」


そのとき一時限目の始業のチャイムが鳴った


☆★☆★☆★


廊下でそんな会話が行われていた頃、巻きはそんなことを気にする余裕もないほどの質問攻めにあっていた

質問内容は「前の学校は」「彼氏いるの?」「シャンプー何使ってる?」「桜とは双子なの?」「もしかして生徒会長の妹さん?」「趣味は料理って言ってたけどどんなの作るの?」etc.…など多岐にわたる

そんな質問にろくに答えられず一時限目の授業が始まった

女子高での初授業なのでちょっとドキドキしていたがいざはじまってみるとまあ普通だった。当たり前だけど

桜に「ここの席だよ」と案内されたのは窓際の席の一列隣の最後尾で、桜の席は隣の窓際の席だそうだ

とりあえず前のほうじゃなくてよかった、最後尾なら授業中でも後ろから視線を感じることもないし、少なくとも授業中は質問攻めと視線の嵐から開放されると思うとちょっとほっとした

しかし、授業開始から二十分ぐらい経つと、ほっとして気が抜けた事があってか、はたまた天気が良いせいか、それとも両方かちょっと眠くなってきた

ふと、桜のほうを見てみると教科書を机の上に立てて爆睡していた

そおっと担当教師に見つからないように肩をたたいて桜を起こしてあげる

ゆっくり顔上げてあたりを見回してぼくが起こしたことに気がつくと、チョロっと舌をだして「いつの間にか寝ちゃってた、あとでノート写させて。あの先生ちゃんとノートとってないと呼び出されて怒られちゃう」だそうだ

それを「今回だけだからね」といってしまうぼくは妹に甘いのかも知れないとちょっと反省した。

次からはもうノート貸さないよ、本当に

そして授業終了後、なぜかぼくのノートを貸して欲しいという人がたくさん来た。

なーぜー

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