お風呂に入る双子と絶望する姉
「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん!桜ちゃんが華麗に登場!」
「あ、うん、そうだね」
「なーに、テンション低いじゃん、槙おねーちゃんは!」
「疲れただけだよ、そういう桜はテンション高いね」
「ふっ、ふっ、ふっ、よくぞ聞いてくれました!私のテンションが高い理由!それはもちろん、槙おねーちゃんの初めてのお風呂に一緒に入って手取り足取り教えられるから!!あ、一応言っておくけど響花お姉ちゃん見たいな変態的な意味じゃあないよ?」
「そうデスカ、それはようございやんしたね」
もはや疲れてツッコミを入れる元気もない、お風呂に入って早く寝たい
「何かほんとに疲れてるみたいだね、じゃあ私が服脱がしてあげるよ」
「いいよ、そんなことしなくても。子どもじゃあるまいし」
着た順番と逆のの手順で、服を脱ぐ
まあワンピースタイプだから簡単に脱げた
「…お姉ちゃんが服脱ぐ時、もっと恥ずかしがるかと思ってたけど、やっぱり疲れてるからかな?」
「ん?何か言った?」
「なんでもなーい」
そしていつものように下着を脱ごうとするけど、なにかいつも違うような……
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さっきまで眠たかったのに、その眠気はどこへやらぼくの脳は一気に覚醒した
「ああああああああああっっっ!!!!そういえばぼく女の子になってるんじゃん!!」
「気付くの遅っ!最初から分かってるのかと思ってたよ」
眠気が吹き飛んだ頭で考えてみれば女の子になって勝手がわからないから桜と一緒に入るんじゃないか
それに自分が下着姿だということに気付くとすごい恥ずかしくなってきて、顔が熱くなるのが分かるし、脱衣所の鏡に写っている自分の顔が真っ赤かだ
「もう、槙おねーちゃんたらまだ恥ずかしがってるの?自分の下着姿なんてお店で散々見たじゃない」
「あのときは、もうはずかしいとか考える余裕なんてなかったし……だいたい女の子になってまだ一日経ってないのに、恥ずかしがるなっていうのが無理だよ」
「まあ、こういうのは慣れだよ、慣れ!なるようになれーってね」
「あ、うん」
「スルーしないでツッコミいれてよ!すべちゃったよ!」
「さて、早くお風呂入ろうかな」
「放置は勘弁してえぇー」という桜の叫びもスルーして、気にしないように下着を脱ぐ
脱ぐのは試着室で散々やったので、後は鏡をみないようにお風呂場に移動する
「あ、ちょっと待ってよー」とどたどたと桜も下着を脱ぎ、お風呂場に入ってきた
「あ、そうだ。姉さん対策しておかないと」
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一方、そのころ響花は脱衣所の扉から中をうかがい二人がお風呂場に移動したのを確認して、足音を立てないように脱衣所内に進入する。
お風呂場の中からは楽しそうな声が聞こえてきて、入って行きたい衝動を抑える。
私が今するべきこと、それは槙の下着の回収という重大なミッションを成功させければいけないのだ(ドヤア
まず洗濯カゴを確認するが、何も入っていない
洗濯機を見ると求めていたもの洗濯中だった。最近の洗濯機は音が静かで気がつかなかった……
洗濯途中でも、回収するか?と一瞬頭に浮かんだが、脱ぎたてでないといけないのに……
洗濯機の前で響花は再び沈み、絶望した




