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「秋元編集長のスクープ事件簿」  作者: 秋山 そら
12/22

ビンゴ大会

ビンゴ大会


「えぇ、お待たせしました。ビンゴ大会を開催します。本日は、会場のステージにスクリーンを設け、そこに数字がランダムに表示されるようにします。もちろん皆様にお配りしたカードにも、この装置にも不正は一切ございませんので安心してお楽しみください。なぉ、この豪華な商品の数々は帝様が誕生日を祝ってくださった皆様への感謝の品であり、パーティを盛り上げるために用意したイベントであります。では、主催者の帝様ご挨拶をお願いします」


司会者は、帝を壇上に招いた。帝は簡単に挨拶をするとすぐにその場から姿を消した。


秋元と藤堂は、壇上から少し離れた場所でビンゴが始まるのを待っていた。


そこに、真昼が走ってきた。


「やぁ、怪しいところはあったかい」


 秋元はビンゴのカードを真昼に渡しながら報告を聞いた。


「怪しいというか、2階の客室フロアーが丸ごと怪しかったです。人気はないし薄暗いしまるで使われてないような感じがしたのですけど。1階にいたボーイさんに聞いたら客室は全部使われていますよって言われました。」


「で、船内に怪しい人や、シロ君を監禁出来るようなところはなかったかい」


「それも、なさそうですね。客室はこの階は全部満席、それに物置部屋は確かパーティ会場の裏側にしかなかったと思いますだそうです、だそうですよ。」


「パーティ会場の裏側か、もしくはその2階のどこかにいそうだねぇ」


秋元は、考えながらもビンゴの番号を目で一生懸命探している。一方、真昼は秋元以上にビンゴ大会に熱を燃やしていた。


「カメラ、カメラ、カメラ」


アナウンサーが次の番号を読み上げた。


「58番、58番です。次は何番でしょうか、リーチになった方はどうぞ壇上の

近くまでお越しください。えぇ、次は36番、36番です。」


ビンゴ大会は、大いに盛り上がりを見せた。客が次々に、豪華な景品を貰ってはうれしそうにしていた。あるいは、なかなかビンゴにならず必死にカードを見つめる者もいた。


「編集長、まだビンゴになる気配がないのですけど。藤堂さんはどうですか」


「私は、くじ運はあまり良くないのであたりませんねぇ」


「ふふ、僕はすでに2か所もリーチだよ」


三人は、次の番号を待った。


「次は、55番です。ええっ、そろそろ景品が残り2品となりました。残りは超高級カメラとハワイ旅行です。では、リーチの方々は前にお越しください。」


「あっ、ちょうどリーチになりました。」


藤堂と秋元が前の方に行ったため、真昼は着いて行った。真昼のカードにはリーチもなければ、穴が二つ開いているカードだけだった。


「えぇ、では最後に番号を言わせていただきます。次は12番と5番の方、ビンゴの方はどうぞステージまでお越しください」


三人は、自分のカードに目をやった。


「駄目だったか、惜しかったなぁ。真昼君や藤堂君はどうだった」


秋元は、カードの残りの番号の所すべてに指で穴をあけ始めた。


「僕も、ダメでした。カメラさえ当たれば、藤堂さんはどうでしたか」


藤堂の姿がない。真昼と秋元はステージを見た。


ステージには、藤堂が嬉しそうにハワイ旅行のチケットを受け取っていた。


「いやー、まさか当たるなんてこれは妻も喜びます。」


藤堂は、満足げな顔をしていた。結局、高級カメラは、先ほど見かけた亀の夫婦の老人が貰っていた。


「ほほっ、これはうれしいですなぁ。趣味で写真でも始めようかのう。ほほ」


「おじいさん、よかったですね」


真昼は、カメラを食い入るような顔で見ていた。


「真昼さん、顔が怖いですよ。顔。」


藤堂は、真昼に声を掛けたが真昼は聞いていない。


「残念だったねぇ。やっぱりしっかり働いて貰うからねぇ」


秋元は、さっさと切り替えてパーティ会場の料理を手に食べ始めていた。


「うん、ここの料理は、うまいねぇ」


真昼は、一回ため息を吐くと拳を握った。


「編集長、早く事件を解決しましょう。スクープですよ」


真昼の気合いが怖くなった、藤堂であった。


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