Eerste slag〜初陣〜
「俺に戦わせてくれ」
そその一言でざわめいた城内を静寂が包む。
だがその静寂はすぐに打ち破られてしまう。
「お前、なにを言っているんだ!」
「死にたいのか!」
周りから反対の声が飛び交う。
「あなたが戦う必要はないのです!」
シルディアも反対している。
「けど、このままじゃ負けるだろ」
「確かに今は劣勢ですがあなたが死んでしまったらどうするのですか!」
シルディアは普段の姿から想像できないくらい感情的になっている。
「その時はその時だ!この国がなくなってしまったら元も子もないだろ!」
お俺はシルディアの感情的な言葉にのせられたかのように声を張り上げていた。
「俺たちはグラディアスのことは知らないがグラディアスだって俺たちのことを知らない。そこにつけ入るスキができるはずだ。」
「そうかもしれませんが、あなた一人であの軍勢を相手にするなんて不可能です!」
「悠都だけじゃない。俺も戦うぜ!」
「私もこの国を守りたいもの!」
後ろから輝幸と飛鳥の声が響く。
「これでも俺たちを止めると言うのか?」
お俺は真っ直ぐシルディアを見て言葉を放つ。
「必ず、必ず戻ってきてくれますか?」
「ああ、必ず戻ってくる」
「わかりました。ではニーフィア、3人を倉庫に案内して」
「はい、王女様」
「それとシルディア、グラディアスの軍勢についての説明は莉香に頼む」
そう言い残して俺と輝幸、飛鳥はニーフィアに案内されながら倉庫に向かう。
「それにしても悠都があそこまで感情的になるなんていつ以来だろうね」
と、飛鳥が笑いながら言う。
確かに今まで生きてきたなかであそこまで声を張り上げて感情をあらわしたのは指で数えられるくらいしか覚えていない。
倉庫に入り、俺たちは武器を決めていく。
城の倉庫なだけあって、様々な種類の武器や防具がある。
俺は一本の刀を手に取った。
倉庫を出ると一足先に決めていた輝幸と飛鳥が待っていた。
輝幸の傍らには2メートルくらいの長槍を持っている。
そして飛鳥は黄色く塗られた弓矢を携えている。
輝幸の思い立ったら行動という性格には槍はぴったりだし、飛鳥は中学の時弓道部で全国大会に行ったほどの実力の持ち主のため安心できる。
俺たちは莉香のいる王座の間に行って莉香がシルディアから聴いたグラディアスの軍勢の詳細を聴く。
この役を莉香に任せたのは莉香の控え目な性格に加えて、一年生の中でトップの成績を持っているからである。
「ほんとうに大丈夫なのですか?」
シルディアは心配そうな顔しながら問いかける。
「大丈夫だ。シルディアもエルステッドもグラディアスから守ってやる」
と、右手の親指を立ててその手を突き出す。
俺たちはシルディアに背を向けて戦場へ足を踏み入れる。




