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プロローグ

こんにちはblueoceanです。


初めてのオリジナルなので出来はどれくらいなのか分かりませんが、よろしくお願いします。

『西宮高校、甲子園優勝!!』


俺の高校生活最後の夏、弱小校ながら死ぬほどの努力をして勝ち抜いた最後の集大成。

青春の全てを犠牲にして最高の結果を掴み取った。


「そんな俺も明日から大学生か………」


甲子園優勝ピッチャーの俺は当然スカウトからも注目され、実際に声をかけられたが、まだ学生でいたいと安易な気持ちで、それを断り、推薦で大学に入った。


「今度こそ彼女が出来ますように………」


取り敢えず野球に没頭していた俺は、どうも世間からずれていたようで、同級生のノリについていけなかった事もあり、彼女が出来ずにいた。

だからこそ大学では必ず、彼女を作る!そう決めていたのに………


「ここ、何処だよ………」


俺は目覚めると何故か見知らぬ建物の中にいた………








「俺、寝ぼけている訳じゃないよな………」


部屋は薄暗く、ハッキリと周りが見えている訳じゃ無いが、ここは自分の部屋では無いことは分かる。


だってこんなに埃っぽくないんだよ………

それに………



天井が無いなんて事ないしな………


空を見上げると夜空が見える。雲に隠れているので月明かりが入ってこないのもこの暗さの原因なのだろう。


そして雲が晴れると………


「魔方陣?」


よくゲームで見るような魔方陣が座っている場所に描かれていた。

そしてそばには………


「エナメルバック………?」


いつも野球の時に持っていくエナメルバックがあった。

中には野球道具一式が入っている。


「何でエナメルバックが?………まあ無いよりはましか………取り敢えず外に出るか………」


エナメルバックを肩にかけ、取り敢えずこの場所から出ることにした。








「って本当に何処だよここ………」


何とか薄暗い建物から出た俺は外に出て驚愕した。

一面に広がる草原。

その先に見える、森に山。


どう見ても日本じゃない。


「モンゴル?」


行ったことは無いが、当てずっぽうでも良い線行っていると思う。


「取り敢えず人のいる場所に行かないとな………」


そう思い、歩き始めようとしたその時………


「あ、あの!!」


建物の方から俺に話しかける人がいた………










「はい?」


声をかけられ、何か分かると思いながら振り返ると、建物に隠れた女の子がこっちを警戒するように見ていた。


「君は………?」

「あ、あの………私、ランシェと言います」


未だに隠れたままだが、名前を教えてくれた女の子。

何故そんな警戒してるんだろう………


「俺は別に何もしないよ。それよりここどこ?詳しく話を聞きたいんだけど………」


そう言ってゆっくり近づくと、ランシェちゃんはビクッ!?っと反応して完全に隠れてしまった。


「あ、あなたの………名前は?」

「うん?俺の名前?俺は安藤洸って言うんだ」

「アンドウコウ?長い名前………」

「えっ!?………ああ、ごめんごめん。洸が名前。因みに名字って分かる?」

「名字………?」


やっぱり分からないか………


「………まあいいや、取り敢えずコウで良いよ」


「うん、分かったコウ」


名前を教えた事で、多少警戒心が解けたみたいだ。

今なら俺の質問に答えてくれるかな?


「なあ、ランシェ聞いて良いか?」

「何………?」

「ここってどこ?」

「ヴィウグル大陸の端のワーキャットの村………」

「ヴィウグル大陸?ワーキャット?」


そんな大陸に部族、地球にあるのか?


「そしてこの祠は一族の神聖な場所。他の種族が入っちゃダメ………」


「いや、そう言われても………気がついたら中にいたんだ。俺だって帰りたいよ」

「中に………いた?」


俺の言葉を聞いて頭に被っていたフードを取り、腕組みをしながら姿を見せる女の子。

声からして小学生か中学生なりたて位の年齢だと思っていたけど当たりだった。

身長が180センチ越えてる俺と比べたら確実に兄と妹に見えるだろうな………


「………ってえっ!?」


今まで大きめのローブの様な服でフードまで被っていたので気が付かなかったが、フードを取った女の子の耳にはピクピク動く猫耳が。

そしてローブ越しにでも分かる明らかに動いてるしっぽ。

そして人の手だが、ちょっと猫っぽい手足。


「………コスプレ?」

「コスプレ?」


だよな………そんな言葉知ってる訳ないよな………


「じゃあこれって異世界って事か………?」

「異世界………コウって魔族なの!?」


そう言って再び隠れるランシェ。

さっきとは違い、フードが無いため、ツインテールにしている綺麗な銀色の髪がかなり目立つ。


「俺は魔族じゃ無いよ。………てか魔族って何?」

「えっ!?」


俺の問いを聞いて再び出てくるランシェ。

さっきから行ったり来たりと忙しい子だ。


「………じゃあコウは更に別世界の人って事?」

「多分」


俺は取り敢えずランシェに俺の話をしてみた。


「なるほど………だから特徴が無いんだね!」

「特徴?」


「うん、各種族にはそれぞれ分かりやすい特徴があるんだ。私達なら耳としっぽ。エルフの人達なら尖った耳や綺麗な瞳。ウンディーネの人達なら透き通った様な白い肌と青い髪とか」


「ふ~ん………」


「まだまだあるよ。ドワーフ族の人たちは小さいけど………」


「ごめん、多すぎて覚えられそうにない、少しずつ覚えていくから取り敢えず良いよ」

「うん、分かった。それで今言った種族の人達みたいに特徴が無いから珍しいと思って………」


本当にファンタジーな世界なんだなここは………


「でもどうして違う世界に来ちゃったんだろうね?」

「さあ?俺にもさっぱりで………」


本当に何でだろう………?


「なら家に来なよ!帰れるようになるまで面倒見てあげる!!」


いや、面倒見るって………君、絶対年下だろ………

でも右も左も分からない状態じゃな………


「お世話になります………」


こう言うしか無かったのさ………

なのに………








「元に戻してきなさい」

「嫌!コウは私が面倒見るの!!」


2人の猫耳少女が睨み合ってる。

まあランシェの姉は俺とあんまり変わらなそうだけど………


「はぁ………」


そんな2人を見ながら俺はため息を吐いた………








さて、あの場所から森へ30分位歩くと、森の中に集落があった。もう夜中って事もあり、静かだったが、所々家の光が漏れている所を見るとまだ全員寝たわけでは無いみたいだ。


そんな事を思いながらランシェと歩いているといつも間にか着いたみたいだ。


「ただいま~!」


元気よく扉を開けて入るランシェ。

中ではランシェにそっくりな女の人が驚いた顔でランシェを見ていた。


「ランシェ!あなた、また勝手に抜け出して………ってあなたは誰?」


チャイナ服っぽい服を着た大きなランシェ。

しかし俺好みのショートヘアーに猫耳。

そして気の強そうな顔。


(ランシェ、お前のお姉さん綺麗だな………)

(だけどね、気が強すぎるから村の男の人には人気が無いんだ………確かにおっぱいは残念だけど………)


まあ確かに………

恐らくCあるか無いか位だな。


だけど俺は美乳派だから問題無い。


「あんた達失礼な事話してない………?」

「「イヤイヤイヤイヤ」」


さっき会ったばかりだが、息のぴったりな反応をした俺達。


「で、何でその人を連れてきたの?」

「それはね………」


ランシェが説明をし、最初に戻るのだった………










「何でよ!!」

「何でってよそ者よ!?あなたこそ何考えてるの!?」

「よそ者だけどコウは悪い人じゃないもん!!」


さっきからこんな感じで平行線だ。


「あの………」

「何よ!?」


「取り敢えず、詳しい話とか聞きたいので明日また伺うって形で………今日は取り敢えず今日は野宿するのでもうそれくらいに………」


もう遅いし、ランシェにもこれ以上姉と険悪なムードになって欲しいのでそう言ったのだが………


「じゃあ私もコウと野宿する!!」


かなりランシェは頑固であった………


「な、な、な、何言ってるの!!貴方子供でも女の子なのよ!!男と2人っきりになんて………」

「コウはそんな男の人じゃないもん!!優しいもん!!」

「少し話した位で何が分かるって言うの!!」

「分かるもん!!」


ごめんランシェ、俺もお姉ちゃんと同意見だ。


「ランシェいいから。その代わりまた明日伺うからさ………」

「………駄目ったら駄目!!」


もう自分を曲げる気が無いランシェに、姉が溜め息を吐いた。


「………分かったわ、だけどコウって人はリビングで寝てね」

「お姉ちゃん、ありがとう!!お姉ちゃん大好き!!」


最高の笑顔を見せる妹に姉も満更でも無いようだ。

まあそんなこんなで俺は取り敢えず野宿はまぬがれたのだった………








「全く、だから部屋に行きなさいって言ったのに………」


そう言って姉のランファが俺に飲み物を渡してくれた。

中には香りの良いお茶の様なものが。

ちょっと苦いが中々………


あの後、ランシェに質問攻めにされ、答えている内にランシェは限界が来て寝てしまったのだった。

俺の太ももを枕にしてすぅすぅ寝ている。


「ランシェがあんなに楽しそうにしているのを久しぶりに見たわ。父と母が病気で亡くなってからずっと元気が無かったから………」

「そうか………」


そう言いながら頭を撫でて上げると気持ちいいのが気持ちよさそうな顔をするランシェ。

可愛いなぁ………


「だから本当に驚いたわ、頑固な子だけどあんなに意固地になるなんて………」

「大変だなお姉ちゃん」


「からかわないで………はぁ、本当はこんな事している余裕は無いんだけどね………」


そう言って取り出したのは大きな紙。

そこに描かれているのは大きなひし形の図系。その角には四角の図系が更に………って!!


「これ野球か!?」

「野球?これはベースボールよ」


「いや、俺の世界では野球って言うんだ………ってここまで来て野球!?」


「だからベースボールよ。明日、村同士の試合があるのよ。それにより狩場を決めるのだけど、ここ数ヶ月負け続けて、生活が苦しいのよ………」


何、この世界ファンタジーなのに野球で色々決めてるって事か………?

そう思いながら、紙を見る俺。

野球の図系だと言うことは分かるのだが、何が書いてあるのか全く分からない………


「どうしたの?」

「………何て書いてあるんだ?」


「えっ?1番センターラグナ、2番………」

「えっ!?これ打順が書いてあるのか!?」


「そうだけど………もしかして読めないのヴィラル語?」


「ヴィラル語?」

「今喋ってる言葉」

「いや、日本語だろ?」

「日本語?」


もしかして自分で理解してないうちにヴィヴィヴィ………ヴィラル語?

と、とにかく勝手に喋れていたみたいだ。


「ん?でも何でヴィラルなんだ?この大陸はヴィウグルだっけか?何でヴィウグル語とかじゃないんだ?」


「何でってこの世界がヴィラルと言うからだ」


「へえ~」

「本当に何も知らないんだな………ならベースボールのルールも知らないのか?」


「舐めるなよ仮りにも甲子園優勝投手だぜ俺は!」

「甲子園?」


うん、知らないよね当然………

まあそれはともかく、俺はランファに野球のルールを話し始めた………








「まあ大体合ってるけど、固有技能が無いわね」

「固有技能………?」


「固有技能はね………まあ実際に見てもらった方がいいか………明日試合前にヤンに見せてもらいなさい。取り敢えずもう夜も遅いし、寝ましょう」


そう言って俺の太ももに寝ていたランシェを抱きかかえるランファ。


「そこにある布団使って良いから悪いけどその椅子で寝てね」


そう言って部屋の明かりを消し、ランファは自分の部屋に戻っていった………










「異世界か………」


バックの中にあったスマホを取り出す。

バッテリーも満たんなのだが、やはり通信は圏外だ。


「俺はこれからどうなるのやら………」


未だに世界観がよく分からないところが多く、何故に野球?という疑問が絶えない。

そして固有技能って何?


「まあ全ては明日、ハッキリするか………」


そこで俺の意識は完全に闇に向かい、異世界の夜は過ぎていった………

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