002
俺は今まで起こったことを思い出しながら、おじいさんに話していた。
高校から帰り、宿題をやろうとした。
ただついつい眠くなって布団にもぐりこみ、ちょっとだけ寝ようと考えて、三十分後に携帯電話のアラームをセットしたところまでは覚えている。
そして今に至るのだが。
「ふむ……なるほどそういうことか」
おじいさんは何やら納得しているご様子。
俺が不思議そうにしていると、おじいさんは俺がこの世界に来た現場を直接目撃したらしい。
こちらの世界には異世界を渡るという魔法は伝えられていないらしいけど、瞬間移動のような魔法は存在しているみたいだ。
おじいさんは移動魔法を感じ取り、警戒した。
敵かと思って臨戦態勢を整えていたところに、現れたのは見知らぬ男、つまり俺。
おじいさんは見た目通りの魔法使い。しかも頭に大がつくほど優秀な魔法使いらしい。
有名な魔法使いなので、利用しようとするものも多かったらしいが、地面に放り出されたまま動かなかった俺を見て、自分から跳んできたのではなく、何らかの原因で跳ばされたのだと判断したらしい。
いやーその判断は正しかった。
実際俺もわけ分からんまま飛ばされたしね。
それで気を失ったままの俺をおじいさんは自分の家に運んで介抱してくれた。
俺が出現した日の前に丁度雨が振っていたみたいで、地面は泥だらけだったみたい。
服は洗濯して今乾かしてくれていて、この服はおじいさんの息子が着ていた服らしい。
気になって下着は? と聞いたら普通の人は下着はかないんだってさ。
ノーパン異世界って何さ。
あ、でも地位の高い人は下着つけるらしい。貴族とか王族とか。
貴族や王族が自分の身分を証明するために下着を見せたりすることもあるとか。勿論みんなの前で見せつける、なんていう露出狂みたいなことをするわけじゃなくて、同性の下着検査官なるものが存在してるという。
おじいさんは俺が下着を着ていたので、もしかしたら貴族の人かもと考えていたらしい。
「で、やっぱり異世界を渡る魔法っていうのは存在しないんですよね?」
「すまんな。大魔法使いと呼ばれた私ですら見当もつかん」
だとしたら俺、この世界で生きていくしかないよな。
一般市民として生きるためには、俺もノーパンに慣れないといけないのだろうか。鬱だ。
確かそんな設定のエロゲありましたよね。