表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
読書好きの悪役令嬢は、世界の筋書きを読まない  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

55/92

シーン8:第五章の締め ― 物語の“外”から来たもの

レイスは、

ゆっくりと本を閉じた。


重みが、

手のひらに残る。


『未読の魔法について』


まだ、

読み切ったとは言えない。


だが、

読む必要があることだけは、

はっきりした。


結界は、

再び安定している。


音は届かず、

視線は留まらず、

因果は偏らない。


ただ――

完全ではない。


揺らぎは、

消えていない。


それでいい。


世界は、

沈黙している。


断罪は起きず、

剣は抜かれず、

物語は始まらなかった。


だが、

その沈黙の外側から――

声ではなく、問いが落ちてきた。


命令でも、

糾弾でもない。


進め、

とも言わない。


ただ、

「なぜ」と問うだけだ。


結界は、

破られたのではない。


力で、

押し切られたわけでもない。


理由ごと、

揺さぶられた。


それが、

この章のすべてだった。


レイスは、

本を机の脇に置く。


排除しない。

だが、

答えも出さない。


今は、

未読のままでいい。


第五章は、

そうして終わる。


物語は、

まだ始まらない。


だが――

問いだけが、

そこに残った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ