表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
読書好きの悪役令嬢は、世界の筋書きを読まない  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

38/92

シーン2:レイス視点 ― 結界内の通常運行

同じ時刻。

王立魔導図書室。


石造りの壁は、

朝の光を静かに受け止めている。


レイスは、

いつもの席に座っていた。


本は開かれ、

ページの端には、

すでに書き込みがある。


余白に走る、細い文字。

参照符号。

小さな矢印。


ページをめくる音が、

一つ。


それ以外に、

音はない。


結界は、

調整済みだった。


過剰でもなく、

不足でもない。


音は、届かない。

視線は、留まらない。

因果は、偏らない。


すべてが、

いつも通りに機能している。


レイスは、

文章を追いながら、

ふと手を止めた。


(……今日は、静かね)


違和感ではない。

確認に近い。


普段よりも、

さらに雑音が少ない。


だが、

気にするほどではない。


外で何が起きているかを、

知ろうとも思わない。


必要なら、

いずれ分かる。


そうでなければ、

知らなくていい。


ページを、

もう一枚めくる。


書き込み済みの注釈が、

視界に入る。


自分の思考が、

ちゃんと積み上がっている証拠。


それが、

今は何よりも確かだ。


外の世界では、

剣が磨かれ、

声が集まり、

期待が膨らんでいる。


だが、

それらはここには届かない。


結界内は、

最小音量。


世界が叫ぶ準備をしていることを、

この場所は、

まったく知らない。


レイスは、

読み進める。


物語とは関係なく、

ただ、

本の続きを。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ