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読書好きの悪役令嬢は、世界の筋書きを読まない  作者: 南蛇井


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シーン8:結果② ― エリシアの成長停止

エリシアの一日は、

穏やかだった。


朝は、遅刻しない。

授業は、理解できる。


特別に褒められることも、

叱られることもない。


廊下を歩いても、

誰かとぶつからない。


声をかけられることも、

呼び止められることもない。


(……静か)


それが、

悪いとは思わなかった。


困ることは、ない。

悩みも、ない。


課題は、こなせる。

友人とも、普通に話す。


ただ、

何かが起きる前の、

あの“ざわめき”がない。


失敗しない。

成功もしない。


感情が、

大きく動く瞬間が、

来ない。


温室に立ち寄ってみる。


光は綺麗だ。

花も、前と同じ。


でも、

立ち止まる理由が、ない。


図書室の前を通る。


扉は開いている。

本も、たくさんある。


それでも、

足が向かない。


(……どうして?)


理由は、分からない。


ただ、

胸の奥に、

小さな空白がある。


エリシアは、立ち止まって考える。


(……私)


言葉を探す。


(……私、

何か、待ってる?)


答えは、浮かばない。


誰かを待っているわけでもない。

出来事を期待しているわけでもない。


ただ、

“始まるはずだった何か”が、

来ていない気がした。


それでも、

日常は続く。


破滅は、ない。

不幸も、ない。


あるのは、

停滞だけだ。


エリシアは、

また歩き出す。


進んでいるつもりで、

同じ場所を歩き続けながら。

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