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読書好きの悪役令嬢は、世界の筋書きを読まない  作者: 南蛇井


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シーン7:結果① ― イベントが発生しなくなる

学院の日々は、

滑らかになった。


滑らかで、

引っかかりがない。


朝、廊下を歩く。

誰ともぶつからない。


足取りは自然で、

避けた覚えもない。


温室に入ると、

光は以前と同じように差し込んでいる。


花は咲き、

香りもある。


けれど、

誰も立ち止まらない。


通り抜けるだけだ。


図書室の前も、同じだった。


入口は開いている。

本は、そこにある。


だが、

人は集まらない。


列ができることもなく、

立ち話が生まれることもない。


それが、

数日続く。


一週間続く。


誰も、疑問を口にしない。


(……不安ではない)


レイスは、そう思う。


何も起きない。

だが、

悪いことも起きない。


日常は、

問題なく回っている。


ただ――

進まない。


授業は進む。

課題は出る。


だが、

人の関係が、動かない。


衝突も、和解も、

芽生えない。


廊下で、

ぶつかりそうになって、

互いに謝る。


そんな些細な出来事すら、

起きなくなっていた。


学院は、

整っている。


整いすぎている。


それは、

居心地の良さでもある。


レイスは、

図書室で本を閉じる。


集中は、保たれている。


世界は、静かだ。


静かで――

止まっているように見える。


第三章は、

この停滞を、

結果として受け取らせる。


誰も不幸ではない。


それが、

一番の異常だった。

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