プロローグ「エネスオークという世界」
世界には蒼い光が満ちている。それは空気のように自然で、当たり前にある世界のエネルギー、オルゴン。
長い年月をかけて進化した生命は、皆その力に触れ、影響を受け、体内に循環する新たな力を獲得した。人々はそれをエコルと呼んだ。
そしていつの日か人々はエコルを操るようになり、オルゴンを自身の望むものへと変え、魔法という技術を手にする。人々はオルゴンを視認できなかったが、強い意志を魔法へと乗せることで、垣間見ることもあった。そしてその光を見たものは誰しもが言った。
「それは、空と海を混ぜたような澄んだ色だった」と。
そうしてエネスオークという世界は、蒼の祝福と共に人々の繁栄の舞台となった。
また長い年月が過ぎると、世界は天災と疫病の末に戦火に包まれるようになる。乱立した国家は互いに攻撃し合い、互いに奪い合った。
しかし、そこに一人の若者が立ち上がる。
若者は仲間と共に各地の戦乱を沈め、法律、教育、言語、単位や暦、そして宗教までもを統一した。若者と仲間は協力して世界を六星結界で包み込み、人々に天災や疫病を抑制することを約束した。
そうして結界の要となる五つの器が与えられ、五つの点を結ぶように確立されたのが、五大国家である。五国の中央には瘴気の広がる死の大地が存在したが、険しい山脈に囲まれていたため、人々の生活に大きな影響を与えることはなかった。
千年が経った現代も、国々はほんの少しだけ形を変えながら、均衡を保っている。
北に、星ヴァルディア光国
東に、桜の國と蓮の國の連盟、蓮桜同盟
西に、アルカナリア海洋王国
南に、神王国カラダンバール
それが国々の名である。
だが現代には天災とも疫病とも異なる問題が発生していた。それが、魔獣であった。
魔獣が現れてから五十年。
人々はその脅威に怯えながらも、魔法を、剣を武器に、対抗組織を作り上げた。そして、その肉を食べ、毛皮を纏い、荷車を引かせ、新たな生態系と共に生きることを受け入れ始めていた。




