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世界の十字路【全話統合版】  作者: 時雨青葉
【第1部】日常の崩壊と覚醒
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身も心も、冷たく―――


 ……暗い。



 暗い、どこまでも暗い闇の中に、実は放り投げられていた。



 地面の感覚も、自分の体の感覚もない。

 五感も消え失せた混沌とした闇の中に、精度を欠いた意識だけが浮かんでいる。



 全てを塗り潰す闇に、自分という存在自体も溶かされていきそうだ。



 そもそも自分は、本当に存在しているのだろうか…?



 そんな風に思考すらも奪われそうになっていた時、遠くに何かが見えた。



 青い世界に、人が二人。

 一人は学校の制服を着ていて、もう一人は彼の腰くらいの身長の子供だ。



 よくよく見て、それが拓也と幼い自分なのだと知る。



 ふいに、子供が何かを放った。



 その後二人は、数度言葉を交わしている。

 何を話しているのかは分からない。



 拓也が子供から離れて、青の世界から消えていく。



 その直後、急に音が耳に入ってきた。



 何かが崩れる音だ。

 その音を聞いた子供は、顔を上げると―――



「……死んだか。」



 そう呟いた。



「かなり楽に殺してやったんだから、感謝してよね。」



 子供は無邪気な高い声で言う。



 ―――ああ、そうか……



 感覚がない中で目を閉じて、落胆したように、そして脱力するように細く息を吐いた。



 ―――俺は……



 事実を(かたく)なに拒んでいた意地が抜け落ちていく。

 もう、何もかもがどうでもよかった。





 ―――俺はもう………殺してしまっていたのか……





 体の髄で、まるで氷が溶けるように、ひんやりとした何かが爆発して―――





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