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切ない囁き
淡い発光と共に、実と同じように拓也が消えていく。
それを見送ったエリオスは、小さく溜め息をついた。
周りに満ちた闇は、彼を飲み込もうとするかのように濃い。
彼は黙して、自分の手を見つめた。
時々、闇に霞む己の手。
それを眺めながら、彼は憂いを帯びた目を伏せる。
「ふう…。私も、いつまで持つか分かりませんね。」
自虐的に呟く。
きっと、実が封印を解く時に、その余波で自分は消えてしまうだろう。
エリオスの魔法によって生み出された自分の役目は、実に対する魔法干渉から実を守ること。
実が自分の意志で魔法干渉を跳ね除けた今、自分の役目は終わったと言える。
消えることは仕方ないのだ。
ふと、彼は頭上を仰いだ。
やはりそこにも、ただ闇が広がるだけ。
「実様……」
遥か虚空に向かって呼びかける。
「やはり、あなたを助けることはできないのでしょうか? ……その、悲しい運命からは。」
その言葉は、響くことなく闇に消える―――




