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武神さまと一緒 私、最強の力を手に入れてものんびりするのが希望です  作者: かっぱん


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69 アニス、大活躍する





「では、次」

「ひゃ、ひゃい!」


 あああああ!

 いきなり声が裏返ってしまったああああ!


 私はカチコチになりながらも、兵士たちさんの前に出た。


 ――アニス、堂々とするのである。

 ――う、うん。


「わ、私は、こういう者ですが……」


 私はお父様にもらったハロ男爵家の紋章が入ったペンダントを見せた。

 どうかな……?

 おそるおそる、兵士さんの様子を窺う。


「どうぞ、お入り下さい」


 やったぁぁぁぁ!

 兵士さんが頭を下げて、道を開けてくれたぁぁぁ!


「ど、どうもです」


 私は門を抜けた。


 町の中に入る!


 しばらく歩いてから、私は飛び跳ねた!


「やったあああ! 大成功! 私、上手くいったね! すごい!」

「町に入っただけで何を大喜びしているのであるか」

「だってぇ」


 初成功だし!


「とはいえ、ちゃんとペンダントを見せられたのは立派である」

「そうですよー。私なんて、捕まるんじゃないかと思うと怖くって、もう膝がブルブルで倒れる寸前でしたしー」

「えへへー。がんばったー」


 褒められて、私は笑った。


「でもここ、ホントにどこなんだろうね……」


 私は通りを見渡す。

 賑わっている町であることは確かだ。

 通りの建物はリムネーよりずっと大きくて立派だし、リムネーより人通りも多い。

 商売も活発そうだ。

 今も目の前を、たくさんの荷物を積んだ馬車が通り過ぎて行った。

 あと、宿屋がたくさんある。


「適当に通りかかったヤツに聞いてみれば良いのである」

「えー」


 私は通行人を見渡す。

 当然ながら、知らない人ばかりだ。


「さすがにそれは……」


 私はどうしようか考えて、閃いた。


「そうだ! 宿を取ろうか! 宿の人に聞いてみよう!」

「まだ昼であるが、ここで一泊するのであるか?」

「うん。そうしよー。昨日は野宿だったし、私、のんびりしたいよー。あと、王都に行くにしてもまだ余裕あるし」


 ラズがいれば、迷子にさえならなければ、簡単に到着できそうだし。

 竜の翼はすごいのだ。


「で、あるか。我は構わぬのである。では、宿を取って、キノコを食べに行くのである」

「だねー!」


 話は決まった。


「ここなんてどうかな?」


 私はすぐに良さそうな宿を見つけた。

 一階が酒場になっていない、上品な作りの宿だった。


「ふむ。高そうな宿であるな」

「泊まるなら静かで、柄の悪い人がいなさそうなところの方がいいよね。普通の宿だと、下が酒場で夜は大騒ぎで、喧嘩とかもあるっていうし」

「確かにそれは避けた方が良いのである。今日のアニスは優秀なのである」

「柄の悪い人や喧嘩は恐いですよね……。さすがはご主人様です。慧眼です」

「えへへー。私、頑張ってるねー」


 またも褒められてしまった。

 私は早速、宿の中に入って、受付のお姉さんに話しかけた。


「すみません。今夜、泊まらせてほしいんですけど……」

「失礼ですが、保護者の方は……?」

「事情があって一人旅です。私はこういう者です」


 私はペンダントを見せた。

 すると受付のお姉さんは、「失礼いたしました」と頭を下げて手続きを進めてくれた。

 ペンダント、最強すぎる。


「二名様でよろしいでしょうか? お部屋は別々で? それともご一緒で?」

「一緒でお願いします」


 ラズを一人にするのは、いろいろ不安そうだし。

 なにしろ竜だし。


「お二人様の一部屋一泊ですと、銀貨五枚になりますが」

「金貨でいいですか?」


 金貨一枚を渡すと、銀貨五枚のお釣りをもらった。

 お父様からもらったお金は、金貨一〇枚。

 王都に行くまでなら、余裕で毎日泊まれそうだ。


「こちらにお名前をお願いします」

「はーい」


 出された紙に私は名前を書いた。

 アニス・オル・ハロ。

 スカーフはしていないし、嘘をつく必要はないよね。


「あと、すみません。ここって、なんていう名前の町なんでしょうか」

「はい……。ここは交易都市チュアムですが……」


 ――ねえ、カメさま。チュアムってどこだっけ?


 聞いたことがあるような……。


 ――リムネーから二日の場所にあるという王都に行く時の最初の目的地なのである。王都までの馬車が出ている町なのである。

 ――あー! そうだったね!


 私は思い出した。

 なんと偶然にも、順当な町にたどり着いたようだ。


 私達は部屋に案内された。


「ふー。これでやっと一息がつけるねー。カメさまも普通にしゃべれるねー」


 私は椅子に座ってぐったりする。


「で、ある」


 通りでも普通にしゃべっていた気はするけど、私は気にしないのだ。


「そうですねー。やっと解放されましたー」


 ラズが背伸びをする。


「さあ、お風呂に入ろっかー!」


 まずはさっぱりしないとね!

 この部屋には、なんとトイレとお風呂があるのだ!

 普通の宿にはないと聞いていたから、やっぱり高級なところのようだ。


「その後はキノコである! キノコを食べに行くのである!」

「うん。だねー」


 私もお腹は減っている。

 私、今日は絶好調だ。

 なんでも上手く行く気がするね!

 美味しいキノコ料理も簡単に見つかりそうだっ!







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