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来世で君を

作者: 空風灯

あなたが差し出してくれた手を私は払う


私はそんなに安い女じゃ無いわ


例え世界が終わるその日でも


世界より私を求める人が好き


あら、貴方も私を求めるの?


ダメよ。その程度じゃ足りないわ


だって貴方たちは私を一度手放したじゃない


だから一度のアプローチじゃダメ


何度も何度も情熱的にアプローチしてくれなきゃ


あぁ、みんなの顔が良く見えるわ


クリス、リック、アイ、ジョセフ、、、


貴方たちは私に光を与えてくれたわ


そんな皆をずっと見ていたいかったから特別な鉄格子を用意したのよ


そう話しながら優雅に踊るように移動する少女の髪は金色で子供のような顔つきをしていた





私の体はいかなる毒からも血清を作る


発見は偶然だったけれど、グズでノロマな私でも愛されるかもしれないって、、、本当に嬉しかったわ


だから私、いろんなことに耐えたわ


顔が爛れる毒も、半身が動かなくなる毒も、視力がなくなる毒もなんでも飲んだわ


皆は世界がどんどん良くなってるって教えてくれた


目の見えない私には声で


耳が聞こえなくなったら肌に文字を書いて


世界中で毒に苦しむ人がいなくなったって


少女は鉄格子の前の椅子に座り下を向く








でも違った


皆はこの世に存在しない毒を作り私に盛った!


血清を作れる人をみんな殺して!


血清のない世界で!皆は私の血清を高額で売り捌いた!!


人のお金を!人生を!!奪い続けた!!!


ずっと、、、ずっと、、、、!!!!


世界は良くなんてなって無かった!!


お金や地位のある人間だけが私の血を買い生き延びる世界になっていた!


私なしでは存在しない世界に、、、なっていた、、、










私は皆に言いたいことがあったわ、、、










ありがとうって!










だって、こんなにも私は愛される存在になった!


皆が私なしでは生きていけない存在に私はなった!!


昨日も!今日も!!そしてきっと明日も!!!皆が私を求めるわ!!


本当に愛されているわ!私!世界から!!!







でももう皆はいらない

だって、皆は私の事を愛してくれなかったわ

一度だって私の血清を飲んでいないもの

皆は気づいたのよね

私の血を飲んだ人を私は操る事ができるってこと

だから皆は自分で血清を試すことは一度もなかった


少女は目を赤くし鉄格子を見つめる






本当に残念







じゃあ、、、さようなら皆


皆が最後に作った恐ろしい毒の入った小瓶だけ置いておくわね


来世では私の事



















愛してね?







ゆっくりとドアがしまる


部屋には4人と毒瓶だけが残された


食料も水も光もないこの部屋に

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