男の子
次の日私は予定通り街に来ていた。
街の雰囲気は明るい感じ。レンガで作られた建物に道、道のはしの方に立ってる電柱代わりのランプ。
と、そんなことを考えているとお兄様に手を引かれてしまった。……お兄様に手を引かれて?!
いくらなんでも心配性すぎない?普通なら引くところだけど顔が良いから許されるのよね……
いくら血の繋がっていない兄妹だからって、これは惚れちゃうわ〜。なんてふざけたことを考えるのはよそう
そう実は今日はお兄様と二人で街にでかけているのだ!もちろんお父様は護衛をつけよう!と心配そうに言っていたが、お兄様がなんとか説得してくれて二人だけの外出を許可してもらった。
その時に知ったのだが、お兄様は学校一の剣の使い手らしい。将来は騎士になるそうだ。
すごい!!そんなことを考えていると屋台の近くにまでついたようだ。
「さぁ、ついたよ?」
お兄様が私に最高にいい声で声をかけてくれる。
「はい!では、行きましょう!」
全力の笑顔で返事をすると微笑み返してくれるお兄様……かっこいい。
屋台も物騒な感じもなく、普通に平和な感じだった。あと、美味しそうだったと伝えておく。ラノベとかでよくみる街がひどいとか事件が起こるとかはなさそうだ。
「それで、ここのお店のパンが美味しいんだよ。また一緒に食べに来ようか」
「ほんとうですか?!楽しみです!」
その後、お兄様が休憩がてらなにか食べようといい始めた。
「僕、何か買ってくるからオリヴィアはここで待っていて?」
「そんな!悪いですよ!私もついていきますから!」
という私の声を遮りどうしても引かないお兄様に負けて私は近くにあったベンチでお兄様が食事を買いに行くのを待つことになった。
「じゃあ、行ってくるね」
といいお兄様が去ってしばらくたったあと、私はなにかに惹かれるように近くの路地裏に入っていった。
私は、さっきまでいた街の雰囲気とは打って変わって薄暗く不気味で汚い路地裏に不信感や恐怖心をいだきはじめたが、その不快感以上に惹かれる”もの”に無意識のうちに近づいていった。
「お兄様はこの街は明るくてきれいないい街だなんて言っていたけど小道に入ったらすごく汚いじゃない……」
などとぶつくさ言いながら進んでいると前にボロボロの状態でしゃがみこんでいる子供を見つけた。
私は心配になったので
「ねぇ、君?どうしたの?そんなところに座り込んで。お名前は?」
「?おなまえ……ない……」
「お名前ないの?じゃあお家は?お母さんお父さんいる?」
私の質問にその子はいきなり泣き出した。
”いない……”と言い続けながら泣くその子に私は何も言うことができずただその子が泣き止むのを待った。
その後、その子が落ち着いてから
「ねぇ……もしよかったらお姉さんのお家にこない?」
とその子に聞いた。
こんなこと自分ひとりの判断では決めてはいけないことはわかっていたが、どうしても放っておけなかったのだ。
ためらいぎみに
「うん……」
と言ったその子に愛着がわきつつ、じゃあ街のほうに出ようか!と言って街まで向かった。
「さぁ!ついた!」
と言ったその瞬間
「オリヴィア!!!!何処に行っていたんだ?!心配したんだぞ!!!」
と必死に心配して泣きそうな顔でお兄様が近寄ってきた。
「申し訳ありません……この子……えっと……」
「何処で見つけたんだい?!その子?!」
「ここのの路地裏……で……あれ?」
路地裏がない……
「えっと……その……向こうで!虐待を!受けていたので!本人の意思を聞いた上で連れてきました……あの……連れて帰っても?いいですか?」
「仕方ないね、一度伯爵に相談をしてどうするか決めよう。とにかく一度連れてかえろう」
「はい!!」
「おかえり!オリヴィア!ジャック!怪我は……ってあれ?その子は?」
「ただいま……です……えっと……この子は……路地裏?で拾ったと言うか……」
「とにかく外にいてもなんだし中に入ろう。」
「はい」
「この子はお風呂に入れてあげて?その間に君たち二人に話をきこうか?」
と、メイドさんに指示をして私達の方に向き直り笑顔を向けるお父様に私は悪寒を感じたがすぐに自分が説明しなければならない立場だと気づき説明し始めた。
「えっと……お兄様が休憩がてら食事をしようと言って食事を買いに行ってくださったんです。その合間にすごくひどい暴力を受けたような姿をしたあの男の子を見つけて放っておけなくて連れてきたんです。もちろん!本人の了承はエましたし、両親や親戚どころかお名前もないとのことでした……えっと……それで……」
私はもちろん本当のことを言えるはずもなく少し話を作りながら説明したが、説明の仕方がわからなくなり言葉に詰まった。
そんな私にお父様は
「放っておけなかったんだね?オリヴィアは優しいね」
と声をかけてくれた。
優しさで余計に言葉に詰まったとき
「失礼します。お子様の入浴が終了しましたのでお連れしました。」
という声とともに先程の子供が少しきれいになって登場した。
が、
「まぁ……」
その子には想像を絶するほどの傷などがあり私は言葉を失ってしまった。
「とにかく!怪我の手当を!!」
という私の声でその子のために医者が呼ばれた。
医者からの治療が終わり、一段落ついたころ、
「オリヴィア?話したいことがあるんだが今いけるか?」
とお父様が話し始めた。
「オリヴィアが真剣に看病をして、面倒を見ている姿を見て、この子を家で預かるのはもちろん了承しようと思ったが、それ以上にお前の成長のためにもあの子のためにもお前が面倒を見るのはどうかと思った。というのもあの子はお前には心を開いているようだったし、父としては娘の成長した姿をこんなに間近で見れて嬉しいんだ。どうだ?自分で面倒を見てみないか?」
「いやっでも学校があるし……まず学校に連れて行けるんですか?」
普通の学校なら無理だろうけど貴族学校だもんね行けるのかも?
「貴族の学校だからなメイドや執事を個人的に雇うことは許されているし個人のプライベートは守られる。部屋にも頼まなければ誰も入ってこないし使用人用の寮もある。」
「そうなんですね!それなら……頑張ってみます!!」
「そうか!全力でサポートするからね?とにかく今日はもう遅いしもうおやすみ?」
「はい!失礼します」




