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ヴァルデット  作者: 魚とポテト
5/8

出発

「オリヴィア!!!大丈夫?!」

え?だれ?

そこにはいかにも町娘といった感じのおさげの可愛らしい女の子がいた。

絶対に身分は同じではないだろうし、友達なのかもわからない為オリヴィアは困惑状態になったが、相手が記憶喪失であることは把握しているようだったため話を進めようとした。

「えっと?どちらさまで?」

私がそう言うとその子は

「あっそうよね……オリヴィア、記憶喪失になっちゃったんだもんね。私のことなんてわかんないよね……」

と、ものすごく悲しそうに落ち込んだ。

「あっ……ごめんね……ほんとにわからなくて……」

と私が言おうとしたその時……

「こら!アメリ!お嬢様を呼び捨てにした上タメ口だなんて!」

え?!急にどうしたの?メアリー

「うぁ!!お母さん……ごめんなさ~い」

そう言われると女の子否アメリは、ちぇ〜とでも言うように不服そうな顔をしながらあやまった。



ん?お母さん?



「えっと?お母さんというのは?」

「あ〜!自己紹介!まだだったね!私アメリ!!!オリヴィア…じゃなかった、お嬢様と同じ15歳!!!あっっっ……です!!!メアリーは私の母なの!」

なるほど、だとしたらメアリー見た目若すぎるでしょ

「まぁ!!そうだったのね〜」

「うん!そんなことより、お嬢様大丈夫?」

「ええ!大丈夫よ!体調はとっても元気!お医者様はきっと昔の忘れたい記憶を本能が忘れようとしたんじゃ?なんて言われてるわ!そのうちきっと思い出すわよ。それに今は何も不

便ではないし!」

「そっか!!なら良かった!学校も行けそうだね!頑張ってね!私遠くからでもずっと友達だから!」

え?学校?

「学校?」

「うん!貴族だけが通えるという聖ルイン学園だよ!!いいな〜私も通ってみたいな〜オリヴィアもうすぐ出発でしょ?確かあと1週間くらいでここを出発するんだよね!」

まって……聖ルイン学園って……あの小説で確定じゃん。それにあと1週間ってなに?!もっと早く教えてよ!!

「え?!そんな話聞いてないわ?!」

「大丈夫ですよ!首都までは馬車が用意されていますし、新学期なのでジャック様もご一緒ですよ!」

あのイケメン兄貴が一緒ならまだ安心だけど……

「でもオリヴィアに友達できるのー?」

「失礼ね!私にだって友達くらい簡単に……作れ……」

……あれ?何でだろう、涙が出てきそう。

そういえば私が紬の時に友達って居たっけ。

「こら、アメリ!」

「ごめんなさ~い……待って、想像以上にオリヴィア……お嬢様にダメージ入ってるんだけど。笑いそう。」

何だこいつ。

「アメリ!」

「すみませ~ん。」

アメリ……許さぬ。

「あ、そういえばオリヴィア。学校の準備はしたの?」

学校……あっ、そうだった!

そういえばさっき一週間しか無いって言ってたっけ?!

「いや……その学校についてもよくわかってないし?」

「そう……せっかく伯爵があなたにサプライズで首都の方で色々と用意してるというのに……」

え、サプライズ?

それ言ったら駄目なやつでは?

「アメリ……!それはお嬢様には内緒だって……!」

「え?……あ」

アメリは完全にやらかしてしまったようだ。

「ごっ……ごめん!そんなつもりはなかったの!ちょっと話の流れで……つい。」

つい、じゃないんだよな。

「どうかこのことは聞かなかったことに……」

……サプライズだったら知らないふうに装ったほうがいい……よね?

「わかったわ。お父様が首都で私のためにサプライズを企画しているだなんて、全然聞いてないわよ。」

「根に持たないで〜。」

あはは、からかうのはこの辺にしておいてあげるか。

それにようやく腑に落ちた。

愛娘が記憶喪失になっても首都から帰ってこないのはおかしいと思っていたところだったのだ。

「オリヴィア……!お願いだからサプライズで首都でオリヴィアやジャック様のことを待ってる伯爵には絶対言わないでね?」

「アメリ!」

こいつ……またやらかしておるな。

どんなけ学習しないんだ、こいつは。






結局アメリは用事を思い出したとかで逃げるように帰っちゃった。自由人かよ

でもアメリは根はいいやつなんだろうけど、ちょっとずれてると言うか……

まぁ……私アメリみたいなキャラ、嫌いじゃない

「はぁ……お嬢様、娘が本当に申し訳ありません……」

と、メアリーが申し訳無さそうに頭を下げる

「いや、全然大丈夫だよ?それに面白そうな子だったし……」

「それはそうとお嬢様!」

急に声のトーンが変わったな、おい。

「アメリも言っていましたが、学校に行くまで時間がありません。学校では寮生活ですので万が一忘れ物でもしたら取り返しのつかないことになってしまいます!……最悪近くの街でも買うことはできるのですが……」

「えー……でも具体的にどういった物が必要なの?」

「そうですね……一様寮ですので最低限の家具は揃っております。制服や教科書といった学校で必要なものは伯爵が揃えてくれています。……内緒ですよ?」

わかってるって。

「ですので洗面具や下着、寝間着といった生活に必要なものがあれば最低限は大丈夫だと思います。でも……。」

「でも?」

「オリヴィア様は枕にはかなりこだわる方でしたので……今お使いになっているものもオーダーメイドのものですし……」

枕まで持っていかなきゃならないの?

紬のときは気にしたこともなかったけど……

「とりあえず、先程行ったものがあれば大丈夫だと思いますので……」

「わかったわ。ありがとう、メアリー。」

さて、準備を始めるか……

えーと、メアリーにもらった大きなトランクに洗面具……下着……寝間着……だったよね?

寮生活か……多分何セットも必要になるかも……

もしかしたら学校終わったあとにショッピング的な感じでお出かけするかも。

だったら私服も必要……?

あ、暇な時に本読みたい。この世界にどういった内容のものがあるか気になるしね。コレも入れておこう。

ん?ベットにしたからぬいぐるみが出てきた。かわいいうさぎのぬいぐるみだ。

オリヴィア……すごく女の子してたんだ……。これもいれておくか。

ちょっとまって、トランクに入らないんだけど。

そりゃあ入らないよね……。でもコンパクトにまとめておきたいな。

ぬいぐるみは諦めるとして……枕いる?要らないよね。

よし、もう置いていこう……





__一週間後__

今日はいよいよ出発の日。あれからは出発の準備で忙しく、わたしは継母たちに会うこと無くこの家を出発することとなった。

馬車に乗っていよいよ出発!なのに……

「じゃあそろそろ行ってくるね?」

「お嬢様ぁぁぁぁぁぁぁぁもう行ってしまうんですかぁぁぁぁ」

大号泣中のアメリ。

「もう行かないと……ね?」

「こらアメリ!!!お嬢様がお困りじゃない!!すぐに離れなさい!!」

「はい……オリヴィア?お願いだから体には気をつけてね?オリヴィアは体が弱いのだからむちゃしてはだめよ?」

メアリー恐るべし……てか後半母親みたいだな

「わかってるわアメリ。私なら大丈夫よ」

「それもそうね!」

「オリヴィア!出発するぞ!!!」

「はい!お兄様!」

「じゃあね!!アメリ!」

「うん!」

「では!!!行ってきます!」

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